美しい古民家の中でお茶×フレンチを堪能。日本の四季を味わう【HASABON】神楽坂
神楽坂の裏路地を抜けた先に佇む味わいのある古民家。一見フレンチレストランには見えないでしょう。ここ【HASABON】は、作家さんの器が並ぶギャラリーでもあり、フレンチレストランでもあり、お茶を楽しむ茶寮でもあります。今回は食後に抹茶がついたランチコースを堪能してきました。
凛とした雰囲気を放つ外観から気分が上がります
【HASABON】では、フレンチをベースとした料理をさまざまなスタイルで提供しています。『本日のシェフランチ』は3,850円、ディナーでは特別な日に使いたい『HASABONのスペシャルコース』27,500円と価格にも幅があるので、さまざまな使い方ができることも魅力的です。
1階にはカウンター席、階段を上がった2階にはテーブル席があります
今回はベーシックな『ランチコース』6,050円にティーペアリング2,750円をオーダーしました。内容を一部ご紹介します。
前菜
前菜の1皿目。ペアリングには台湾の梨山(りさん)高山茶という、2,000m以上の高山から採れる貴重なお茶を合わせます
蓮根のピクルスと兵庫県産の香住(かすみ)ガニを和えたタルタル、その上にシャインマスカット、エルダーフラワーのシート、ソースは自家製のアーモンドミルクソースです。ピクルスの酸味とマスカットの甘味、香住ガニの優しい旨みが調和してとても華やかな味わいが印象的。
前菜
前菜2皿目は秋刀魚のクレープ。秋刀魚だけでもそうですが、紅葉を思わせるお皿で秋の訪れを感じます
ほうじ茶を使ったクレープ生地に秋刀魚のクリームを乗せ、菊のピクルス、焼いた秋刀魚、柿を添えた絵画のように美しい一皿。ペアリングには、バラの精製水からほうじ茶を煮出した香り高い薔薇茶を合わせます。秋刀魚の旨みや香りを包み込む薔薇茶の包容力と、最後に鼻から抜けるエレガントな香りの余韻が続く至福のひとときです。
メイン
メインは青森県産熟成豚のローストです。くるみとローズマリーを合わせたりんごのソースと、付け合わせには和梨のスライスとローストしたさつまいも。和梨が豚肉の脂をスパッと切ってくれます
こちらに合わせたお茶は濃いめのアッサムティー。りんごのソースと調和して濃密な後味を残します。豚肉はむっちりと詰まった肉質が感じられ、食感まで楽しんでペロリと食べ終えてしまいます。
デザート
デザートはイチジクのコンポートに、クローブを使ったババロアとヘーゼルナッツソースを合わせた一皿
抹茶
コースの最後にここまで本格的に抹茶を点てていただく経験は貴重です。ギャラリーを併設していることもあり、作家さんがつくった茶碗をいくつか見せていただき、好きな器を選ぶことができます。そんな細やかな演出にも心を掴まれる
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丁寧な手仕事を目の前で眺められるのも楽しい
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フランス料理にお茶を合わせることは多くないですが、ここまで両者の調和が取れるのかと驚きました。日本の四季を感じさせる食材を見事に使って仕上げているのも一因でしょうか。柔軟な発想から生み出される繊細な味わいを季節ごとに追いかけたくなります。また新たなお茶との出合いにも期待したいです。
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