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更新日:2017.02.27グルメラボ

永久に生き続けたい人のための不老不死フード

もしも永遠に生き続けられたなら……。歴史上、不老不死・不老長寿を求めた者は数知れず、その願いを叶えるといわれる食べ物や飲み物、薬も多く存在します。人類最大の夢・不老不死をもたらす奇跡の食べ物とは?

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神話の時代から現代まで続く不老不死へのあくなき探究心

 不老不死とは、文字通り「老いず死なないこと」です。古代より人類の夢であり、多くの人々が不老不死の妙薬を探し求め、洋の東西を問わず研究が続けられてきました。現代のアンチエイジングに関する研究は、不老不死を科学的に実現しようとするものといえ、英ケンブリッジ大学の老年医学研究の専門家、オーブリー・デグレイ博士は、「いくつかの条件をクリアすれば20年で不老不死は実現する」と語っています。

 中国では、道教思想、修行を経て人間を超越した存在である仙人の影響により、古来不老不死が死生観として根付いており、近年不老不死になるといわれる食べ物「太歳(たいさい)」が発見されたというニュースや、256年生きた人が紹介されるなど、不老不死にまつわる話題には事欠かないようです。

すべてを手に入れた男・始皇帝が最期まで求めた「丹薬」

 中国では、多くの権力者が不老不死の薬を求めてきました。その筆頭が、紀元前221年、広大な中国を初めて統一した秦の始皇帝です。方士(方術=神仙術の術士)・徐福は仙人が住む島・蓬莱山に行き、不老不死の薬を得るか、仙人を都・咸陽に連れてくるよう命じられました。結局薬も仙人も見つけられなかった徐福は、殺されると思い咸陽に戻らず、始皇帝の計画は失敗に終わります。

 不老不死があきらめきれない始皇帝は、学者や術者たちに薬の開発を命じます。そしてようやくでき上がったのが「丹薬」です。おもな原料は古代中国で最高の仙薬とされていた硫化水銀など重金属。不老不死の薬完成に喜び勇んで服用したであろう始皇帝は、(予想通り)水銀の毒によって49歳で死亡します。「死なないための薬」が死に追いやるというなんとも皮肉な結果となりました。

 丹薬はその後1000年のあいだ研究が続き、その間あまたの皇帝たちがバタバタと毒にやられて死んでいったそうです。

不老不死には甘酸っぱいくだものが効く!?

 食べると不老不死・不老長寿になるといわれる食べ物も数多く存在します。
 
 くだんの中国では、仙人が住むといわれる桃源郷に実る「仙果」というくだものが尊ばれてきました。実はこれは桃の異名。仙女・西王母が漢の武帝に桃を授けたという伝説や、孫悟空が貴重な西王母の桃を食べてしまったという『西遊記』のエピソードもよく知られています。

 日本の『古事記』にはトキジクノカクという木の実が登場します。時の天皇・イクメイリビコはこの木の実を手に入れるため、家臣タジマモリを常世国に派遣しました。トキジクノカクは橘をさしますが、現在の橘とは異なり柑橘類の総称といわれています。また、アイヌの人々のあいだでは、昔からハスカップが「体を軽くし、不老不死をもたらす」と考えられてきました。

 桃はカリウム、カテキン、ビタミンB、水溶性食物繊維が豊富でダイエットにも最適。柑橘類はアンチエイジングにも効果あり。ハスカップは、ブルーベリーをはるかに上回るアントシアニンを含み、ビタミンC、カルシウム、鉄分含有量もくだものの中で上位に位置します。伝説の「不老不死の木の実」は、「健康をもたらすくだもの」といえるかもしれません。

 『竹取物語』のラスト、かぐや姫を失った帝は、せっかく手に入れた不老不死の薬を富士山で燃やしてしまいます(この薬を求め徐福は日本に渡ったという説もあり)。不老不死になっても愛する人がいなければ意味がない――。

 もし不老不死になれる、という食べ物が目の前にあったら、あなたはどうしますか?

この記事を作った人

塩川千尋(フリーライター)

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