<できる大人のテーブルマナーvol.7> 洋食のマナー
なんとなくは知っていても、我々日本人に慣れ親しみのないものも多い、フレンチやイタリアンのテーブルマナー。ナイフやフォーク、ナプキンの正しい使い方から、パンの食べ方のマナーまで、いま一度おさらいしてみましょう。
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1.入店から着席までの作法
2.ナプキンの正しい使い方、置き方
3.ナイフとフォークの使い方、置き方
4.西洋料理の食べ方の作法
1.入店から着席までの作法
目上の方や女性と一緒に入店する場合、男性はエスコートしなければなりません。先に入店してもらい、その後ろを着いて行きます。ウェイターやギャルソンが案内するまで空席があっても勝手に座らず、指示に従いましょう。
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椅子に掛ける時も立つ時も、原則として左側から出入りします。これはかつて男性が食事の席でも帯剣をしていた名残のようで、西洋では右上位、左下位になるからです。
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ウェイターが引いた椅子が膝裏に触れるあたりで、そっと腰をおろします。椅子には深く腰かけ、体とテーブルの間は握りこぶし2つ分くらい空けておきます。
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バッグはウェイターの邪魔にならないよう足元に置きます。小さいポシェットなら椅子の背もたれや体の間、ひじ掛けがあるなら脇に。大きい鞄はクロークへ預けましょう。
2.ナプキンの正しい使い方、置き方
ナプキンは手や口元の汚れを拭くために用意されたものです。店側が用意しているのに自分のハンカチを使うのは「このナプキンは使う気になれない」という失礼な行為に当たりますので注意しましょう。
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迷いがちなナプキンを置くタイミングですが、最初の料理が運ばれた時がベストです。ナプキンを二つ折りにし、折り目を手前にして膝の上にのせます。
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口元や指先が汚れた際は、ナプキンの内側の面で拭きます。これなら自分の服に汚れが移ることがなく、また汚れた部分が人目にもつかないからです。
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基本的に食事中の中座はマナー違反です。やむを得ず中座する場合はナプキンを軽くたたみ、椅子の上に置くか椅子の背にかけておけば「戻ってくる」という合図になります。
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食後はテーブルの左側へ。「ナプキンをたたむのを忘れるくらい料理が美味しかった」という意味として、綺麗にたたまずに端と端をずらして置くのがスマートです。
ここに注意!
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フォークなどのカトラリーを持ったままナプキンで口を拭くのはタブーです。ナプキンに限らず、グラスを持つのも無作法です。他のことをする際はカトラリーは一度置きましょう。
3.ナイフとフォークの使い方、置き方
ナイフやフォーク、スプーンなど、カトラリーは料理に応じて種類が異なります。ナイフは右手、フォークは左手で持つのが基本で、肘から先をつかって料理を食べましょう。
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フルコースの場合、皿の両サイドに置かれたカトラリーを外側から内側に向かって使います。もし間違えて使ってしまってもウェイターが新しいものを持ってきてくれるのでご安心を。
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食事の途中でナイフやフォークを置きたい時は、皿の上に「ハ」の字型に置きます。ナイフの刃は内向きに、フォークの先は下向きにするのが基本です。
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料理を食べ終えたら、皿の上にナイフとフォークを揃えて置きます。ナイフの刃は内向きに、フォークの先端は下向きにし、柄が斜め下に来るように置きましょう。
ここに注意!
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西洋では食事の際に音を立てるのはタブーとされています。特に気をつけたいのが食器音。日本は箸や木製の器などを使うため音が立ちにくいですが、洋食器は音が立ちやすいもの。細心の注意を払いましょう。
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カトラリーを落としてしまっても、自分では拾わないようにしましょう。同席者に一言詫び、ウェイターを呼んで新しいものを持ってきてもらいましょう。
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ナイフやフォークを持ったまま、身振り手振りでおしゃべりするのはマナー違反。カトラリーの先端を人に向けるのも失礼な行為とみなされます。
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フォークを持ったままグラスに手を伸ばしたり、グラスを持ちながら料理を食べるのはマナー違反です。料理とワインのマリアージュを楽むことは良いのですが、その動作は明確に分けるものなのです。
4.西洋料理の食べ方の作法
西洋料理では、どの国の料理でもフルコースのテーブルセッティングはあまり変わらず、あらかじめセットされ、食べ終わると順次下げられます。まずはコースの例を見ていきましょう。
「フランス料理」のコース例
・アミューズ (前菜の前の突き出し)
・オードブル (前菜)
・パン
・スープ
・ポワソン (魚料理)
・ソルベ (お口直し)
・ヴィヤンド (肉料理)/レギューム(肉料理と供されるサラダ)
・フロマージュ (チーズ)
・デセール
・プチフール/ボワッソン
「イタリア料理」のコース例
・ストゥッツィキーノ (食前酒と楽しむ突き出し)
・アンティパスト (前菜)
・プリモ・ピアット (メイン1皿目、主にパスタ)
・セコンド・ピアット (メイン2皿目、肉か魚)
・フォルマッジィ
・ドルチェ
・カッフェ
ここからはフランス料理を例に、食べ方の作法を詳しく見ていきましょう。
「フランス料理」の食べ方の作法
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前菜のこと。大皿に盛り付けられている場合、正式には自分で取り分けます。ただし日本ではウェイターが取り分けたり、取り分けられた状態で運ばれてきます。
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パン皿の上でひと口大にちぎって口に運びます。ナイフで切ったり、先に全てちぎってしまうのはタブーです。パン皿がない場合はテーブルクロスの左側に直接置き、料理皿の上でちぎります。
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スープ皿に左手を軽く添えてスプーンですくい、背筋を伸ばした状態で口へと運びます。残りが少なくなったら皿の手前を少し持ち上げてすくいますが、完全に持ち上げないようにしましょう。
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魚料理。骨付きの魚の場合は頭をフォークで押さえ、中骨に沿って頭から尾へナイフで切り込みを。外した骨は皿の手前に置き、左側から食べていきます。上身を食べ終えたら裏返しにせずに食べましょう。
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肉料理のこと。ステーキの場合は左側からひと口ずつ切り分けていきます。最初に全てを切り分けてしまうのは無作法。また、串に刺されたブロシェットは左手で串を持ち、フォークで押さえながら引き抜きます。
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肉に合わせて別皿で出されるサラダのことで、肉用のナイフとフォークを使います。小さな器で出されたらフォークのみで、大きな葉ものがあればナイフで切り分けましょう。
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最近は無い場合も多いですが、オプションとして口直しも兼ねてチーズが干しぶどうなどとともに振る舞われます。コースとは別料金になる場合もあるのでご注意を。
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コースの締めくくりとして供されるデザートのことで、飴細工やソースで美しく配置されたスタイルで供されます。高さのあるケーキなどは倒しても構いません。
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プチフールとは小菓子、ボワッソンとはコーヒーや紅茶などのドリンクのこと。小菓子は手で食べてもOKです。コーヒーなどを飲む際、受け皿は持ち上げないようにしましょう。
ここに注意!
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お互いの料理をシェアして相手のお皿に置くのはNG。取り分ける動作も皿の上の見た目も美しくないからです。また、お皿ごと交換するのも無作法。口に合わないから交換しているように見えてしまうからです。
ここで差がつく! 西洋料理のマナー
一流レストランではできるだけスマートに振る舞いたいもの。同席している会食相手だけでなく、店全体で作り上げている洗練された空間を壊さないのもマナーの一つです。大声で話したり、賑やかな音は立てないように気をつけましょう。
「できる大人の食事のマナー」ヒトサラ編集部
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