神戸の秘伝の味を東京で味わえる、高クオリティな「タレ焼肉」|【焼肉 六甲園】池尻大橋
池尻大橋駅から徒歩8分ほど、バス停の三宿駅の目の前にオープンした【焼肉 六甲園】。ここは、神戸で50年以上も続く人気の老舗【六甲園】を本店にもつ姉妹店です。本店から直送されるタレを使った秘伝の「タレ焼肉」が東京で味わえるこのお店を、焼肉関連の書籍やTV出演も多数の小池克臣さんがご紹介します!
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横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がず肉を焼く日々。焼肉やステーキを中心に、最高の牛肉を求めて年間200軒以上を焼き歩く。さらには食べるだけでは飽き足らず、生産牧場や食肉市場にも足を運ぶ肉の求道者。書籍『肉バカ。』やTV出演も多数。
毎日のように焼肉を食べ続ける生活を20年以上続けている小池です。
コロナ禍で焼肉を食べるペースも週5回からかなり減り、その代わりに自宅で和牛を焼く頻度が劇的に増えました。とは言え、人生の一部である焼肉を食べることは捨てられず、コロナ感染には細心の注意を払いながら焼肉店を回っています。
コロナ禍で私のように焼肉を食べる頻度が減ったという方は多いと思います。だからこそ、せっかく食べる焼肉であれば今まで以上に美味しいものが食べたいはずです。
今回はそんな欲求を満たしてくれるニューオープンの焼肉店を紹介したいと思います。
それが2020年10月に三宿にオープンした【焼肉 六甲園】です。
焼肉を追求すると行き着くのは「タレ焼肉」
その日のオススメの部位の盛り合わせは、見た瞬間に美味しさが伝わる。部位に合わせた隠し包丁など、素材をより引き立てる仕事
日本人はシンプルなものを尊く感じることがあります。「良いお肉ほどレアや生で食べるのが良い!」や「タレよりも塩で食べる方が美味しい!」とか言われることがあります。
確かに場合によって、そう感じる時もあります。お肉の味を完全に消し去るタレもありますが、技術があってハイクオリティなお肉を仕入れる焼肉店のタレは、お肉の味を消し去るどころか、お肉の味を塩以上に引き立てる名脇役です。
昔の職人さんは、従業員が誰もいない時に1人でタレを作り、誰にもそのレシピを教えなかったと言います。焼肉にとって、タレとはそれほど重要なのです。
店内の席は、2名席~グループでも利用できる席まで幅広く用意
【六甲園】は神戸に本店があり、タレが美味しい焼肉店として地元で50年近く愛されている名店。三宿の【焼肉 六甲園】では、コクがありながらさっぱりとした秘伝のタレを毎週本店から送ってもらっているのですが、女将さん以外は秘伝のレシピを知らないからなのです。
仕入れるお肉への強烈なこだわり
極上のミスジを網に乗せると食欲をかき立てる香りがのぼる。肉本来の甘みを引き立てるタレの美味しさにも感動
仕入れているお肉からも、六甲園の妥協の無さが分かります。和牛の聖地である兵庫県の精肉店【太田家】から仕入れるのは、太田畜産の神戸ビーフや但馬太田牛。しっかりと肉本来の味わいが感じられるものだけを厳選して仕入れているのです。
ホルモンに関しても、川岸牧場の但馬牛の内臓を筆頭に、鮮度と品質にこだわったものを揃えています。これだけの仕入れは、普通の焼肉店では難しいですが、神戸に本店を持つ六甲園だからこそ実現できたのでしょう。
肉好きを唸らす前菜
『炙りユッケ』1,650円。オプションで『韓国のり』200円も追加可能
お肉を焼く前にまずは前菜を食べて胃をほぐしたいですが、絶対にオーダーして欲しいのが炙り『ユッケ』です。焼肉店の人気メニューといえばユッケですが、過去に発生した食中毒等の影響で、今では保健所の許可を得た店舗でしか提供できなくなっています。
【焼肉 六甲園】は生肉提供の許可がないため、生肉を使う“オフィシャルユッケ”じゃないといってもガッカリする必要はありません。さっと炙ってから甘味の強いタレと絡ませた炙りユッケは、しっとりと滑らかな舌触りで、噛むごとにお肉の旨味が口に広がります。卵黄との相性も抜群で、まろやかでしっかりした味わいに昇華されます。これだけで1人1皿食べたくなりますね。
圧巻のお肉の盛り合わせ『六甲園盛り』
初めて【六甲園】を訪れるのであれば、絶対にオーダーすべきは『六甲園盛り』です。その日オススメのお肉の希少部位が5~6種類にホルモンMIXもセットになっています。
私が訪れたこの日の希少部位はトウガラシ、クリミ、トモ三角、ミスジ、タテバラで、赤身と霜降りがバランスよく盛られています。
『六甲園盛り』4,620円。但馬牛 本日希少部位5~6種類+名物ホルモンMIX+タレタン一人前
トウガラシやクリミは肩の周りの筋肉で赤身がしっかりした部位。さっぱりとしたタレが赤身の深い味わいを引き立てることで、ハイクオリティなお肉の味がより際立ちます。
トモ三角やミスジは中トロ的な位置付け。特に多くの焼肉店でかなり薄いカットで提供されるミスジもかなり厚みのあるカットで、噛み締めるとじんわりと肉汁が広がり、口の中全てが旨味に襲われる。
最も驚かされたのがタテバラの美味しさ。数ある牛肉の部位の中でも霜降りが強い部位で、焼肉としては最近では嫌厭されがちなですが、【六甲園】が仕入れるタテバラは脂の甘味が上品で、嫌なしつこさが感じさせません。これは仕入れるお肉の品質とタレの美味しさの両方があって、初めて成立するものです。
厳選されたホルモンの圧倒的な旨さ
『六甲園盛り』の中に含まれる『名物ホルモンMIX』。単品でこの『名物ホルモンMIX』だけを注文する場合は1,650円
『六甲園盛り』に含まれる「ホルモンMIX」の美味しさを一度知ってしまったら、すぐに【焼肉 六甲園】に通ってしまうことになります。日によって内容は少し違いますが、この日はミノサンド、ハツモト、ギアラ、センマイ、コプチャン、シマチョウ、そしてタン。
新鮮なホルモンの数々はコクのある味噌ダレで味付けされていて、そのまま食べても最高に美味しいですが、脂の強いコプチャンなどは酢につけて食べると、あっさりと何切れでも食べれるほど旨さが増します。こういった食べ方のバリエーションも老舗の底力でしょう。
『黄金レバ焼』1,078円
また、『六甲園盛り』ではないですが、『黄金レバ焼』は角がピンピンに立ったレバを楽しめ、臭みなど一切なく、甘味の塊を味わうことができます。
これらのホルモン類は東京食肉市場直送の黒毛和牛であったり、兵庫の川岸牧場の但馬牛であったり、その巡り合わせも運次第。結局は通い詰めるのが一番でしょう。
神戸の六甲園の味を東京で伝えるために日々奮闘する店長の森本浩行さん。その笑顔が焼肉好きであることを物語っている
老舗の味を守りながら、若い店主がより良いものを取り入れ進化をさせる。
そんな理想的な流れの中で美味しい焼肉を楽しめるのは、これ以上ない幸福をもたらせてくれます。
小池 克臣
横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がず肉を焼く日々。焼肉やステーキを中心に、最高の牛肉を求めて年間200軒以上を焼き歩く。さらには食べるだけでは飽き足らず、生産牧場や食肉市場にも足を運ぶ肉の求道者。書籍『肉バカ。』やTV出演も多数。
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