輝く新世代の女性シェフにインタビュー|【フランス料理 タンモア】田中いずみさん
男性たちが中心の飲食業界で繊細な感性で活躍する“女性シェフ”に注目。彼女たちの料理にかける思いやストーリーをご紹介します。今回は、フランス料理を提供する赤坂【フランス料理 タンモア】、そこで独創的な料理をつくり出すシェフ、田中いずみさんをご紹介します。
じゃがいも一つでも、料理人の腕で一流の皿にできる。そんなフランス料理の力に魅了されました
「美術の教師だった母は帰りが遅く、おなかがすいてもつくってくれる人は誰もいない。自分で料理するしかなかったんです。 物心ついた頃にはもう台所に立っていました」。
あっけらかんとそう語るのは田中いずみさん。赤坂のフランス料理店【タンモア】のオーナーシェフだ。
住宅街の地下1階にある秘密の空間
小学生の頃から料理番組を見ては献立を考え、キャべツ一個をどう使い切るかなどを算段するのが楽しかったという田中シェフ。それも食いしん坊なればこそ。「今も、鴨一羽を胸、モモ、内臓など、各部位を違う料理法で提供するのが好き」だそうだから、そのスピリットは既に幼い頃から芽生えていたようだ。
『ハモのバリグール風』テーブルに置かれた瞬間、鼻先をくすぐるハーブの香りが素晴らしい。南仏の定番料理に今が旬のハモを、軽く炙って合わせた一皿。
卒業時に調理師免許が取れる高校を出た後、調理師学校に進み20歳で就職と同時に結婚。横浜や鎌倉のレストランで修業後、彼女曰く「旦那をほったらかして」渡仏。一つ星レストランやパリ郊外のビストロなどで3年半腕を磨いた。結婚生活を続けながらのフランス修業はご主人の理解あってこそだろう。
『エゾ鹿内もも肉2種仕立て』は、ローストしたモモ肉にかぶ・すももを添えた一品と、同じ鹿肉を生ハムにし、かぶ・すももと共にサラダ仕立てにしたもの。コースは8,000円~。
「フランス料理は、料理人の腕1つでただのじゃがいもも一流のお皿に昇華できる。そこに魅力を感じました」。帰国後、2年前にオープンした同店では、好きなジビエや海と山の幸を共に盛り込んだ一皿をスペシャリテとして提供。仔鹿や仔山羊なら一頭仕入れて自ら解体することも厭わないガッツな精神の持ち主だ。が、仕事を続けていく中でさまざまな壁にぶつかったことは想像に難くない。「人間、コンプレックスを持っていた方が頑張れる」。この一言がすべてを物語っている。
この記事を作った人
撮影/今清水隆宏 取材・文/森脇慶子
-
中目黒食トレンド
一滴入魂のだしと炭火の香りに酔いしれる気鋭の日本料理店【炎水】東京・中目黒|ニュースな新店
-
飯田橋・四ツ谷・神楽坂グルメラボ
品格漂う一軒家でガストロノミーの世界観を表現したフレンチ【SOMBREUIL(ソンブルイユ)】飯田橋
-
外苑前/青山一丁目食トレンド
週末は我が家で、トップ・アーティストのライヴを観ながらフルコース・ディナーを!|【ブルーノート東京】
-
銀座・有楽町食トレンド
トップメゾンの最上階で味わう、美しく繊細なイタリアン【アルマーニ / リストランテ】
-
大阪府グルメラボ
クラシックな王道フレンチがカジュアルに堪能できる店|谷町【Kamekichi】
-
神楽坂グルメラボ
輝く新世代の女性シェフにインタビュー|【梅香 料理人】伊藤光恵さん
-
三越前食トレンド
一年中、極上の上海蟹を楽しめる名店が日本初上陸!【蟹王府 日本橋店】東京・日本橋|ニュースな新店
-
全国グルメラボ
料理人の愛読書をご紹介「シェフの本棚」|【弁天山美家古寿司】親方内田 正さん
-
虎ノ門食トレンド
鎌倉の人気日本料理店が東京に移転! 東京・虎ノ門【空花】|ニュースな新店
-
六本木食トレンド デート・会食
まるで小劇場! モダンフレンチと多彩なワインに陶酔する魅惑空間|【Rn(アールエヌ)La Table et La Cave】六本木