【ル・ブルターニュ・バー・ア・シードル・レストラン】|神楽坂の古民家で味わうシードルとブルターニュ料理
最近、グルメ関係者に出会うとこぞって勧められる「シードル」のお店がある。「シードルは嫌いじゃないけど、ついついワインや日本酒を選んでしまう」そんな私ですが、これだけオススメされるには何かしらの理由があるはず! 気になってお店を訪れてみたところ、想像以上のおいしさと新たな発見、そして幸福感にたちまち虜に。その噂のお店とは――。
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グルメ通がこぞって訪れる神楽坂の隠れ家
ガレットの多彩さと腹持ちの良さに感動
シードルとガレットは親戚同士?!
まるで"搾りたてジュース"のような
フレッシュなシードル
飯田橋駅から徒歩5分の路地裏にある【ル・ブルターニュ・バー・ア・シードル・レストラン】。古民家をリノベーションしたお店は、木のぬくもりを感じる古き良き趣があり、品の良さが漂います。
入口の横にはおしゃれなテラス席もあり、これからの暖かい季節にぴったり! 2軒目にきて1~2杯飲んで帰る、なんて贅沢な時間も過ごせちゃうな~と想像が膨らむおしゃれさです。
気持ちの良い風が吹き抜ける、神楽坂らしい路地の一角
メニューは、フランス・ブルターニュ地方の料理をメインにシードルやワインが100種類ほど。種類の多さはもちろん、赤い果肉のりんごを3種類ブレンドした『ヴァル ド ランス シードル ロゼ』(数量限定品)や、日本のシードル『京都 丹波ワイナリー シードル』など、珍しい銘柄も揃っています。
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『ポワレ オータンティック』850円(税抜)
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『ヴァルドランス シードル ロゼ』900円(税抜)
まずはじめの乾杯に選んだのは、洋ナシで作ったシードル『ポワレ オータンティック』。酸がしっかりとたった味わいで、ドライですっきりとした印象が1杯目にぴったり。続いて、ピンク色の『ヴァルドランス シードル ロゼ』は、体に溶け込む甘さが特徴。素材の良さが香りや味に雑味をなくし、スッキリとした味わいへと導いています。
前菜からメイン、デザートまで楽しめる
ガレットの魅力
そんなシードルと合わせていただくのが、フランス・ブルターニュ地方のお料理。魚介類やそば粉を使ったものが多く、日本ではガレットがお馴染みでしょうか。
でも「ディナーでガレットってお腹いっぱいになるのかしら?」と思った方! わたしがまさにそうだったのですが、そんな心配はご無用。「これもガレット? あれもガレット?!」と思うほど多彩なガレットが登場し、最後は満腹になります。
今までガレットとは"四角く包まれたもの"だけだと思っていたことが、間違いだと気づかされました!
前菜『フランスロワール産のホワイトアスパラガス』2,800円(税抜、2人前)。5月まで注文可能。季節が変わると、モンサンミッシェルから届く「ムール貝」の前菜になります。※写真は1人前
さっそく今が旬の『ホワイトアスパラガスのガレット巻き』を注文。フランスのロワールから届いた大きなホワイトアスパラガスを、バジルを練りこんだクレープでつつみ、マッシュルームのデュクセル、下にはサバイヨンをシードルで仕上げたこだわりの一品です。
上にはブルターニュ産の鴨を自家製でスモークした生ハムをトッピング。ガレットの甘さが生ハムの塩味を引き立て、最後にとどくハーブの香りが心地よい。
前菜『ガレット ロール ノルマンド』1,800円(税込)
続いて、ガレット2皿目。カマンベールや麦豚の生ハムを巻いた『ガレット ロール ノルマンド』はシードルとの相性が抜群。一口でパクっと食べるのがオススメです。途中でイチジクのジャムを添えることで甘酸っぱさとチーズの塩加減が調和し、また違った味わいが楽しめます。
『そばの実の温かいポタージュ 帆立貝のポワレ』2,400円(税抜、2人前)※写真は1人前
そば粉を使った料理はスープでも! 蕎麦の良い香りがふわっと漂う『そばの実の温かいポタージュ 帆立貝のポワレ』は、貝の甘さや旨味がつまった優しい味わい。ほかにも、菜の花やタケノコ、オマール海老など日本の食材と掛け合わせていることで、日本人の口にあうブルターニュ料理がいただけます。
『鮮魚のポワレ オマール海老のビスク』2,800円(税抜、2人前)。菜の花のリゾットにグラニースミスやタケノコがトッピングされ、春の苦味をいかした旬の料理。※写真は1人前
前菜でもありメインやデザートとしても活躍する、お酒に寄り添った「ガレット」は、同じエリアでつくられたシードルとも相性抜群! そんな、美味しいシードルとガレットをはじめとするブルターニュの郷土料理が楽しめる【ル ブルターニュ バー ア シードル レストラン】。隅々まで行き届いた接客が心地よく、2軒目とはいわず、ぜひお腹を空かして立ち寄っていただきたいお店です。
「シードル」と「ガレット」の豆知識
そば粉からつくられるガレット。そもそもフランスと日本のそば粉の違いはどこにあるのでしょうか。また、シードルの魅力についてもお店の方に伺いました。
――日本の「蕎麦」とフランスの「SOBA」の違いってなんですか?
蕎麦と聞くと日本独特のイメージがありますが、アジアやヨーロッパ、アメリカなどで栽培されているグローバルな作物です。普段口にしている品種は、粘り気が強いため麺のような形状に変化しやすく、フランスのそば粉はサラっとしているため、水を含ませて生地を広げる特徴があります。
――ガレットは主食? デザート?
デザートとして出てきたのは、最近のこと。ガレットは郷土料理の主食で長年親しまれてきました。
――シードルはワインの仲間なのですか?
シードルとは、りんご果汁が樽の中で自然発酵してできた発泡酒なので、ワインとは違うジャンル。ブリュット(辛口)・ドゥミセック(中辛口)・ドゥー(甘口)があり、アルコール度数は2~8%ほど。ブルターニュやノルマンディーでは、ワインの地域と異なる「りんご文化」があります。
――シードルには、どんなリンゴを使っているのですか?
皮が厚めなシードル専用のりんごを使っています。普段食べているりんごとポリフェノール量を比べると5倍以上含まれているとか!
――今回、お料理を頂いてみて、シードルがとっても合うことを知りました!
そうなんです。アルコール度数が低く、甘口から辛口まであるため、魚介やチーズ、バターとも相性がよく、料理とドリンクがお互い引き立つ味わいを引き出してくれます。
福島 美歩(ヒトサラ編集部)
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