ヒトサラマガジンとは RSS

コロナ禍で変わった飲食店の業務形態「名店のお取り寄せ」や「おひとりさま」など、新たな楽しみ方も!

コロナ禍によって大きな変化を求められた飲食業界。その中で模索し、見つけ出した新たな営業戦略は、消費者に、これまでになかった食の楽しみを提案することにもなりました。そんな“新定番”のコロナ禍で生まれた様々なサービスをご紹介します。

ミシュラン星付き店のお弁当

レストランを愛する者にとって、コロナ禍が始まってからの自粛続きのこの1年半は、残念なことの連続。想像もしなかった長引くコロナ禍は、私たちの生活スタイルを大きく変えました。そして、そんなスタイルに合わせ、厳しい状況の中でも、飲食店は新しいサービスを次々に打ち出し、私たちの生活を豊かに彩ってくれています。

コロナ禍の一刻も早い収束を祈ることはもちろんですが、この状況の中でも「こんな時代だからこそ」の、新しい飲食店の楽しみ方が誕生してきているともいえるのではないでしょうか。そんな前向きな事例を①営業形態の多様化、②お取り寄せ・テイクアウト、③ノンアルコールドリンクの充実、④おひとりさま向けサービスという4つの切り口から、ご紹介していきます。


①営業形態の多様化

在宅勤務をする人が増えるなど、より自由で柔軟な時間の使い方ができるようになったニューノーマルの時代。朝時間の活用、今の時代に即した新店のオープンなど、そんな私たちのライフスタイルに一石を投じ、暮らしと食の多様な関係性を提案する、新しい営業形態をご紹介していきます。

『朝ディナー』の提供

【sio】

    『朝ディナー』、『昼ディナー』という、鳥羽シェフらしい斬新な提案

    『朝ディナー』、『昼ディナー』という、鳥羽シェフらしい斬新な提案

コロナ禍に入り「きっと外食ができなくなって困っている人がいるはず」と、いち早くテイクアウトの提供を始めた鳥羽周作シェフ率いるミシュラン一つ星のフレンチレストラン【sio】。「幸せの分母を増やす」をモットーに、常に時代に即した提案を行う鳥羽シェフが、2021年1月、業界を驚かせたのが、朝からガストロノミックなコースメニューを提供する『朝ディナー』です。(10月に青山に新しく6店舗目をオープンする準備のため、現在は一時的に休止中)。

4杯のティーペアリングも楽しめ、これまでは、小さい子どもがいるなど、生活スタイル上の理由で、なかなか夜にゆっくりと食事をとることができなかった人たちに美食を楽しめる機会を提供するだけでなく、ライフスタイルが朝方になったことで、朝の時間の有効活用を考える層にも人気なのだそうです。


マルシェの開催

【ラ・ボンヌターブル】

    朝市に並ぶ野菜、中村シェフ(左)と橋田氏(右)、朝市に登場するメニュー例(中村シェフのハンバーグ、橋田氏の寿司)

    朝市に並ぶ野菜、中村シェフ(左)と橋田氏(右)、朝市に登場するメニュー例(中村シェフのハンバーグ、橋田氏の寿司)

コロナ禍で【ラ・ボンヌターブル】の中村和成シェフがスタートしたのが、隔週日曜日の朝に店を解放して行うマルシェ(朝市)。「出荷先を失った生産者の方々に、少しでも協力できれば」という思いから、店で使っている食材を販売するだけでなく、「せっかく来てくださった方々に何か食べて帰ってもらいたい」と、朝食も提供するように。

最近では、料理動画のインスタライブに共演したのを機に親しくなった、シンガポールの人気寿司店【はし田シンガポール】の橋田建二郞氏とコラボレーションし、朝から寿司を含めた8皿のコースを提供するなど、朝食の内容もどんどん本格化。「朝時間」の新たな楽しみ方が生まれています。


オフィシャルグッズの販売

【Ode】、【BGM】
  • 焼き菓子やコーヒー豆のほかTシャツなども制作

    焼き菓子やコーヒー豆のほかTシャツなども制作

  • 元アーティストらしいセンスが光ります

    元アーティストらしいセンスが光ります

ミシュラン一つ星のモダンフレンチの【Ode】の生井祐介シェフは、コロナ禍の最中に店の横にカフェ【BGM】をオープン。「コーヒーと、そのまわりのもの」をテーマに、ガストロノミーレストランとしての経験値を活かした本格的なヴィーガン・カレーやキューバサンドなどの軽食や、カヌレなどの焼き菓子を提供するのみならず、自らデザインしたTシャツやエプロン、タンブラーなどの販売もスタート。

コーヒー豆も販売しているため、おうちカフェ気分を味わうことも可能に。「モノ」だけでなく「BGMのように毎日に寄り添う」心地よいトータルライフスタイルブランドとしての存在感も確立し始めています。


コロナ禍から生まれた
ミシュランシェフによる餃子専門店

【モトイギョーザ】
  • 『モトイシェフのパパ餃子』1セット 2,300円(送料別)

    『モトイシェフのパパ餃子』1セット 2,300円(送料別)

  • シェフの愛情がたっぷりと詰まった餃子として人気

    シェフの愛情がたっぷりと詰まった餃子として人気

京都のミシュラン一つ星【Restaurant MOTOI】の前田元シェフは、フレンチのシェフながら、実は中国料理の経験もアリ。コロナ禍を機に、愛娘のためにつくっていた餃子をお取り寄せとして販売したところ、大好評を博し、ついに2020年11月には【Restaurant MOTOI】のセカンドラインとして、実店舗【モトイギョーザ】をオープンするまでに。

様々な種類の餃子がある中でも、化学調味料不使用で優しい味わいの『プレミアムパパ餃子』は、オリーブオイルと塩という新しい餃子の食べ方を提案するほか、フレンチシェフらしい餃子を入れたポトフを提供するなど、フレンチ×餃子という、新たな世界が生まれています。


②「お取り寄せ」「テイクアウト」
サービスの定着

格段に増えた「おうち時間」。レストランに足を運ぶ、という既存の営業形態ではなく、レストランの味が家で楽しめる、お取り寄せやテイクアウトが充実。それにより、遠方でなかなか訪れることのできなかった地方の名店や、幼い子供やお年寄りと一緒に食事を楽しむことが難しかった店の味が気軽に楽しめるようになりました。

家での食事に華やぎを
高級食材を贅沢に使用した鍋

【京都吉兆】

    人気の懐石コース『出汁しゃぶ』を自宅で楽しめる『近江牛出汁しゃぶ』21,600円(送料別)。〆の特製うどんもセット

    人気の懐石コース『出汁しゃぶ』を自宅で楽しめる『近江牛出汁しゃぶ』21,600円(送料別)。〆の特製うどんもセット

「工夫して心砕くる思いには花鳥風月みな料理なり」相手のことを思って心が砕けるような思いをしてつくったものは、全てが料理であるとの名言を残したのが、日本料理界の伝説、【吉兆】創業者の湯木貞一氏。その思いを受け継いだのが、孫で【京都吉兆】3代目の徳岡邦夫氏。

コロナ禍を機に、家で食卓を囲む機会が増えたことに思いを馳せ、食を中心に家族の絆が深まって欲しいという思いから、晴れの日にぴったりの、極上の近江牛のサーロインを【京都吉兆】特製の出汁にくぐらせていただく『近江牛の出汁しゃぶ』の他、季節の食材を用いた鍋などを店舗でつくり、全国発送しています。普段なかなか足を運ぶことが難しい家族での贅沢な日本料理の体験、感染予防のためになかなか会えなくなってしまった両親やお世話になった方へのギフトなどに使う方も多いそうです。


京懐石の老舗の味が気軽に楽しめる
全国配送OKの『鯛ラーメン』

【瓢亭】

    懐石料理で出す鯛の骨を使った特製『鯛ラーメン』1箱2食入りで5,400円(送料別)

    懐石料理で出す鯛の骨を使った特製『鯛ラーメン』1箱2食入りで5,400円(送料別)

創業450年以上の歴史を持つ京懐石の老舗、【瓢亭】では、コロナ前まで、お土産は来店しての購入のみ、常温保存できる限られたものだけでした。しかし、15代・髙橋義弘氏は、コロナ禍による休業の期間中を、スタッフと共に新しいお取り寄せ商品の構想を練る時間にあて、お造りで出すタイの骨を干したものなども出汁に使い、サステナブルな視点も取り入れた『鯛ラーメン』を開発したほか、これまでになかった店の公式インスタグラムのアカウントも開設。

三千家の茶会席の仕出しなどを任されてきた店ならではの技が生きた、酒の肴や弁当などのテイクアウトや新商品発売、季節の食材の告知などの情報発信を行うことで、敷居の高さを払拭し、普段懐石に馴染みのない若い世代も、より気軽に利用できるようになっています。


人にも地球にも優しいサステナブルなお弁当

【NARISAWA】

    『ありがとうBENTO』 《NARISAWA × FOOD LOSS BANK》18,000円 ※FOOD LOSS BANKプロデュースのフレッシュジュースがお弁当一つにつき1本付き

    『ありがとうBENTO』 《NARISAWA × FOOD LOSS BANK》18,000円 ※FOOD LOSS BANKプロデュースのフレッシュジュースがお弁当一つにつき1本付き

普段から、おいしく、人も地球も健康になる食を、と考えているという、ミシュラン二つ星【NARISAWA】の成澤由浩シェフ。四季折々の野草も使った「里山の風景」などを通して、日本人が古来積み重ねてきた、自然との関わりかたや知恵を表現する「イノベーティブ里山キュイジーヌ」を提案しています。

コロナ禍による時短営業などで出荷量が減ってしまった、志ある生産者を支えるために、「ジュエリーボックス」にも例えられる美しいお弁当を作っていましたが、2021年7月、フードロスの削減を目指しコロナ禍中に設立された「フードロスバンク」の活動に共鳴。フードロスバンクで販売している、皮に些細な傷があるなどの理由で出荷できなくなってしまった柑橘を使ったジュースとセットにした『ありがとうBENTO』の販売もスタート。「地球に負荷をかけない豊かさ」という、これからの時代の新しいラグジュアリーのあり方も提案しています。


おうちでコース料理が楽しめるセット

【HOMMAGE】、【noura】
  • 『HOMMAGEホームセット』2人前 25,000円 (送料代引き手数料別)

    『HOMMAGEホームセット』2人前 25,000円 (送料代引き手数料別)

  • 『nouraビストロホームセット』2人前 15、000円(送料代引き手数料別)

    『nouraビストロホームセット』2人前 15、000円(送料代引き手数料別)

ミシュラン二つ星フレンチ【HOMMAGE】と、カジュアルラインの【noura】を経営する、荒井昇シェフがコロナ禍でスタートしたのが、それぞれの店のメニューから、家で簡単に調理できる人気料理をよりすぐり、封を開けるだけ、湯煎やオーブントースターで温めるだけでOKのコース仕立ての『オマージュホームセット』です。

温め方の手順のみならず、シェフとマダムのメッセージが同封され、デザートまで入っているなど、食べるシーンを想定してきめ細かく心が尽くされたまさに「お任せフルコース」のセットは、冷蔵庫が空っぽでも大丈夫。週末に届くスタイルで、小さな子どもがいたり、年配で遠出ができない、など様々な理由でレストランから遠ざかっている方にも、マイペースでコース料理を楽しむ、ちょっと贅沢な週末時間を提供しています。また、銀座の手打ち蕎麦の名店とコラボレーションし、出汁とコンソメでいただくうどんすきなど、新しいフランス料理の世界も提案しています。

●通販に関するお問い合わせ:03-3874-1552


離島の味『天然酵母のパン』

【sankara hotel&spa 屋久島】
  • sankara特製ディナーパンセット『オリジナルディナーパンセット』6,600円(送料別)

    sankara特製ディナーパンセット『オリジナルディナーパンセット』6,600円(送料別)

  • 『情熱のハンバーグ』、『究極の牛丼』、『極上のカレー』などもレトルトで取り寄せ可能

    『情熱のハンバーグ』、『究極の牛丼』、『極上のカレー』などもレトルトで取り寄せ可能

コロナ禍で訪れることが難しくなってしまっているのが、離島などにあるリゾート。家にいながらにして、その味が楽しめるのが、樹齢数千年という屋久杉をはじめとする、悠久の大自然の只中にある高級リゾート【sankara hotel&spa 屋久島】のお取り寄せ。

「水と岩の島」とも呼ばれる屋久島の清浄な水を使ったバラエティ豊かなパンは、以前から朝食の人気メニューで、家でリゾート気分が味わえると人気です。さらに、元【ミクニマルノウチ】総料理長の武井智春シェフが作る鹿児島の最高級和牛「なかやま和牛」を一頭買いして、フォンドボーを丁寧にとって作ったカレーなど、全てを無駄なく使い切って一から手づくりした料理も、ゆっくりと時間が過ぎてゆく離島のライフスタイルのイメージとも相まって、心を解きほぐす時間となってくれそうです。

名店のお取り寄せが可能になった

【楽・食・健・美 -KUROMORI-】
  • 餃子や焼売など、お店の人気メニューが自宅で食べられる

    餃子や焼売など、お店の人気メニューが自宅で食べられる

  • 他にもカレーやフカヒレなど約11種がお取り寄せ可能です

    他にもカレーやフカヒレなど約11種がお取り寄せ可能です

広東料理の名店【福臨門魚翅海鮮酒家】で、グループ初の日本人料理長となった後、フカヒレやアワビなど、食材の豊かさに惚れ込んで移住した宮城県で、「ここでしか食べられない中国料理を」と、地産地消、地域色を活かした中国料理を生み出し注目を集める、黒森洋司シェフの【楽・食・健・美 -KUROMORI-】。楽しく食べて健康に美しくなる、をテーマにした素材を活かした中国料理が人気です。

なかなか行けない地方の名店が全国発送をスタート、しかも通常はランチでしか食べられない点心が手軽にお取り寄せでき、いつでも好きな時に食べられるのが魅力です。餃子、焼売、チャーシューまんなど、どの点心にも使われているのが、「しっかりとした旨味がある」と黒森シェフが信頼をおく、地元・宮城県の斎藤ファームで育った「斎藤豚」。特にチャーシューまんは、天然酵母「老麺」を使った自家製の生地で炭火焼にした斎藤豚のチャーシューを包んだもので、人気を博しています。

予約カレンダー
  • 今日
  • 11/28
    (日)
  • 11/29
    (月)
  • 11/30
    (火)
  • 12/1
    (水)
  • 12/2
    (木)
  • 12/3
    (金)
カレンダーで他の日を見る


③ノンアルコールドリンクの充実

これまで、多くのレストランで、限られた選択肢しかなかったノンアルコールドリンクの世界が広がり、市販品のみならず、自家製ノンアルコールペアリングを提供する店も増加。アルコールが飲める人も気分に合わせて「あえてノンアルコール」を選びたくなるような、豊かな世界が広がってきています。

日本代表バーテンダーが一皿一皿に
合わせたペアリングをクリエイト

【est/フォーシーズンズホテル東京大手町】

    香ばしい玄米とトウモロコシを添えた長崎産の地鶏には、アガペシロップで軽く甘みをつけたクロモジ茶と宮崎産のお茶をブレンド

    香ばしい玄米とトウモロコシを添えた長崎産の地鶏には、アガペシロップで軽く甘みをつけたクロモジ茶と宮崎産のお茶をブレンド

カクテルの世界大会で日本代表にも選ばれたバーテンダー、渡邉由希子氏がクリエイトするノンアルコールペアリングが楽しめるのが、コロナ禍中の2020年9月に開業した「フォーシーズンズホテル東京大手町」。東京都の酒類提供自粛要請を受けて、渡邉氏が所属するバー【ヴィルチュ】が休業、他の店舗の支援に回るなどしたことで、店舗の枠を超えたアイデアの交換につながったそう。

中でも、ホテル内の【エスト】は、かつてミシュラン二つ星【キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ】を率いたギョーム・ブラカヴァルシェフが日本の風土をテーマにオープンしたモダンフレンチ。自家製ピクルスを使った料理に、同じピクルス液なども活用したモクテル(ノンアルコールカクテル)を提供するなど、一皿一皿の味に焦点を合わせたペアリング、さらにテーブルサイドで焼酎をスプレーするなど、重層的な香りと、美しいサービスとあいまったエレガントなノンアルコールペアリングが体験できます。

ソムリエチームが生み出す
ワインとクラフトドリンク

「マンダリン オリエンタル 東京」

    ノンアルコールドリンクは右から、ベリーニ、白ぶどうにカモミールや柑橘を加えた白、赤は黒ぶどうに中国茶やスパイスを加えた

    ノンアルコールドリンクは右から、ベリーニ、白ぶどうにカモミールや柑橘を加えた白、赤は黒ぶどうに中国茶やスパイスを加えた

アジア・オセアニア・ソムリエコンクールの日本代表に選出されるなどの経歴を誇る、シェフソムリエ野坂昭彦さんをはじめとする4名のソムリエチームが、一丸となってペアリングを考案するマンダリン オリエンタル 東京では、「ワインがご提供できない今だからこそ、現代のソムリエの真価が問われると思っています」と、ワインのように料理に寄り添い、五感に響く味を追求し、スパークリング、白ワイン、赤ワインのように楽しめる、オリジナル ・ノンアルコールドリンクを作成するほか、特に日本の小規模な造り手にフォーカスした「日本のクラフトドリンク」として、ノンアルコールのエールビール、東京のクラフトコーラ、高知の100%柚子果汁や長野のルバーブ農園のジュースなどを使用した、新たなドリンクも創作しています。

ソムリエの感性の生きたノンアルコールペアリングは、館内の広東料理【センス】、イタリアンダイニング【ケシキ】、【ピッツァバー on 38th】などで楽しめ、それぞれの店舗ごとに、料理の新しい表情を生み出してくれそうです。

クラッシックなワインをイメージ、ゲストの好みにも即応できる自家製ノンアルコールドリンク

【レクテ】

    佐々木シェフの料理は、素材に合わせて日々変わるが、同じ厨房で作っているので、柔軟に合わせていけるのも魅力

    佐々木シェフの料理は、素材に合わせて日々変わるが、同じ厨房で作っているので、柔軟に合わせていけるのも魅力

新しくノンアルコールペアリングを始めたのは、ホテルだけではありません。ミシュラン一つ星のフランス料理店【レクテ】では、コロナ禍前は、顧客の8割がワインを注文することもあり、自家製ジンジャーエールなどのノンアルコールドリンクはあったものの、ペアリングは提供して来ませんでした。

コロナ禍を受けて、フランス産ワインに合う“香り”を大切にした料理を生み出してきた佐々木直歩シェフの料理に合わせて、支配人でソムリエの横山信氏が以前から温めてきた6杯のノンアルコールワインペアリングの提供を開始しました。加熱してワインのアルコール分を飛ばし、お茶やジュースなどと合わせて作るドリンクは、市販のものと比べて、その日の料理に合わせ、糖分や香りや味などを調整できるだけでなく、対話の中で、ゲストの好みに合わせたアレンジができ、よりゲストに寄り添ったサービスができるのも魅力なのだとか。

「ワインを飲みたいけれどアルコールはあまり強くない」、という方も、ワインペアリングの一部を「自家製ノンアルコールワイン」に置き換えることで、コース全体の流れにあった、スムーズなミックスペアリングの提供にもつながっています。

自家製モクテルと発酵ドリンク・コンブチャ

【シンシアブルー】

    発酵ドリンク「コンブチャ」。左からラベンダー、ジャスミン、ベルベーヌ、コーヒー

    発酵ドリンク「コンブチャ」。左からラベンダー、ジャスミン、ベルベーヌ、コーヒー

ミシュラン一つ星のフレンチレストラン【シンシア】のオーナーシェフ、石井真介氏がサステナブルシーフードを世の中に広めるために去年9月にオープンした【シンシアブルー】は、オーダービュッフェスタイルのレストラン。もともと、フレッシュフルーツやフルーツピュレなどを使って自家製した、おかわり自由の3種類のモクテルも料金に含まれているものの、コロナ禍で高まる健康志向を受けて、自家製のラベンダー、ジャスミン、ベルベーヌ、コーヒー味の、カラフルな4種類のコンブチャを開発、追加料金を払えば楽しめるように。

一度に色々な味が楽しめる飲み比べセットも常時提供するなど、これまでも、ヘルシー志向の店では見かけていたコンブチャですが、コロナ禍を機に、より幅広い市民権を得て来そうです。



④おひとりさまへの取り組み

増加する飲食店の「おひとりさま」利用

コロナの感染拡大防止の観点から、大人数での会食の自粛、酒類提供の場合は1組、2名以下で、などというルールができたこともあり「おひとりさま」が注目されています。ホットペッパーグルメ総研が実施した消費者調査によると、過去1年間に「一人外食」をした人は、45.9%にも及ぶのだそうです。そんなお一人様をターゲットにした店が、次々に生まれています。

おひとりさまでもふらりと立ち寄れる
「お膳スタイル」のフレンチ

【ふれんち御膳Mono-bis】

    時代にあったスタイルを提案、ワインなどを楽しむかどうかにもよりますが、平均的な滞在時間は、45分〜1時間20分

    時代にあったスタイルを提案、ワインなどを楽しむかどうかにもよりますが、平均的な滞在時間は、45分〜1時間20分

フランス【ジョルジュ・ブラン】などで研鑽を積んだ石井剛シェフのオーセンティックなフランス料理が楽しめる【モノリス】が、カジュアルラインとして2021年8月オープンしたのが、おひとり様でも気軽に、カウンターで楽しむお膳スタイルのフランス料理、【ふれんち御膳Mono-bis】。日本の定食文化との融合というコンセプトだけあって、一人でカウンターに座り、おいしいものをサッと食べて帰るという使い方も、ウィズコロナの新時代に合わせたもの。

炭火焼の鳩には山椒の香りをまとわせるなど、ご飯との相性も考えて生み出された料理の数々がいただけます。また、オムレツなどの朝食セットも用意され、様々な時間帯のおひとり様のシチュエーションに対応しているのも魅力です。さらに、メンバーズカードを作成し、航空会社のマイレージのように、利用頻度に応じてポイントがたまり、ランクアップすればするほどお得に食べられるというサービスも、リピーターを惹きつけそうです。

おひとりさまでもコース料理が
食べられる中国料理

【桃仙閣 東京】
  • おひとりさまでも気兼ねなく立ち寄れるカウンター席

    おひとりさまでも気兼ねなく立ち寄れるカウンター席

  • 島根の【桃仙閣】の人気メニュー、蟹玉ご飯

    島根の【桃仙閣】の人気メニュー、蟹玉ご飯

フランス料理と並び、おひとりさまにとってハードルが高いのが中国料理店。そんな中でも、深夜まで営業していて、一人用のコースがカウンターで食べられるのが、島根にある、老舗中国料理店【桃仙閣】2代目の林亮治氏がコロナ禍中の2020年11月にオープンした【桃仙閣 東京】。創業54年の【桃仙閣】初の東京支店という位置付けで、林氏自らがオーナーシェフとして腕を振るいます。

大きな円卓に一人ぼっち、という肩身の狭さを感じずに、おひとりさまの小さなポーションでもきちんと作り立てが楽しめるのが嬉しい所。「前菜数皿とグラスワインでもいいですし、アラカルトでも自由に楽しんでほしい。ポーションの相談も気軽にしてください」(林氏)コロナ禍を機に、おひとりさまと中国料理がグッと近くなるお店が誕生しています。



世の中がどんな風に変わっても、やっぱりおいしいものは食べたい。そんな私たちの願いに応えてくれるサービスの数々。味わうたびに「レストランってやっぱりいいな」と思わせてくれるはず。料理作りのみならず、豊かな発想力と思いをもって、新しい食のあり方を提案してくれるシェフたちに、改めて拍手を送りたいと思います。


参考資料
「ホットペッパーグルメ外食総研」
調査期間:2021年4月1日(木)~2021年4月12日(月)
調査対象:首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女
有効回答数:10,089件

この記事を作った人

取材・文/仲山今日子

この記事に関連するエリア・タグ

編集部ピックアップ

週間ランキング(11/20~11/26)

エリアから探す