ヒトサラマガジンとは RSS

金沢最古の歴史を持つ料亭で、日本伝統料理の真髄に触れる|【つば甚】

1752年創業の【つば甚】は、金沢で最古といわれる老舗料亭です。かつては、歴史上の偉人が訪ねたといわれる由緒正しき部屋で、石川県の伝統を継承した老舗料理店ならではの日本料理が味わえます。礼儀作法を重んじたおもてなし精神にあふれた接客も心地よく、非日常的なひとときを過ごせます。

つば甚たたみの部屋

金沢で最も古い歴史を持つ老舗料亭

かつては加賀藩の前田家に仕える「つば職人」だったことが店名の由来に

犀川沿いに立つ、築100年以上の木造建築でできている【つば甚】は、創業1752年という金沢最古の老舗料亭です。伝統を重んじ、一つ一つ丁寧につくられた日本料理とおもてなし精神あふれた細やかな気遣いで、ゲストに特別な時間を届けます。

    つば甚たたみの部屋

    伊藤博文、芥川龍之介が利用した「月の間」や松尾芭蕉が句会を開いた「小春庵」を移転した部屋などがある

店内は、創業以来受け継がれた品々を、季節に合わせてしつらえています。たとえ花一つとっても季節の移ろいを感じられるものを考えぬき配置します。また、畳の目に沿って真っすぐに配置された座椅子の位置など、隅々まで行き届いたおもてなしの心を忘れません。

長い歴史で育まれ受け継がれた伝統料理を堪能

    つば甚料理人味見

    お客様が食べる時をイメージしながら仕立てる料理

ここ【つば甚】では、水溶き小麦粉で仕立てる『治部煮』や、独特の食感が特徴の『蓮蒸し』など老舗店ならではの長い歴史をもつ石川県伝統の味を堪能できます。

その中でも、お店オススメのメニューを3つご紹介いたします。

『治部煮』

    つば甚治部煮

    とろみのある伝統の『治部煮』を盛るためだけに作られた平たい治部煮椀なら、最後までおいしくいただける

鶏肉ではなく鴨肉を、葛ではなく小麦粉でとろみを使う加賀料理伝統の『治部煮』です。とろみに小麦粉を使うと、風味にコクが増し、温もりあふれる一品に。小麦粉には、肉の旨みを閉じ込め、肉が縮むのを防ぐ役割も。また、平たい椀にすることで保温性に優れ、鴨肉も最後までおいしくいただくことができます。

『香箱蟹と加能ガニの昆布船蒸し』

    つば甚『香箱蟹と加能ガニの昆布船蒸し』

    献立には夫婦盛りと記すこともある縁起のよい『香箱蟹と加能ガニの昆布船蒸し』

雌と雄、2つの味の違いも楽しめるズワイ蟹の『香箱蟹と加能ガニの昆布船蒸し』。写真左の香箱蟹は、身と内子、外子、蟹味噌に分けた香箱蟹を、甲羅に盛り付け、蟹酢のジュレを添えた一品。昆布船には雄の加能ガニを盛り付けて。ふっくらとした蟹身と蟹味噌をポン酢で合わせた一品です。

『八寸』

    つば甚八寸

    四季の移ろいを感じられる美しさ。細部まで職人の仕事が行き届いた『八寸』

繊細な味わいと調和の取れた見た目の美しさが自慢の『八寸』は、季節に応じて食器を変え、石川県ならではの珍味が添えられた一品です。秋には、旬を迎える芋、栗、銀杏などがメニューに並びます。とくに、イカを菊の花に見立てた菊花寿司は、細やかな包丁使いが美しく、まさに職人の成せる技と言えます。

部屋ごとに異なる趣が楽しめる

    つば甚庭先のへや

    明治時代の部屋にはその時代の軸やお飾りを配すなど、趣向の異なる部屋づくりを

芥川龍之介などが接待を受けた「月の間」、横山大観の書が残る「梅の間」など、それぞれ趣向の異なる部屋があり、この空間でいただく伝統料理が格別。さらに老舗料亭ならではの厳しい礼儀作法が気持ちを正してくれます。言葉遣い、歩き方、襖の開け方など、所作一つ一つにおもてなしの精神を感じずにはいられません。

    つば甚料理セット

    石川の伝統工芸と料理が一つになった、お祝い時に欠かせない品々

食器一つ一つにも老舗料亭のこだわりがあります。『治部煮』の椀は、3代前の女将が嫁入り道具として持ってきたという輪島塗の椀です。これを、今も直しに出しながら大切に受け継ぎ使っています。また、祝いの蒔絵や季節の花をほどこすなど、石川県における食文化の意識の高さも継承します。

大切な接待や、一生の思い出になる記念行事、友人たちとの食事会など、思い出深い時間をつくりたいときは【つば甚】へ足を運んでみてください。料理はもちろん、しつらえや所作までも古き良き日本のよさを感じ、非日常的なひとときを過ごすことができるでしょう。

料理人プロフィール:川村 浩司さん

    つば甚料理人

    1969年、石川県生まれ。幼少のころから食べることが好きで、料理の道を志すように。調理師専門学校卒業後、1988年に【つば甚】に入社。2002年に料理長に就任し、老舗料亭の味を受け継ぎながら、「職人の技」を磨き、現在に至る。

この記事を作った人

ヒトサラ編集部

編集部ピックアップ

週間ランキング(11/14~11/20)

エリアから探す