京都・祇園【Jean-Georges at The Shinmonzen (ジャン-ジョルジュ アット ザ シンモンゼン)】~ヒトサラ編集長の編集後記 第52回
京都・祇園の新門前通りに「The Shinmonzen」というホテルがあります。建築家・安藤忠雄氏の手になる町屋風佇まいを残すホテルですが、なかはコンテンポラリー・アートが美術館のように配されおり、脇を流れる白川が陽の光を受けてキラキラ輝いています。おりしも桜のシーズンに訪れたので、祇園の町は着物を着た人たちでいっぱい。外国人観光客も相当戻ってきた印象です。
このエリアには見どころが多く、そぞろ歩きするだけでも楽しいところ。そんな場所にジャン-ジョルジュの新店がオープンしたというので、ランチをいただきにきました。ジャン-ジョルジュ氏は世界的に有名なシェフで、経営者ですが、今回はシェフが自らキッチンに立ち、オリジナル・メニューを披露してくれるということで、期待に胸を膨らませてやってきました。
コンテンポラリー・アートの中で味わう京風フレンチ
ジャン-ジョルジュの新店【Jean-Georges at The Shinmonzen (ジャンジョルジュ アット ザ シンモンゼン)】はこの「The Shinmonzen」内にあります。
受付を済ませ、ウエルカム・シャンパンを川風のここちよいテラスでいただきます。
ほどよい広さのレストランではジャン-ジョルジュ氏自らが出迎えてくれ、案内される席につきます。
うに、ツナ、ますのアミューズからスタートです。「一口で食べてください」とシェフ。ワインは今回でペアリングでお願いしました。
そしてキャビアを乗せたハーブの香りのエッグ・トーストは、シェフのシグネチャーのひとつ。これも一口で、とシェフは笑いますが、キャビアの量を考えるともったいない。ゆっくりとシャンパーニュにあわせていただきます。
真鯛のカルパッチョは春エンドウで飾られて出てきました。バターミルクのヴィネグレット・ソースはとても爽やかです。
そして春を代表するアスパラガス。ヨーロッパの春といえばやはりこれですからね。温かいアスパラにシイタケ、シメジ、マイタケといったキノコ野菜のソース。すごく和のテイストを感じる仕上げになっています。
アマダイが出てきました。サクサクの松かさ揚げにされたアマダイは中の白身がふんわりと柔らかく、皮との食感のバランスがすばらしい。これも和のテイストですね。添えられた甘い京人参はターメリックの香りをまとい、レモンとネギの爽やかなソースとの相性も面白い。
京の伝統へのリスペクトとアップデート
やはり京料理や、和のテイストが重要視されているのかと思っていたら、なんと、車エビがローストされ、そば粉にくるまれて揚げたものが出てきました。そば粉でつくるブルターニュの郷土料理のガレット風ですが、これは天ぷらそばの京風再構築かと思いました。
メインは京丹波平井牛のテンダーロイン。キャラメリゼされた表面が美しく、また柔らかで旨みの凝縮した肉は、出していただいたワインと絶妙なマリアージュを見せてくれたのですが、出汁風ソースにマスタード……よく見ると、これおでんですよね。テンダーロインは厚揚げに見えてきました。これ箸で食べても面白いかもしれません。
シェフはテーブルの各自といろんな話をしながら、一生懸命お皿を運んでくれます。気さくな人柄が伺えます。
デザートは春の苺。球状のホワイトチョコを割ると中に柚子クリーム、ピスタチオのソルベが下に入っています。綺麗なデザートです。
ホテルの宿泊者にはジャン-ジョルジュの朝食も提供するそうです。世界でこことロンドンだけだとか。「The Shinmonzen」はかなり高価なホテルではありますが、俵屋のような伝統的な宿の朝食を知る人には、またもうひとつアップデートされた京の伝統を味わえるのかもしれません。
【Jean-Georges at The Shinmonzen】
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電話:075-600-2055
住所:京都府京都市東山区新門前通西之町235 TheShinmonzen
店舗詳細はこちら >
この記事を作った人
小西克博/ヒトサラ編集長
北極から南極まで世界100カ国を旅してきた編集者、紀行作家。
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