日本の食材の豊かさ、素晴らしさを再認識できる日本料理の店【銀座すがの】|銀座
食材のおいしさや魅力を最大限に引き出す料理を提供する【銀座すがの】。日本料理の経験豊富な店主・菅野功一さんが厳選した食材でつくる料理の数々は、日本の食材の豊かさや日本料理の素晴らしさを再認識させてくれます。この日はおいしい鴨が入ったということで、さっそくお店を訪れてみました。
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四季折々の素材がもつ魅力を最大限に引き出す唯一無二の日本料理
「⽟鋼鉄板」で焼き上げる“真っすぐで清らか”な鴨料理
鴨にフォーカスを当てた秋のコースをご紹介
四季折々の素材の「旨み」「香り」「味わい」を最大限に引き出す、唯一無二の日本料理
2022年4月にオープンした【銀座すがの】は、国内の様々な名店で経験を積む、菅野功一さんが営む日本料理店です。菅野さんは、食材との一期一会に自身のエッセンスを加え、“素材の魅力を最大限に引き出す、最小限の味付け”で滋味深い味わいを生み出します。
銀座8丁目にある【銀座すがの】。カウンターは全9席
昼は御膳、夜は3万円のおまかせコースのみ。春は山菜や貝、夏には鱧や鮎、秋は松茸、冬はふぐや松葉蟹と、日本各地から集めた季節の味を楽しめます。この日は、2024年9月9日(月)よりスタートした「玉鋼鉄板」で焼き上げる“鴨”を軸としたコース料理をいただきました。
⽣産者とタッグを組み特別な⼿法で締めた鴨を部位ごとに焼き上げてくれます
今回提供する鴨について、「日々料理を通じて全国のさまざまな食材を取り扱う中で出会った、この上なく美味しい鴨」と菅野さんは語ります。そのおいしさを伝えるために、日本料理の基本を忠実に守りながら、新たに鴨を軸としたコンセプトに絞り込んだそうです。
“奇跡の鉄”とも⾔われる⽇本⼑の原料である「⽟鋼(たまはがね)」を使って、約半年間かけて職⼈が⼿づくりした極希少な「⽟鋼鉄板」
そんなこだわりの鴨を、特注の「玉鋼鉄板」で焼き上げる“焼き鴨(お狩場焼)”を主体としたコースで振る舞ってくださいます。この「玉鋼鉄板」は、鉄の密度が高く熱を保ちやすいことから、お肉がふっくらジューシーに焼き上がるのが特徴で、江戸時代に鉄板がなかった時代に用いられたとも言われています。
「⽟鋼鉄板」で焼き上げる“鴨”を軸に構成された秋のコースをご紹介
焼き鴨をメインに、スープ、つくね、ハツなど鴨の様々な部位をそれぞれに合わせた調理法で提供。献立は毎日変わるそうで、まずは日本料理が5品、その後に鴨が焼かれ、締めのご飯へと移っていきます。
この日の献立、「鴨焼きと季節のおまかせ」 30,000円(サ別)
先付け/椀/渡り蟹/あん肝/強肴/鴨焼きと季節野菜 お狩場焼き/⼝直し/鴨ご飯/鴨スープ/漬物/親⼦丼/煮麺/⽢味 ※内容は季節に応じて変更する可能性があります
先付け「赤雲丹 伊勢海老 岩茸」
雲丹を調味料に使い、伊勢海老を楽しむ逸品。雲丹には甘みと旨みが強い天草の赤雲丹を使用しています。伊勢海老は来店直前に締めたばかりの新鮮なものを昆布締めしており、旨みがたっぷり。お酢がかかっているので、そのさっぱりとした酸味がアクセントになっています。手前にあるのは「岩茸」という貴重な茸で、旨みをたっぷりと吸い込んでおり、口いっぱいにおいしさが広がります。
煮物「鼈 白葱 生姜」
すっぽんのお椀。骨ごと炊いたすっぽんはとっても透き通った味わい。焼いた葱が加わることで香ばしさもプラスされています。たっぷりの搾り生姜も入っているので、食べ進めていくとだんだんと体が温まっていきます。
割鮮「虎魚共和え」
河豚(ふぐ)とよく似た虎魚(おこぜ)の共和え。皮、身、肝と1匹丸ごと味わえるのが魅力です。肝と和えられているため、噛むたびに濃厚な旨みが広がります。ポン酢ともみじおろしや、醤油とわさびなど、いずれもお好みで楽しむことができます。
凌皿「鮑 新銀杏」
鮑は日本酒で5〜6時間じっくりと炊かれ、その後炭火で焼かれており、その旨みと香ばしさはたまりません。下には鮑のだしを使って炊いたもち米が敷かれており、季節の新銀杏もフレッシュな味わいです。
酒債「鮟肝 梨 地芥子」
お店の名物の一皿。濃いめに炊かれた鮟肝は、しっかりと味が染みこんでいて美味。それを梨、地芥子、日本酒と合わせていただきます。特徴的なのは、日本酒のペアリングがついている点です。日本酒の中でも甘みの強い「満寿泉」は、ほんのりみりんに近い味わいなので、相性も抜群です。
玉鋼「家鴨 胸肉 鴨団子 焼野菜 大根卸」
この日のメインの鴨肉。鴨団子や焼き野菜もありました。
「玉鋼鉄板」で鴨を焼いている様子。
鴨の一枚目は、皮が付いた状態の「胸肉」から。皮の脂がついた状態の鴨を、繊維を断つようにカット。ふっくらジューシーな味わいです。
鴨の脂で焼かれた「椎茸」。
鴨の二枚目は、同じ鴨の胸肉ですが、繊維に沿ってカットされているため、先ほどいただいた一枚目の胸肉とは食感と味わいが微妙に異なり、こちらのほうが野生味を感じられます。
鴨のつくねと双子芋。つくねは肉汁たっぷりで、そこまで肉肉しさはなく、優しい味わい。添えられた芋は岩手県産の「双子芋」で、こちらは野生味を強く感じます。鴨脂との相性も抜群です。
お口直しや付け合わせはおかわり自由。手前には大根おろしがあり、後方左から新潟のかんずり(柚子胡椒)、天然の茗荷の酢漬け、塩と粒胡椒が並んでいます。
口直「蓴菜 蕃茄」
高知県産のフルーツトマトと岩手県産のじゅんさいを使ったお口直し。
御飯
締めは、鴨のそぼろご飯、親子丼、そうめんの3種類。これらを少しずついただけるなんて、なんとも贅沢です。
御飯「素朧」
まずはそぼろご飯から。鴨100%のそぼろは燻製されていてとても香ばしい。生姜も効いていて、旨みがあるのにさっぱりとした後味です。味噌汁と自家製の福神漬けも付いています。
御飯「親⼦丼」
続いて、鴨の卵を使った親子丼。甘みと旨みがたっぷりで、山椒を添えて味変も楽しめます。
御飯「麺」
一口サイズの鴨だしスープのにゅうめん。最後にさっぱりとした麺で締められるのはうれしいですよね。
甘味「葛切 神紅 善哉」
この日の甘味は、目の前でつくり上げる「葛切り」。その手の込んだ作業に感動します。10月ごろにはわらび餅に代わるそうです。
引き立ての葛切りは瑞々しく、のど越しも良い。黒糖を使った黒蜜はナチュラルな甘さで、神紅というぶどうの下には、丹波産の大納言小豆が添えられています。葛切り、黒蜜、小豆はすべて手づくりだそうです。
ランチタイムは、10食限定の「鰻御前」を提供
「日本でしか取れない食材を召し上がっていただきたい。それこそが日本料理ではないかと思っています」と語る菅野さん。毎日メニューを変え、その日その瞬間に旬を迎える食材を使い、料理を振舞われます。季節が秋へを移ろい、さまざまな食材が実りを迎えます。ぜひ【銀座すがの】へ足を運んでみてください。
店主の菅野功⼀(すがのこういち)さん。⼤阪出⾝。鮨職⼈だった⽗親の影響を受け、中学卒業後料理の世界に。関⻄や東京を中⼼に国内で数々の料亭、⽇本料理店での修⾏や⽴ち上げなどに尽⼒。
嶋亜希子(ヒトサラ編集部)
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