更新日:2025.05.12食トレンド
中目黒で味わうインターナショナル鶏料理~名店【鳥しき】が挑む、次世代の焼鳥体験【Bird Lab.】|東京・中目黒
焼鳥の名店【鳥しき】の池川義輝氏が率いる「鳥しきICHIMON」から、モダン・フュージョンダイニング【Bird Lab.(バードラボ)】が中目黒にオープンしました。焼鳥の技に地中海やエスニックの香りを融合させた、五感を刺激する“ハイブリッドYAKITORI”をアラカルトで楽しめます。ブルックリンスタイルの洗練空間で、世界を旅するような新感覚の鶏料理体験をぜひ。
今、最も熱い食のジャンルは?と聞かれれば、真っ先に“焼鳥”の名が脳裡をよぎる。とりわけ、東京の焼鳥界は白熱の一途。銘店出身の店もあれば、地方からの移転組もありと人気店が目白おし。コーススタイルが主流となり、中には焼鳥だけではなく、鶏肉を用いた一品料理をコースの合間に出す店も増え、“鳥割烹”と呼ぶ方が相応しい店も増えてきた。
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焼き台の臨場感が伝わるカウンター席では、漂う香りもご馳走。食欲をそそる
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入り口すぐのカウンターでは、焼き鳥とカクテルで軽く一杯と角打ち的楽しみ方も
そんな、日々進化を続ける焼鳥業界にあって、また一軒、注目の焼鳥ダイニングが、2025年3月、中目黒にオープンした。仕掛け人はあの【鳥しき】の池川義輝氏、といえば早速ブックマークするフーディも多いのではないだろうか。総本山である目黒【鳥しき】をはじめ、ビブグルマン選出店の恵比寿【鳥佳】や麻布台ヒルズマーケツト内の【鳥おか】、普段使いに嬉しい中目黒【とりまち】等々、池川氏率いる「TORISHIKI ICHIMON」に新しく加わった【Bird Lab.】がそれ。開店にあたって池川氏が、その思いを語ってくれた。
ミシュラン一つ星に輝く【鳥しき】のご主人池川義輝氏。“一串一生”を信条に、日々焼き鳥と向き合い、90歳まで現役を目指す
「ここ数年来、仕事やプライベートで、NY.、上海、香港、ベトナム、ハワイなど頻繁に海外へと赴くようになり、各国の料理を口にする機会が多くなったことが一因ですね。行けば必ず地元の屋台や市場、スーパーマーケット等々を見て回り、現地の味に親しみました。どの国も、土地の人々が楽しそうに食事をしている様子が印象的で。と同時に世界中には、まだまだ自分の知らない鶏料理がいっぱいあることを知り、俄然、興味が湧いたんです。」
そこで、沸々と湧き上がってきたのが持ち前の焼鳥魂。否、鶏肉愛といくべきか。「“焼鳥”だけではないもっとグローバルな鶏料理を発信していきたい!」との想いから生まれたのが、この【Bird Lab.】というけだ。
しかも、昨今のおなじみの“一斉スタートおまかせコース“スタイルではなくアラカルトのみ。来店時間もゲストの自由(もちろん営業時間内だが)。お好きな時間にお好きなものをどうぞ、という原点回帰的なシステムも、ある意味時流にのっている。池川さん曰く「ここは、お子様もOK。家族連れも大歓迎です。」だそうだ。
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料理メニュー。アジアから中東にかけてのテイストが 目を引く。『自家製フムス』もオススメ
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ドリンクメニュー。サワー系オリジナルカクテルからノンアルまでドリンク類もバラエティ豊か
とはいうものの、場所はやや秘密めいている。目黒川沿いの無機質なビルの5階。インターフォンのナンバー「501」を押すと扉が開き、店に辿り着くことができる。店内は広々として、一見、焼鳥店とは思えぬモダンな空間。ブルックリンスタイルの内装は、なるほど“ハイブリットYAKITORI”を標榜する同店にふさわしい。オープンキッチンのカウンター席のほか、ゆったりとしたテーブル席もあり、これなら家族連れにも充分対応できそうだ。また、6階はテラス席。目黒川を見下ろすロケーションも良く、バーベキューもOK。桜の季節には特等席となりそうだ。
『もも』430円
『ささみ』430円
『せせり』430円
さて、メニューに目をやると、焼き鳥のほかに一品料理がずらり。焼き手は【鳥しき】出身の小林曹平さん。一風変わった焼鳥と鳥料理に、思わずメニューに釘付けとなる。
まず、目を引いたのは焼鳥。というのも、通常とは異なる味付けになっているようなのだ。例えば、定番の『かしわ』にはケイジャン風味のスパイスとガーリックオイルを絡ませ、『ささみ』は自家製塩レモンとフェンネルシードで香り付け。そして『せせり』は白胡麻やタイム、オレガノなど酸味の効いた香辛料を組み合わせた中東風ミックススパイスを用いるなどなどエスニック的な味付けが食欲をそそる。焼き手の小林さんは、麻布台ヒルズの【鳥おか】等々の立ち上げに携わってきた大ベテラン。ここでも、【鳥しき】直伝の“近火の強火“で、香ばしくもジューシーに焼き上げている。
『ハツ』430円
『ぼんじり』430円
『ひなトロ』430円
料理長の武田淳也さんによれば「淡白な『ささみ』には、柚子胡椒のイメージで塩レモンを合わせ、インパクトのある塩味をつけています。」とのこと。対してシコッとした歯応えのある『せせり』は、ザタールと呼ばれる中東のミックススパイスで味付け。スマックというやや酸味のあるスパイスが、小気味良い肉感のせせりとよくマッチ。思わずグラスに手が伸びる。
ちなみに『かしわ(腿肉)』に用いているケイジャン風味のスパイスとは、“シャワルマ“(中東のケバブに似た肉料理)に使われているミックススパイス。コリアンダーやカルダモン、クミンなど数種類を合わせたものだ。シコシコとした歯応えも小気味よい『ハツ』には自家製ハリッサでパンチを効かせるなど、部位の特徴に合わせたスパイス選びもさすが。もちろん、注文の際に伝えれば、ノーマルな塩、タレの味付けにも、きちんと応えてくれる。一串各430円。
『自家製フムス』980円、『ブレッド』680円
『バターミルクフライドチキン』1,380円
『蒸し鳥とカラスミのリングイネ』1,680円
その他、メキシカンな『チキンエンチラーダ』(1,680円)や『白胡麻ぺースト』(=タヒニ)でつくるドレッシングも美味な『手羽中のタヒニシーザーサラダ』(1,380円)など、ユニークな鶏メニューがずらり。中でも、武田料理長のオススメは『バターミルクフライドチキン』(1,380円)。柔らかな若鶏の胸肉を使っているそうで、香ばしくもサクサクに上がった衣とジューシーな肉との食感の対比に頬が緩む。武田料理長によれば「バターミルクに漬けることで、その穏やかな酸味が肉の繊維を壊すことなく柔らかくしてくれる。」そうで、しっとりとソフトな味わいを楽しませてくれる。
ちなみに、フライドチキンには胸肉を使っているが、パスタに入れるサルシッチャは、歯応えがあり旨みの強い親鳥を粗挽きにして用いるなど料理に応じて部位を選んでいるのも、鶏肉に特化した同店ならでは。一方、鶏そのものは、特に銘柄を決めず、信頼のおける鶏肉専門店からその時々で上質な鶏を仕いれているそうだ。
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『トマトスパイス』1,300円
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『本日のクラフトビール』1,000円~
鶏料理に合わせてアルコールも充実。クラフトビールから自家製レモネードでつくる『自家製レモンサワー』(950円)や『山椒サワー』(1,000円)などのオリジナルカクテル、そしてグラスワイン1,300円〜に日本酒各種とバラエティ豊かなラインナップも見逃せない。また、〆には、『蒸し鶏とからすみのリングイネ』(1,680円)をはじめとする各種パスタや南インド風の『手羽元のココナッツチキンカレー』1,980円などが用意されている。
この記事を作った人
撮影/嶋亜希子(ヒトサラ編集部) 取材・文/森脇慶子
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