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更新日:2021.10.08食トレンド

ワインのスペシャリストに聞く! ボジョレーヌーヴォーの魅力と楽しみ方③|沼田英之さん【ワインマーケットパーティー】

毎年、秋の収穫期に解禁され、日本でもお祭りのように盛り上がるボジョレーヌーヴォー。2021年は11月18日(木)が解禁日です! そんなボジョレーヌーヴォーの魅力やおすすめの楽しみ方を、名店のソムリエやワインのインフルエンサーの方々にうかがいました。第三回目の今回は、ワインはもちろんワインに合うおつまみや、ワインライフが楽しくなるグッズが揃う、恵比寿の【ワインマーケットパーティー(WINE MARKET PARTY)】の店長、沼田英之さんです。

ワインの並び

上質な王道ワインや自然派ワイン、若手生産者のエッジが効いたものなどがバラエティ豊かに揃う店として、多くのワイン愛好家が訪れるワインショップが【ワインマーケットパーティー】だ。ここで、日々ワインの魅力を伝える店長の沼田英之さんにボジョレーワインの知られざる魅力を聞いた。

ボジョレーワインにハマった、“自称「ガメイ大使」”

    店長の沼田英之さん

    プロとしての意見を押し付けず、“素直にワインを見る”のが沼田さんのモットー。「ワインに詳しくない人にも、『おいしい』と言ってもらえると自信になりますし、素直な感想も勉強になります」

「自称『ガメイ大使』を名乗るくらい、ボジョレーが大好きです(笑)。ガメイは、若いワインではフレッシュでフルーティー、イチゴのような香りが魅力ですが、熟成させると、ピノ・ノワールのような深みやシラーのような芳醇な味わいが感じられ、多彩な表情を見せてくれます。味わいも果実味豊かで、その深い魅力にハマってしまいました」と、沼田英之さんは満面の笑顔で“ガメイ愛”を熱く語る。

「10年ほど前でしょうか。ムーラン・ナ・ヴァン地区のワインを飲んだ時、その香りの豊かさと味わい深さに驚きました。『ガメイってこんなに香りが変化するブドウ品種なんだ』と感動しました」。

以来、沼田さんは「多くのお客さまにこの魅力を伝えたい」と、ボジョレーヌーヴォーの時期になると20銘柄ほどのワインを用意し、店頭で試飲してもらうなど、ボジョレーワインの“伝道”に努めてきた。

    ワイン2本の並び

    (右)50年以上の古木のブドウから造られ、ミネラル感豊かな『ジャン・フォワイヤール AC モルゴン・コート・デュ・ピィ・キュヴェ 3.14π 2016』750ml 8,000円
    (左)こちらも古木のブドウから造られ、複雑味のある味わい。『ギイ・ブルトン モルゴン ヴィエイユ・ヴィーニュ 2015』750ml 5,000円

「お客さまが、『え、これがガメイなの? おいしい!』と驚いてくださったり、『家で家族と楽しみたいから』とお買い上げくださったり、いろいろお話が弾んで、とても楽しいんです。ヌーヴォーの季節は、ワインの世界が一番盛り上がりを見せる時期で、いつもはワインに興味のない方もこの時期だけはお店に足を運んでくださる。ひとりでも多く、ワインを好きになっていただけたらうれしいので、私自身にとってもやりがいがあり、楽しい季節でした」と沼田さん。

だが、コロナの影響もあり、昨年から店頭での試飲を中止、言葉だけでワインの魅力を伝える日々が続いた。これは、沼田さんにとって、とても残念なことだったという。

「ワインは、飲んでみてこそ、その魅力がわかります。特にボジョレーヌーヴォーは、いい造り手のものに出合うと、従来の“水っぽいワイン”のイメージを覆し、その奥深さに気づかせてくれます。ですが、今は試飲ができないので、私が好きな銘柄でセットを作り、自信をもってお勧めできるものを店頭やウェブサイトで紹介しています」。

年々向上するボジョレーワイン。生産者にも注目を

    ボジョレーワイン

    ボジョレーワインは、ヌーヴォーだけでなく、村ごとの個性が豊かなところも魅力。お店ではコート・ド・ブルイィ、フルーリー、モルゴンなどを揃えているので、ぜひチェックを

近年、ボジョレーヌーヴォーの品質は向上し、「年々おいしくなった」と言われているが、沼田さんもこの意見には「大賛成」だという。

「地球の温暖化もありますが、ブドウの収穫が早まり、熟度も高くなって、果実味豊かなワインが造られるようになりました。ヌーヴォーの場合は市場への出荷時期が決まっているので、生産者はどの時期にブドウを収穫するかを正確に見極めなければいけない。以前より、細やかにブドウと向き合うようになったからではないかと、私自身は思っています」。

ボジョレーの変化を見続けたいという思いから、沼田さんは毎年、同じ生産者のワインを飲んでいるというが、こうすることでその年が暑かったか、あるいは涼しかったのか、天候がリアルにわかり、生産者の努力への感謝の念が自然に沸き起こってくると、沼田さんは笑顔を見せる。

    「ヌーヴォーは、春までおいて、炭火にした筍に鰹節と醤油をかけて食べるのもお薦めです。香ばしさが加味され、実においしい!」と、沼田さんの“ガメイ愛”は尽きない

    「ヌーヴォーは、春までおいて、炭火にした筍に鰹節と醤油をかけて食べるのもお薦めです。香ばしさが加味され、実においしい!」と、沼田さんの“ガメイ愛”は尽きない

「ボジョレーヌーヴォーの面白さは、生産者の個性にもあると思います。昔ながらの大手のほか、自然派ワインの造り手、樹齢が古いガメイで造る作り手、ブルゴーニュの有名な生産者の参入など、話題も多い。このあたりも、ぜひ注目していただきたいですね」。沼田さん自身は、マルセル・ラピエールとジャン・フォワヤールのヌーヴォーを毎年楽しんでいるという。

ポイントは酸味。真似したくなる“沼田流マリアージュ”

また、真似したくなるのが“沼田流マリアージュ”だ。ポイントはフレッシュな酸味。梅肉やバルサミコ、カシスのマスタードなどを使った素材と合わせると、ボジョレーヌーヴォーのフレッシュな果実味や酸味が引き立つという。

「特にこの季節、バルサミコ酢を使ったサンマのカルパッチョとは最高の相性です。大葉と梅肉をのせた焼き鳥もいいですね。また、一見合いそうにない生ガキも、赤ワインビネガーでいただくと、そのおいしさに驚かされます」。

もちろん、相性がいい料理はこれだけではない。沼田さんは、もっとカジュアルに、気楽に楽しめるのもボジョレーヌーヴォーの魅力だと語る。

「薄くスライスした生ハムやサラミなども、とてもおいしいと思います。缶詰やジャーキーなども目先が変わって楽しいですよ」。

    えぞ鹿肉のポワブラード,熟成・神戸ビーフジャーキー,熟成・神戸ポークジャーキー,天使のミックスナッツ,カシス・マスタード,えぞ鹿肉のバルマンティエ

    沼田さんお勧めのおつまみと調味料。左から『えぞ鹿肉のポワブラード』1,626円、『えぞ鹿肉のバルマンティエ』1,220円、『カシス・マスタード』421円、『熟成・神戸ビーフジャーキー』1,860円、『熟成・神戸ポークジャーキー』928円、『天使のミックスナッツ』734円

今年も、11月第3木曜日になれば、ボジョレーヌーヴォーの解禁日がやってくる。このコロナ禍で、自分の中の“おいしい情報”を多くのワイン愛好家にどう伝えようか、沼田さんは日々考えている。

「今、閉塞感がある中、皆さん、日々頑張って生きている。だから、せめて家でのひとときはほっとして、リラックスしていただきたいと思っています。ヌーヴォーの解禁日だけはちょっとお祭り気分で、明るい気持ちになっていただきたいですね」。

プロフィール:沼田英之さん

    店長の沼田英之さん

    ホテルのレストランやバーで経験を積んだ後、イタリア・トスカーナ地方へ留学、イタリアワインを学ぶ。帰国後ホテルのフレンチレストランでソムリエとして従事。2008年にフランスワイン専門店【ラ・ヴィネ】に入社、フランスワインに深く関わる。2012年より姉妹店である【WINE MARKET PARTY】店長として入店。日々、ワインの楽しさを多くの人々に伝えている。

インタビューしたお店

恵比寿ガーデンプレイス内にあるワインショップ。100坪ある店内は常時1,200種類以上のワインを揃え、世界中のワイン、食品、雑貨、書籍などを取り扱う。併設している姉妹店フランスワイン専門店【ラ・ヴィネ】にはマニアックなフランスワインを含め1,000種類近いワインが並ぶ。

 
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ボジョレーヌーヴォーの魅力と楽しみ方

この記事を作った人

撮影/佐藤顕子 取材・文/安齋喜美子

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