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2016.07.21旅グルメ 連載

北の恵みをまるごと味わう、札幌の美食店 from「ヒトサラspecial」

広大で豊かな北海道。だからこそ、美味しい食材がたくさん揃います。食材にこだわりをもって料理を生み出す料理人の名店をご紹介。夏休みには札幌の美食店を訪れてみませんか。

北の恵みを味わえる札幌の美食店

名店ひしめく鮨激戦区・札幌の中でも異彩を放つ【鮨菜 和喜智】

    修業時代から、独自の鮨にこだわり名店などを食べ歩いていて研究に明け暮れた田村光明氏。現在も気になるお店は毎年、時間を見つけては食べ歩いている

 名店ひしめく札幌の鮨店の中にあって、ひときわ異彩を放つのが【鮨菜 和喜智】の田村光明氏。東京瀬田の【寿司久】を皮切りに江戸前鮨を学び、地元の札幌にて独立。その後も独自の解釈を交えながら、常に自らの鮨道を極めんと邁進する気鋭の鮨職人だ。2003年、32歳でお店をオープンした後も、2007年の改装時からはおまかせ一本に変更。ネタのグレードを上げた分、価格も上げざる得なかった。それでも常連は、数カ月先まで埋まる、この店の予約を楽しみにする。
 「周りがどこもかしこも赤酢、赤酢と言い出すと、疑問に思ってしまうたち。炙りが流行った時も、そうですね。常に時代の流れというか流行りが正しいかは、疑っていますね」
 いち早く赤酢を使い、その長所と短所を研究しながらシャリや酢の塩梅は変えてきた田村氏。今は、魚の熟成具合を研究中。
 「塩や昆布、時間や季節で、どう魚の味を引き出すかいろいろ方法を試していきたい」と子供のように目を輝かせる。

  • 稚内虎杖浜産の毛蟹と積丹産のバフンウニを一度和えてから握りに。コクのある味わい

  • ネタのグレードは札幌でも随一。苫小牧産の北寄貝、野付産のホタテ、函館産のアワビなど近海魚を厳選

  • 甘エビの雲丹醤油和え。酒を呼ぶ酒肴はおまかせで5品。飲み疲れしない銘酒のラインアップと抜群に合う

  • 余計な装飾は削ぎ落とした全8席の店。旨い鮨を食べてもらう。そんな店主の気概が伝わってくる

 

妥協なき地道な作業で高みを目指す、3つ星日本料理店【温味】

    在香港日本総領事館の公邸料理人や、ウインザーホテル洞爺の【杜氏賛歌】料理長など、数々の役職を歴任後、札幌で【温味】を開店した山本真樹氏

「とくに北海道だけにこだわっているわけではない。その時期のおいしいものを全国から集めています」
 札幌の日本料理に、この店ありと謳われる【温味】の主人・山本真樹氏はいたって冷静だ。ミシュラン3つ星にも輝く名店は、いつ何時も素材に妥協はない。結果、時期によっては北海道産のエゾアワビや時鮭が食膳に並ぶこともあれば、築地から仕入れる最高級の鮮魚が並ぶこともある。ただおいしいもののため。純粋な料理人としての思いに妥協は一切ないのだ。
 札幌にかつてあった日本料理【古屋】と大阪【かが万】での修業経験を持つ山本氏。どちらもルーツは大阪で、氏の料理のベースは関西風。それを地元食材や旬の食材を使い北海道らしい料理へと昇華させる。
「料理は気持ちが大切。例えば柔らかい葉物は、流水でさらして洗うより、たっぷりと水を張った状態で洗うほうが食材にストレスを与えないのです」
 そんな小さな作業ひとつひとつに気を配る山本氏。料理の味を決める出汁は、本枯節を毎朝使う分だけ、運んでもらい、ひきたての味を大切にする。
 だからだろうか、氏の料理はとにかく澄んだ印象だ。出汁にこだわり、食材に気を配り、季節を大切にする。そんな氏の料理は、札幌を、いや日本の四季を感じるにはうってつけだ。

  • 焼き物『時鮭の西京焼き しゃこの梅香り揚げ グリーンアスパラ』。食膳にて松の香りで薫香をつける

  • お椀『とうもろこしのすり流し』。淡路産のハモの葛うち、新じゅんさいなどが食感をプラス

  • 【温味(ぬくみ)】という店名には、温かい味を提供したいという、店主の思いを詰め込んだ

  • 全6席のカウンターを中心に、2つの個室を備える。カウンターは禁煙だが、個室は喫煙可

 

この記事を作った人

ヒトサラ編集部