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更新日:2018.09.18食トレンド

名店で修業を積んだシェフが原点に回帰。自然派イタリアン【kaiki(カイキ)】

注目の人気店が軒を連ね、食の感度の高い人々で賑わう代々木上原。2018年4月、この街に新たにオープンしたのが、自然派イタリアンの店【kaiki(カイキ)】です。オーナーの清水シェフが自らの原点に“回帰”したその料理には、素材そのものへの愛が込められています。

名店で修業を積んだシェフが原点に回帰。自然派イタリアン【kaiki(カイキ)】

カジュアルさと高級感が同居する、こだわりの空間

 代々木上原駅近くに店を構える、自然派イタリアンの店【kaiki(カイキ)】。階段を降り店の中に入ると、広々とオープンな店内に大きなテーブル。カジュアルなコンクリートの壁に囲まれながらも柱やキッチンなどには高級感のある銅があしらわれ、独特の雰囲気を醸しています。

    白いテーブルクロスのリストランテとはまた違った、カジュアルかつ高級感のある店内

    白いテーブルクロスのリストランテとはまた違った、カジュアルかつ高級感のある店内

 この店で料理の腕をふるうオーナーシェフの清水雄太郎さんは、ミシュラン一ツ星のリストランテをはじめとするイタリア料理の名店で修業を積んだ実力派。【kaiki】では自らの原点でもある“野菜”に“回帰”し、素材本来の味を引き出した料理を提供しています。素材や調理法にはこだわりつつも、お皿の上の料理の佇まいは飾らずシンプルに。洗練された空間でその味わいを楽しむことができます。

 店内のテーブルには白いテーブルクロスはなく、革張りの椅子やソファは高級感がありつつも堅苦しさはありません。「私自身、若い頃は高級レストンに行くと緊張して、ゆったり食事を楽しめなかったのを覚えています。ですから、自分の店はくつろいで過ごしていただけるように、少しフランクな雰囲気にしたかったんです」と語る清水シェフ。

 そんな【kaiki】には、昼は友人同士のグループ、夜はカップルや家族連れなど、さまざまなお客様が集まり賑わいを見せています。

    機能性を考えたキッチン。盛り付けなどを行う“デッシャップ”の配置も計算されている

    機能性を考えたキッチン。盛り付けなどを行う“デッシャップ”の配置も計算されている

 また、「お客様はもちろん、働く人も心地よい場でありたい」という思いのもと細かく設計されたセミオープンのキッチンも見所。無駄のない動きと共に次々と生み出される料理を見ると、それを待つ心もウキウキと浮き立ちます。

こだわりはシンプルさと素材の組み合わせ。
細やかな仕事がおいしさを生み出す

    『kaiki風バーニャカウダ』は、コースの最後までテーブルに置きゆっくり味わえる

    『kaiki風バーニャカウダ』は、コースの最後までテーブルに置きゆっくり味わえる

 清水シェフが生み出す【kaiki】の料理は、シンプルでありながら仕事は細やか。スペシャリテとしてコースの最初に出される『kaiki風バーニャカウダ』は、厳選し山形から取り寄せた野菜を主に生で、種類によってはボイルやピクルスにして提供。新鮮な野菜ならではの本来の味と香りを存分に引き出し、楽しませてくれます。

    清水シェフが和牛の中でも特に好きだという山形牛。丁寧な火入れで絶妙の仕上がりに

    清水シェフが和牛の中でも特に好きだという山形牛。丁寧な火入れで絶妙の仕上がりに

『山形牛のグリル』は、温度の違う2つのオーブンで細やかに火入れをした後、ココットで藁とともに焼き、香りをまとわせた一皿。程よい噛み心地とともに肉の味と香りが口の中に広がり、すっきりとした余韻を残します。

    『ハモとすだちのペペロンチーノ』。メインの後に出されるパスタは量が選べる

    『ハモとすだちのペペロンチーノ』。メインの後に出されるパスタは量が選べる

 シンプルさとともに清水シェフが大切にしているのが、素材の組み合わせ。『ハモとすだちのペペロンチーノ』は、出す直前に炙った風味豊かなハモと、爽やかなすだちを合わせたパスタ。残暑が感じられる日にも、すだちの酸味と香り、皮のほんのりとした苦味でさっぱりと食べられる一品。水菜のシャキシャキとした食感もポイントです。

    ワインはすべてイタリアのもの。自然派のほか幅広く揃えられている

    ワインはすべてイタリアのもの。自然派のほか幅広く揃えられている

 そして、料理に合わせて用意されているのはイタリアのワイン。100種類前後のワインの中から、お店と相談しながら選んで飲むのも楽しみの一つです。ランチでは、なんと1,000円でスパークリングワインのフリーフローも提供。お酒好きにはたまらないサービスです。

これまでの道を振り返り、気づいた自分らしさは「シンプル」

    もともとイタリア料理のレストランを食べ歩くのが好きだったという清水シェフ

    もともとイタリア料理のレストランを食べ歩くのが好きだったという清水シェフ

 食べ歩きが好きで、特にイタリア料理のお店に強く惹かれていたという清水シェフ。中学生の頃に東京で食べたイタリア料理店で衝撃を受け、後にはグランメゾンにまで足を運ぶようになったそうです。大学進学のために上京した際も、最初に買ったのはイタリア料理の本だったのだとか。そして大学卒業後、自らイタリア料理の道へ。まず【カノビアーノ】で約5年間、修業を積みました。

「ニンニクや唐辛子を使わない【カノビアーノ】の自然派のスタイルは当時新しく、私が野菜を好きになったのもこの店での経験がきっかけです」と清水シェフ。早くから成長を認められ、仕事もある程度任されるようになり、料理人を続けていこうという思いを固めたそうです。

    様々な店で修業を重ねた後、独立。オープンした【kaiki】ではシンプルをテーマに

    様々な店で修業を重ねた後、独立。オープンした【kaiki】ではシンプルをテーマに

 その後、ミシュラン一ツ星【アロマフレスカ】で素材の味わいを引き立てるための料理の構成や、香り、温度の大切さを学び、シェフを務めた【オッジ・ダルマット】では、お客様へのサービスや、店の運営についても学びました。そして独立し、【kaiki】をオープン。さまざまなスタイルの料理に挑戦してきたこれまでの道を振り返り、自らの原点でもある自然体の料理が最も自分らしいと考え、素材そのものの味を引き出すシンプルな料理を【kaiki】のスタイルにしました。

「銀座や青山のレストランで食事をされるような感度の高い方が、気軽に普段使いできる店、というのが理想です。ほどよく贅沢感があってほどよくカジュアルな。そんな店でありたいですね」。

 
 ──野菜をはじめとする素材へのこだわりや、空間づくりへのこだわりなど、清水シェフの思いがたっぷりと詰まった【kaiki】。料理も食べる人も自然体で、心地よい時間を過ごせる空間です。

【kaiki(カイキ)】

  • 電話:03-6407-1605
    住所:東京都渋谷区西原3-17-11 IRビル B1F
    アクセス:小田急線・千代田線「代々木上原」駅から徒歩1分

  • 営業時間:
    11:30~15:00(L.O13:00)
    ※火曜はランチ定休
    18:00~23:00(L.O21:30)
    ※21:00以降アラカルトあり
    定休日:月曜(祝日の場合は翌火曜)、月1回連休有り

この記事を作った人

河崎 志乃(フリーライター)

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