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更新日:2019.06.04食トレンド デート・会食

夏なのに熱燗?! 暑い夏にこそ飲むべき「燗酒」のすすめ

ヒトサラ編集部の日本酒担当がお送りする「燗酒」企画! 冷房や冷たいものの飲みすぎで体を冷やしがちな夏にこそ、飲んでいただきたいのが「燗酒」。他では決して味わえない、熱燗界のレジェンドの店をはじめ、都内中心に3店舗ご紹介。今年の夏はビールだけでなく、日本酒・燗酒を飲んでみてはいかがでしょうか。

夏なのに熱燗?! 暑い夏にこそ飲むべき「燗酒」のすすめ

「燗酒」ってどんなイメージ?

「燗酒」と聞くと、冬の寒い時期に飲むお酒、強いアルコール臭……そんなイメージが思い浮かぶかもしれません。しかし、実際は体を冷やしがちな夏だからこそ、体温に近い燗酒がオススメなのです。アルコールの吸収がはやく、二日酔いになりにくいとも言われています。熱燗を「日本酒を温めただけ」と思っているそこのあなた! 今回は、熱燗界に革命を起こした名店3店舗をご紹介します。

池尻大橋【えんじゃく、】

「お燗の魔術師」が繰り広げる魅惑のペアリング

    『岐阜県本巣より、鹿ヒレのロースト 3種のソース』1,400円×「竹雀」山廃純米酒 半合500円(ともに税抜)

    『岐阜県本巣より、鹿ヒレのロースト 3種のソース』1,400円×「竹雀」山廃純米酒 半合500円(ともに税抜)

「お燗の魔術師」との異名を持つ店主の髙木さんがつくる燗酒を求め、多くの日本酒ファンが訪れる【えんじゃく、】。カウンターが13席の落ち着いた店内には、「長珍」を中心に150本ほどの日本酒があり、飲み頃を待ち続け何十年も熟成をかけているものもあるそうです。

「こだわりはあるけれど、それを押し付けるつもりはない」と話す高木さんは、多くの人に日本酒を飲んでいただきたいとの想いから、初心者の方でも親しみやすい生酒を燗酒に使用しています。

『イチジクとブルーチーズのオーブン焼き』(下の写真)では、酸味が特徴の「長珍」をかけあわせています。フルーツの甘味やチーズのコクと相性が良く、旨味がよりたち、鼻からぬける香りは豊かです。

  • 『イチジクとブルーチーズのオーブン焼き』850円×「長珍」純米吟醸 無濾過生原酒 半合650 円(ともに税抜)。フルーツは季節によって変わり、冬は国産のキウイになります

  • チロリやとっくりを使い、その日本酒が一番おいしいと感じる温度帯へ持っていきます。髙木さん曰く、炊き立てのご飯のような香ばしい匂いがサインだそう

店主の髙木さんは、その人の飲むペースを考え、初めの一口から最後まで美味しく飲んでもらえるよう計算し、熱燗をつくっています。他のお店では味えない魔術師の世界を体験してみてはいかがでしょうか。

三軒茶屋【JOE’SMAN2号】

アップデートされた新感覚な熱燗

    『金目鯛のお刺身』800円(通常1200円)×『神雷レモンサワー』 780円(ともに税抜)

    『金目鯛のお刺身』800円(通常1200円)×『神雷レモンサワー』 780円(ともに税抜)

【JOE’SMAN2号】では、夏でも楽しめるユニークな燗酒がもりだくさん! 日本酒に出汁やフルーツ、はたまた違う銘柄を掛け合わせるなど新感覚な燗酒がいただけます。

『口内レモンサワー』(上の写真)は、燗酒の中にレモンの皮が入っており、燗酒を飲んだ後、すぐに炭酸水を続けて飲むと口の中でレモンサワーが完成するのです。柑橘のさわやかな香りと、シュワっとしたテイストが夏にぴったり。

そして、これで終わりでないのが【JOE’SMAN2号】。2品目は、一度燗酒にしたお酒を冷蔵庫で冷やし、その後どぶろくを混ぜ合わせた『クラフト燗』(下の写真)。果実酒のような甘味と酸味をもつ「伊根満開」を使用しているため、グレープフルーツのような味わいでナチュールワインに似ています。程よい甘さが洋風の風味を感じさせ、チーズとの相性がいいです。

  • 『穴子の串焼き』450円×『伊根満開 クラフト燗』 900円(ともに税抜)。穴子を備長炭で焼きながら、同時に下からチップで燻製にしています。皮を下にして食べることでパリっとした食感と表面のふわふわさが同時に楽しめるのが特徴です

  • 日本製のデキャンタ「BIRDY」を使用。目に見えないミクロの凸凹があり、素材本来の風味を活かしながら中和させていきます

<コース料金>
ペアリングフル6品6500円(料理6品+日本酒6品)、ペアリングハーフ4品4500円(料理4品+日本酒4品)共に税別、お通し450円

渋谷【燗酒Bar Gats】

お酒は食材で熱燗は調理

【燗酒BAR Gats】のドリンクは、なんと熱燗のみとユーモア溢れるスタイル。熱燗を「無敵の酒」と語る水原さんは、毎日日本酒と向き合い、その日美味しいと思う温度帯を決め、適正な保存状態、そして日本酒のポテンシャルを引き出す酒器選びにもこだわります。そのこだわりは、料理とのペアリングにも!

「食べたらすぐ追いかけてねえ~」と店主・水原さんの声を聞き、料理を一口、すかさずお酒を含むと口の中で違う味に変化をとげます。これこそ水原さんがつくりだす燗酒のおもしろさ。今まで飲んだことのない問答無用の美味しさを感じます。ぜひ、ここでしか味わえない熱燗ナイトを過ごしてみてください。

  • 『サラダ』×「にいだしぜんしゅ」にごり & 甘酒。味付けはされてなく、熱燗がドレッシング代わり。なめらかな舌触りがスッと体に溶け込みます。また、甘酒が持つ米の甘味と合わさることで、まるで生リゾットのような味わいになります

  • 『馬刺し』×「竹雀」純米火入れ 吟吹雪 24BY。馬刺しを食べる前に、しょうが醬油を一口食べ、そこに追い酒。これだけでペアリングが完成されるスゴ技。続けて馬刺しを食べると、熱燗の温かさで脂が口の中で溶け、お酒の変化が楽しめます

  • 『カレー』×「にいだしぜんしゅ」純米原酒。日本酒にシジミや乾燥えのき、ナッツを入れた「だしわり酒」。カレーと一緒に食べることで、「深川飯」ならぬ「深川カレー」に!

<コース料金>
1名様 10,000〜15,000円 予約&空席情報はお店のFacebookをご確認ください。貸切が人気です! 

この記事を作った人

福島 美歩(ヒトサラ編集部)

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