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更新日:2020.02.23食トレンド 旅グルメ

とびきりおいしい料理とワインを、沖縄で。|読谷村【reste en or(レスタンノール)】

沖縄県中部・読谷村にあるワインショップ【un deux trois(アンドゥトロワ)】。同店内で2019年11月からワインバー【reste en or (レスタンノール)】をスタート。都内の星付き店や有名店で修行してきた大佐古さんがシェフを務めます。

レスタンノールのビーツの甘鯛

和洋中の型にとらわれない「おいしい」料理とワイン

お店では、希望の予算にあわせたコースとアラカルトメニューを用意しています。グラスワインの他、抜栓料の1,000円を支払えば店内のボトルワインも選び放題。ワインショップだからこそできる良心的な価格設定と豊富なラインナップです。

コース料理は約5,000円から。価格は調整可能で、スイーツの有無も自由に選べます。この日はコースから2品、アラカルトから1品をいただきました。

    この日のコースの前菜は『ビーツのサラダ』。グラスワインは1杯800円〜

    この日のコースの前菜は『ビーツのサラダ』。グラスワインは1杯800円〜

『ビーツのサラダ』はコース料理の前菜。あざやかな輪切りのビーツは、生の状態からローストしたものと、塩漬けにして発酵させたものを組み合わせ、中には同じ2種のビーツにマグロの赤身、自家製のリコッタチーズ、ローストしたくるみを和えたものが隠れています。丸ごとローストしたビーツからは、サツマイモのような根菜特有のほくほくした食感があり、発酵させたビーツから感じる酸味、リコッタチーズとマグロの旨味が繋がっていきます。

    コース料理から『和牛としいたけ』

    コース料理から『和牛としいたけ』

『和牛としいたけ』はコースの肉料理です。原木しいたけを発酵させた椎茸と一番出汁で炊き、牛肉と共に焼き上げています。炭状にしたネギのパウダーと自家製の麹オイルを仕上げに。そのままでも旨味のあるしいたけですが、発酵させることで味わいがより強くなり、かつ独特の酸味が出ます。ネギ炭のパウダーは香ばしく、麹オイルは柔らかなお米のような香り。すき焼きとご飯を昇華させたような一皿でした。

    『甘鯛』2,400円(税別)

    『甘鯛』2,400円(税別)

アラカルトからは『甘鯛』。皮目だけをパリパリに仕上げた甘鯛に、焼きなすとトマト、赤玉ねぎのソースを合わせています。つけあわせの牡蠣には、自家製のドライトマトがひそんでいました。料理にあわせて材料を発酵させ旨味を引き出したり、『甘鯛』では「松笠焼き」と呼ばれる和食の技法を用いたりと、料理はノンジャンルです。

星付きレストランからノンジャンルの人気店を経て、沖縄へ

シェフは大佐古伊織さん。24歳とまだ若い彼が沖縄にやってきたのは、2019年の秋のこと。それまで都内の星付き店や人気店に務めていました。

    シェフの大佐古 伊織さん。取材は今回が初めてだそう

    シェフの大佐古 伊織さん。取材は今回が初めてだそう

高校を卒業後に専門学校へ入学。専門学生時代からフランス料理のおいしさと面白さにのめり込み、卒業後は1年間渡仏し、帰国してからは都内の星付きレストランにも務めました。

「料理は変わらず楽しかったけど、何がしたいのか分からなくなったんです。一度料理を休もうと思った。自然が好きだからという理由で、幼い頃に一度訪れたきりの沖縄に来ました」。そんな彼が辿り着いた場所が、読谷村のナチュラルワインショップ【un deux trois(アンドゥトロワ)】。

    店内のワイン棚には生産者の顔写真と、コメント。どれも愛情を持って取り扱っている

    店内のワイン棚には生産者の顔写真と、コメント。どれも愛情を持って取り扱っている

【un deux trois】のワイン販売業務に携わる中で、「料理ができるなら、食べてみたいな」とお客様の何気ない声から、予約制のワインバー【reste en or (レスタンノール)】が誕生しました。

    カウンターのすぐ向こうはキッチン

    カウンターのすぐ向こうはキッチン

2019年、世界10ヶ国以上で高級ミシュラン星付きレストランからローカルなお店までを食べ歩いた大佐古さん。その中で印象に残ったのは、ニューヨークにある地元民からも愛される人気ワインバー【Estela(エステラ)】と【the four horcemen(フォーフォースメン)】でした。

「型に囚われないおいしい料理があって、ワインリストは好きな人が選んだのが一眼でわかるような魅力的なランナップでした。それでいて、高級レストランの1/3から半分の価格で十分楽しめる。こういうお店が日本にはまだないなと。その時に得たニュアンスは今も意識しています」。

    トイレのドアもワイン型にしてしまうワイン愛

    トイレのドアもワイン型にしてしまうワイン愛

「自分と同じくらいの年代の人や年下の人たちに、もっと食とワインの楽しさを伝えたい。それが今の僕ができることだと思ったんです。10代の頃は、星を取ることやコンクールで賞を取ることが目標でしたが、今はただただ、おいしいものを作りたい。食べたひとに喜んでほしい。自分ができることを惜しみなく注ぎ込んでおいしい料理を作りたいと思っています。」

    スイーツ担当のパティシエール、加藤サキさんの作るお菓子。お店では週末限定で焼き菓子を販売する

    スイーツ担当のパティシエール、加藤サキさんの作るお菓子。お店では週末限定で焼き菓子を販売する

ちなみに、スイーツはワインショップのオーナー・加藤陵さんの奥様、加藤サキさんが担当しており、これまた絶品で食べ逃せません。せっかくですからオーナーが厳選したナチュラルワインとご一緒に! 数あるナチュラルワインから、あなたにぴったりの一本を選んでくれますよ。

ワインショップ【un deux trois(アンドゥトロワ)】に生まれた、ワインバー【reste en or (レスタンノール)】。席はカウンターのみ。予約制だからと気張らず、お気軽にどうぞ。

この記事を作った人

取材・文/嘉手川瑞姫

沖縄在住フードライター。チョコレートのためならどこへでも行く。沖縄を中心に関東・関西のレストランも取材。

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