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2016.10.19グルメラボ

食と器の美味しい関係

私たち人間にとって「食」はとても大事なものです。それゆえ「食」を彩ってくれる「食器」も多種多様に存在しますが、普段私たちが何気なく使用している「食器」はなぜそんな形になっているのでしょうか? そこには先人たちの膨大な試行錯誤の結果があったのです。

綺麗なだけじゃない銀食器の効果

 現代でこそ、庶民の私たちでも使うことのできる銀食器ですが、中世には一握りの貴族などのみが使う高級品でした。でも彼らにとって銀食器は裕福さのシンボル以上の意味があったのです。

 それは毒殺の予防策。銀は硫黄などの化学物質に触れると黒く変色します。この性質を利用してヒ素などの毒薬が料理に交じっていないかどうかを判断していました。他にも銀には殺菌作用もあり、食中毒予防などにも役立っていたそうです。

人類の試行錯誤が生んだフォークの形

 洋食をいただくときに使用するナイフとフォーク。このフォークが現代と同じ形になるには2000年もの時間を要したと考えられています。

 古代ギリシャの時代、フォークには歯が2本しかなく、物をナイフで切るときに押さえつけるためだけの道具として使われていました。中世ヨーロッパにおいては歯が3本に増え、食べ物を口に運ぶための用途にも使われるように。そして18世紀にはスパゲッティをきれいに食べるために、4本の歯を備えた現代の形とほぼ同じような物が生み出されるに至ったのです。

 近年においても、より食材を保持しやすいように歯を弓なりにしたり、フォークだけでデザートを切って食べられるように外側の歯を厚くナイフのようにしたりと、用途に合わせて多様に進化し続けています。

グラスが変わればお酒の味も変わる

 たまにはバーで一杯そんな気持ちで入ったお店のカウンターに並んだ多種多様なグラスの数々。こんなにいろいろな形のグラスを揃えなきゃいけないの?なんて思う方もいるかもしれません。でも、その多様なグラスの形がお酒の味を引き立てる役割を果たしているのです。

 グラスは大きく分けて「平底グラス」と「ステム(脚つき)グラス」の二種類があります。さらに「飲み口の広さ」、「ボディの形状・長さ」、「容量の大きさ」などが変化することでグラスの持つ機能、ひいては合うお酒も変わってきます。

 例えば、炭酸系のお酒なら「飲み口が狭くてボディが細長い平底グラス」で炭酸を長持ちさせたり、ブランデーやワインなら「飲み口の狭まった丸みを帯びたボ ディのステムグラス」でより香りを楽しむことができるようになります。

 素敵なレストランの料理でも使い捨ての紙器に載っていてはおいしさも半減してしまいますし、バーベキューをしている時に由緒正しい名器を渡されても落ち着きません。時代と食文化に合わせて、料理の味を引き立てたり、食の安全を守るために進化してきた『食器』たち。適材適所の食器選びで、美味しい食事をより美味しくいただきましょう。

この記事を作った人

フジオカソウ(B-Rock)