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更新日:2024.10.21食トレンド

美しく清らかな四川料理に魅了される【中国菜 ARATA】人形町

2024年1月にオープンした【中国菜 ARATA】。あの麻布十番の人気店【飄香(ピャオシャン)】で副料理長を務めた中園さんによる四川料理店がオープンしたとグルマンの間で話題を呼びました。四川料理の刺激のなかにある、中園さんのお人柄が反映されているかのような優しく清らかな味わいをご紹介します。

中国菜ARATA

    中国菜ARATA

    人形町駅はもちろん、三越前駅からも徒歩圏内の好アクセス

人形町駅より徒歩2分、大通り沿いを歩いていると暖かい灯りが目に入ります。店内はモダンな印象もありながら木を基調とした空間づくりで、とても居心地がいいです。

    中国菜ARATA

    基本的にはおまかせのコース料理を提供していますが、アラカルトでオーダーできる日もあるそう。SNSをチェックしておきたい

店主の中園さんは中華料理一筋20年で、前職では【飄香】で副料理長を務めたキャリアの持ち主ですが、それを表に出さない穏やかで暖かみのある接客がとても心地よく感じました。今回はオーソドックスなディナーコース『天府』8,800円をオーダー。どんな四川料理が出てくるのか楽しみです。

アミューズ

    中国菜ARATA

    アミューズはココナッツ風味のお粥。食事の前に内臓から温まるのが嬉しいです。中には石川小芋という里芋が。お米の甘みだけをグッと引き出したかのような甘みが広がります

季節の前菜盛り合わせ

    中国菜ARATA

    続いて魅力的な前菜が並びます。インパクトのある右下の大きな落花生は千葉県産の「おおまさり」。陳皮や八角、シナモン、山椒などの香辛料が効いています。そこから反時計回りに、いちじくを敷いた秋刀魚の燻製、花咲クラゲの赤酢ソース、徳島県産阿波尾鶏のよだれどり、ガツの生姜ソース。どれもワインが進みます

『スペアリブの蒸しスープ』

    中国菜ARATA

    続いて養生スープ。中には豚のスペアリブ、冬瓜、しいたけが入っています。透明感のあるスープで、五臓六腑まで冴え渡るよう

『海老と絹笠茸の翡翠炒め』

    中国菜ARATA

    海老に絹笠茸、野菜にはレンコン、銀杏、オクラ。夏から秋への移ろいを感じさせます。ぷりっぷりの海老やシャキシャキのレンコンなど食感にコントラストがあり、絶妙な塩味がありながらも生姜が香るので食後感はさっぱり

旬のお野菜料理

    中国菜ARATA

    野菜料理は中央に白茄子、上は甘長とうがらし。ソースも発酵唐辛子でつくられています。唐辛子がたくさん入っているので辛そうに見えますがちょうどいい塩梅で、野菜そのものの甘みや発酵の旨みを存分に感じさせる味わい。とても清らかです

『ラム肉の回鍋肉』

    中国菜ARATA

    お口直しにライチのグラニテを挟み、ホイコーローがやってきます。付け合わせの野菜はカボチャ、にんじん、葉ニンニク。なんとこれで食事は最後……! どの料理も強すぎず、奥行きを感じさせる味わいなのに加えてサーブのテンポ感もよいので、お腹は着実に満たされているのに「もっと食べたい」と思わされる手腕が見事です

『四川黒チャーハン』1,100円

    中国菜ARATA

    名残惜しいと思っていたところに、〆の追加オーダーをリクエストできるとのこと(分かっています……!)。担々麺や麻婆豆腐も魅力的だったのですが、炒飯をオーダーしました。味付けはたまり醤油をベースに、中には四川の漬物「芽菜(ヤーツァイ)」、ひき肉、葉ニンニク、ネギ。仕上げに唐辛子を焦がして香りづけの一手間を加えています

デザート

    中国菜ARATA

    デザートは『白きくらげのコンポート』。一口で秋の訪れを告げた金木犀の香り、味付けはレモンと生姜で爽やかかつ華やかな印象のデザートです。

中華料理は他の料理と比べて直線的な味を想像させますが同店の料理はどこか清らかで丸みを帯びていて、でも決して媚びているわけではない、唯一無二の味わいでした。日々の疲れを忘れさせてくれるお店です。

この記事を作った人

宿坊アカリ

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