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更新日:2017.06.09健康美食

スーパーホルモンの源「副腎」を元気にする食事術 vol.3:レインボーダイエットで体の酸化を防ぐ

50種類以上のホルモンを生産・分泌し、健康の要となる「副腎」。近年の研究で、様々な疾患の治療はまず副腎をケアすることから始めることが効果的だと判明しています。日本での第一人者でもある本間良子先生に、この副腎を元気にする食事法について教えてもらいました。

スーパーホルモンの源「副腎」を元気にする食事術 vol.3:レインボーダイエットで体の酸化を防ぐ

疲弊した副腎を再生するには、ビタミンB群とファイトケミカルが重要

ビタミンB群とファイトケミカルで副腎を再生

 副腎がストレスで疲弊しているときは、体内のビタミンB群が枯渇状態にあります。というのは、副腎がストレスに対処するホルモンを生産するときに、ビタミンB群がその生産回路の要所、要所で不可欠になってくるからです。
 ビタミンB群には、豚肉、玄米、大豆に多いビタミンB1、貝類に豊富なB12、青菜類に含まれる葉酸など、8種類あります。
 ウナギ、鶏肉、肉レバー、青魚、タラコ、カツオなどにもB群は豊富です。B群のビタミンはお互いに協力関係を保ちながら、さまざまな物質の代謝に関わっているので、日常的に摂って副腎をいたわるようにしましょう。

  • 疲れた副腎を再生させる「ファイトケミカル」という抗酸化物質は、お茶にもふくまれます

    疲れた副腎を再生させる「ファイトケミカル」という抗酸化物質は、お茶にもふくまれます

  • トマトのリコピンも、第7の栄養素ともいわれる「ファイトケミカル」のひとつです

    トマトのリコピンも、第7の栄養素ともいわれる「ファイトケミカル」のひとつです

 疲れた副腎を再生させるために、さらに摂りいれたいのが「ファイトケミカル」という抗酸化物質です。
 野菜や果物の色素や香り、甘味や苦味などに含まれる植物由来の天然の化学物質のことで、体内で強力な抗酸化作用を発揮します。タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維に次ぐ、第7の栄養素ともいわれています。
 たとえば、お茶に含まれるカテキン、トマトのリコピン、トウモロコシのルティン、モロヘイヤのクロロフィル、ナスのアントシアニン、ネギの硫化アリルなどがファイトケミカルです。

日々の食卓をカラフルに彩る

 体の中でエネルギーが生産される過程で、活性酸素などの「フリーラジカル」という体を酸化させる物質が必然的に発生してしまいます。副腎が元気なら、フリーラジカルによって生じる炎症をコルチゾール・ホルモンが抑えてくれます。
 しかし、副腎の機能が衰えていると、炎症を消すことができず、炎症は脳にまで飛び火してしまうこともあります。
 このような悪さをするフリーラジカルを封じ込めてくれるのが、ファイトケミカルなのです。
 ファイトケミカルは副腎疲労を改善するだけでなく、アレルギー、高血圧、血糖の調整、肝機能の保護など、さまざまな優れた効果があります。

    虹のようにカラフルな食材が並べば、自ずと不足しがちな微量栄養素がまんべんなく摂れます

    虹のようにカラフルな食材が並べば、自ずと不足しがちな微量栄養素がまんべんなく摂れます

 アメリカのアンチエイジング医療の第一人者である、エリック・ブレイバーマン博士は、多種多様のファイトケミカルを摂る「レインボーダイエット」を提唱しています。
 食卓に虹のようにカラフルな食材が並べば、自ずとビタミン、ミネラル、ファイトケミカルといった不足しがちな微量栄養素をまんべんなく摂れるというわけです。日々の食卓に多彩な色が並ぶように、料理の腕を振るってみてください。

この連載の講師:本間良子(ほんま りょうこ)先生

    スクエアクリニック院長。<br />
 スクエアクリニック院長。<br />
 聖マリアンナ医科大学医学部卒。アドレナル・ファティーグ(副腎疲労)の提唱者、ジェームズ・L・ウィルソン博士に師事。副腎疲労の夫をサポートした経験から、副院長の夫・本間龍介氏(写真右)と共に日本初の副腎疲労外来を設置。家庭医として従事する一方、抗加齢医学外来、副腎疲労外来で治療効果を上げている。近年はホルモン補充療法、ブレインマネージメントまで診療の幅を広げる。現在、南フロリダ大学大学院にて医療栄養学を専攻。二児の母親でもある。<br />
 著書『しつこい疲れは副腎疲労が原因だった』(本間龍介監修、祥伝社黄金文庫)がロングセラーに。最新刊の『心と脳の不調は副腎ケアで整える』(本間龍介との共著、祥伝社黄金文庫)では、「うつ」「認知症状」「発達障害」に効く副腎ホルモンのパワーを紹介。<br />
 日本抗加齢医学会専門医、米国抗加齢医学会フェロー、日本医師会認定産業医、日本内科学会会員。<br />
 著書『しつこい疲れは副腎疲労が原因だった』(本間龍介監修、祥伝社黄金文庫)がロングセラーに。最新刊の『心と脳の不調は副腎ケアで整える』(本間龍介との共著、祥伝社黄金文庫)では、「うつ」「認知症状」「発達障害」に効く副腎ホルモンのパワーを紹介。<br />
 日本抗加齢医学会専門医、米国抗加齢医学会フェロー、日本医師会認定産業医、日本内科学会会員。

    スクエアクリニック院長。
     スクエアクリニック院長。
     聖マリアンナ医科大学医学部卒。アドレナル・ファティーグ(副腎疲労)の提唱者、ジェームズ・L・ウィルソン博士に師事。副腎疲労の夫をサポートした経験から、副院長の夫・本間龍介氏(写真右)と共に日本初の副腎疲労外来を設置。家庭医として従事する一方、抗加齢医学外来、副腎疲労外来で治療効果を上げている。近年はホルモン補充療法、ブレインマネージメントまで診療の幅を広げる。現在、南フロリダ大学大学院にて医療栄養学を専攻。二児の母親でもある。
     著書『しつこい疲れは副腎疲労が原因だった』(本間龍介監修、祥伝社黄金文庫)がロングセラーに。最新刊の『心と脳の不調は副腎ケアで整える』(本間龍介との共著、祥伝社黄金文庫)では、「うつ」「認知症状」「発達障害」に効く副腎ホルモンのパワーを紹介。
     日本抗加齢医学会専門医、米国抗加齢医学会フェロー、日本医師会認定産業医、日本内科学会会員。
     著書『しつこい疲れは副腎疲労が原因だった』(本間龍介監修、祥伝社黄金文庫)がロングセラーに。最新刊の『心と脳の不調は副腎ケアで整える』(本間龍介との共著、祥伝社黄金文庫)では、「うつ」「認知症状」「発達障害」に効く副腎ホルモンのパワーを紹介。
     日本抗加齢医学会専門医、米国抗加齢医学会フェロー、日本医師会認定産業医、日本内科学会会員。

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この記事を作った人

構成・文:種田桂子(イシス)

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