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フィリピン・マニラの注目店|アジア最優秀女性シェフが新たな境地に立った【Grace Park】

フィリピンで13店を展開する【Cibo】のシェフ・マルガリータ・フォレス氏といえば、2016年の「アジアのベストレストラン」で最優秀女性シェフの称号を与えられた方。そんなフォレス氏が手がける別形態レストラン【Grace Park】を取材しました。

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自分の情熱を試すべく渡伊。現地で学んだマンマの味

 シェフ、マルガリータ・フォレス氏の経歴は少し変わっています。

 幼い頃から食べることが好きだったフォレス氏は、11歳からの15年間をニューヨークで過ごし、最先端の食に触れてきたと言います。そして、自身がイタリアのアパレルブランドに勤めていたこともあり、やがて食の興味は自然とイタリア料理へと向けられるようになりました。

趣味でつくっていた料理への情熱は、「果たして本物か?」という気持ちが徐々に膨らむように。そんな自分自身の思いを試すため、フォレス氏はイタリアへ渡ることになったのです。

    シェフのマルガリータ・フォレス氏。レストラン経営のほか、ケータリングのサービスなども展開

 ただ、イタリアで学んだのは、有名調理学校や有名レストランではありませんでした。フォレス氏が選んだのは、イタリア人のマンマが教える料理学校。

フォレス氏に聞くと「わたしには4人の母親がいるんです」と笑うのですが、その真意はまさにイタリアで料理を教えてくれたマンマが3人いたことにあります。それほどまでに、彼女にとってのイタリア修業は大きな財産となったのです。

    巨大ショッピングモール、ロックウェル内にある店。店内はレストランというよりダイニングの趣き

2度の大病が、やがてフィリピンの食そのものに目を向けさせた

 フィリピンへ帰国後、フォレス氏は【Cibo】を開くと、イタリアの家庭の味と良心的な価格、そして大箱レストランという形態で瞬く間に人気店となり、現在ではフィリピンで13店を展開するまでに成長しました。

しかし、順風満帆な仕事の一方で、フォレス氏は2度の大病を患ったのです。そのことがフォレス氏の料理人としての考え方を変えました。

    蟹味噌の旨味にカラマンシーの酸味が心地よい。巨大な川エビにフィリピンの食材の豊かさがうかがい知れる

 健康や安心を考え、食材としっかり向き合うようになり、フィリピンの豊かな食材、食文化に着眼するようになったのです。こうしてオープンしたのがこの【Grace Park】。フィリピンの料理と食材、イタリアンをかけあわせた、ハイブリットなレストランです。

イタリア×フィリピンのハイブリッドキュイジーヌ

 フィリピン産の大きな川エビとトマトを使ったシンプルなひと皿は、まさにイタリアンの真骨頂。カニ味噌やバターとにんにく、カラマンシーを加え酸味を出したソースでフィリピン料理らしさも演出しています。

直径10cm、5フィート以上ある巨大なウナギを使った料理は、ココナッツミルクと生姜、グリーンチリを使いつつ、こちらもバッドワンという果物で酸味を加え、フィリピンらしさを全面に打ち出しています。

    巨大な鰻もフィリピン産。太りに太った身は、ホロっと崩れるように柔らかく煮込まれている

 このハイブリットな試みこそフォレス氏が「アジアのベストレストラン50」で最優秀女性シェフに選ばれた理由でもあります。気取らず楽しめるダイニングのような雰囲気も、イタリアのマンマ譲りのもてなしも、フィリピンとイタリアのハイブリットかもしれません。

Chef's profile:マルガリータ・フォレス

  • フィリピン・ネグロス島出身。イタリアで修業後、フィリピンではケータリング事業などを行う傍ら、【Cibo】をオープン。2016年の「アジアのベストレストラン50」では最優秀女性シェフに選出された。

【Grace Park】

電話:+63 2 843 7275
住所:1/F One Rockwell Drive, Makati, 1200 Metro Manila
営業:[月~木]11:00~22:00、[金~日]7:00~23:00
休日:不定休

この記事を作った人

撮影/鈴木拓也 取材・文/吉田慎治

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