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更新日:2018.05.30食トレンド

真木よう子 インタビュー『焼肉ドラゴン』-本当の家族のような連帯感を育んだ映画。テッパン差し入れもご紹介!

1970年、関西の地方都市にある小さな焼肉屋「焼肉ドラゴン」を営む在日韓国人一家の日々を描いた本作。数多くの演劇賞を総なめした鄭義信監督の舞台を映画化するにあたり、韓国の映画界を代表する名優と日本の実力者俳優が勢揃い! 主演である真木よう子さんに、映画の魅力を伺いました。

真木よう子 インタビュー『焼肉ドラゴン』-本当の家族のような連帯感を育んだ映画。テッパン差し入れもご紹介!

2008年、数多くの演劇賞を総なめした鄭義信監督原作の舞台『焼肉ドラゴン』。自身の舞台を映画化するにあたり、3姉妹に真木よう子、井上真央、桜庭ななみ、そして両親役には韓国の名優キム・サンホ、イ・ジョンウンが名を連ねます。舞台は万国博覧会が催された1970年、高度経済成長期真っ只中の関西の地方都市の一角で、焼肉屋「焼肉ドラゴン」を営む在日韓国人一家が主人公。時代の波に翻弄されながらも、泣いて笑って、力強く生きる家族の物語です。

Interview

「アボジの奥さんがつくってくれた韓国家庭料理がおいしかったです」

───笑いや楽しい物語だけでなく、辛く悲しい現実も突きつけられ、涙なしには観られませんでした。試写会でもすすり泣きがたくさん聞こえてきまして……。

真木よう子(以下、真木):私も初めにDVDで舞台の『焼肉ドラゴン』を拝見して、その素晴らしさに圧倒されました。出演のお話をいただいた時に、監督やプロデューサーから「国籍云々の問題ではなく、どういう状況下に置かれていても家族は笑ったりぶつかったりできる存在。絆は簡単に壊されるものではないということを伝える、前向きな映画にしたい」と言われました。その言葉に共感し、一緒に作品を作りたいと思いました。

───パンフレットにも抱きしめあったり、肩を組んだり、とびっきり笑顔のまるで家族写真のようなスタッフ集合写真が載っていたのが印象的でした。現場はどのような雰囲気でしたか?

真木:現場でも家族のような雰囲気でしたね。焼肉屋とその集落がセットに作ってあって、毎日そこで撮影をしていたので連帯感がとても強くなりました。みんな本当の家族のようでしたね。撮影終盤には、撮影が終わるのが寂しくて母役のイ・ジョンウンさんのところへ行って抱きしめてもらったり、いいこいいこしてもらったり(笑)、実際は若くて綺麗な方なんですが役になりきってくれて、本当のお母さんみたいでした。あたたかいキャストの人たちに囲まれた現場でしたね。

───本当の家族のようになっていく上で、大事にしていたことは?

真木:この作品は、韓国の俳優と日本の俳優が入り混じった現場でした。言語の壁がある分、きちんと自分の気持ちを伝えようと、私だけじゃなく全員が意識的にコミュニケーションを図るようにしていましたね。そういう“いい雰囲気”があったおかげで、「もっと知りたい」「もっと仲良くなりたい」と、ひとりひとりが思いはじめて、そこで家族として、ひとりの人間としての絆が生まれたと思います。

───どのようなコミュニケーションを図られていたんですか?

真木:国籍や言語の違いは関係なく、その人となりを知るためにコミュニケーションを図るようにしていました。優しくて、素敵な方ばかりだったので、お互いに「自分がしてもらったら嬉しいだろうな」ということを意識しながら動いていたと思います。

───焼肉屋が舞台の作品ですが、キャストのみなさんで一緒に食事に行かれたことはあったのですか?

真木:ありましたね。父役のキム・サンホさんがお酒とごはんが大好きだったので、頻繁にみんなをごはんに誘ってくれました。でも、アボジ(韓国語で父/キム・サンホ)は次の日が撮影の時もお構いなしにたくさん呑むので、そういう時は私が「アボジ、ダメですよ!」って、止めることもありましたね(笑)。芝居以外でも長女みたいになっちゃいました。

───真木さんが思い出す、家庭の味はありますか?

真木:うーん……、おにぎりがおいしかったですね。愛情がこもっていて、今も思い出す味です。現場で思い出深いのは、アボジが韓国から家族を連れてきていて、奥さんの手料理で韓国家庭料理をいただいたのですが、それがすごくおいしかったです。

テッパン! 差し入れ品

ハードな撮影現場で喜ばれる差し入れ。真木さんがお気に入りの差し入れ品を教えていただきました!

オザワ洋菓子店の『イチゴシャンデ』

    『イチゴシャンデ』小サイズ200円、大サイズ230円(すべて税込)※写真は大サイズ

    『イチゴシャンデ』小サイズ200円、大サイズ230円(すべて税込)※写真は大サイズ

いちごが一粒まるごとチョコレートでコーティングされていて、土台のサクサクとしたクッキーもおいしい、【オザワ洋菓子店】の『イチゴシャンデ』がオススメです。マネージャーが見つけて現場に差し入れしたのですが、自分がハマって食べてしまって(笑)。もう一度差し入れしようと試みたのですが人気で手に入りませんでした。また食べたいです。

【オザワ洋菓子店】
電話:03-3815-9554
住所:東京都文京区本郷3-22-9
営業時間:[月~金]9:40~19:30、[土]9:40~18:30
定休日:日曜、祝日

『焼肉ドラゴン』

    (C)2018「焼肉ドラゴン」製作委員会

    (C)2018「焼肉ドラゴン」製作委員会

万国博覧会が催された1970(昭和45)年。高度経済成長に浮かれる時代の片隅。関西の地方都市の一角で、ちいさな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営む亭主・龍吉と妻・英順は、静花(真木よう子)、梨花(井上真央)、美花(桜庭ななみ)の三姉妹と一人息子・時生の6人暮らし。失くした故郷、戦争で奪われた左腕……。つらい過去は決して消えないけれど、“たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる―”それが龍吉のいつもの口癖だ。そして店の中は、静花の幼馴染・哲男(大泉洋)など騒がしい常連客たちでいつも賑わい、ささいなことで泣いたり、笑ったりー。そんな何が起きても強い絆で結ばれた「焼肉ドラゴン」にも、次第に時代の波が押し寄せてくるのだった。

  • 『焼肉ドラゴン』
    2018年6月22日より全国劇場にて公開
    真木よう子 井上真央 大泉洋 
    桜庭ななみ イ・ジョンウン キム・サンホ
    原作:戯曲「焼肉ドラゴン」(作:鄭 義信) 
    脚本・監督:鄭 義信
    (C)2018「焼肉ドラゴン」製作委員会

『焼肉ドラゴン』予告

この記事を作った人

撮影/今井裕治 取材・文/羽佐田瑶子

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