更新日:2018.06.14食トレンド
世界トップレベルのシェフに聞く、マイベストレストラン in 東京
国境を越えたシェフ同士のコラボやポップアップ、移転や出店など、「ボーダレス」という言葉は世界のレストランシーンにも広がりを見せています。そうした流れもあり、日本に定期的に訪れる海外のシェフも少なくありません。となれば、当然レストランで食事をするだろう……。ということで、世界を賑わすトップレベルのシェフたちに東京でお気に入りの店を取材しました。
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世界で愛され、数々の偉業を成し遂げる稀代の天才シェフ
2017年、世界No.1の称号を手にしたNYのシェフ
さらに深く、進化したペルー料理を発信する南米No.1シェフ
楽しさと驚きにかけて右に出る店はない、アジアNo.1シェフ
世界で愛され、数々の偉業を成し遂げる稀代の天才シェフ
【ジョエル・ロブション】
ジョエル・ロブション氏
“世界のシェフ”といえば、誰しも最初に名前を挙げるのではないでしょうか? それほどに有名であり、フランス料理業界につねに革新をもたらしてきたのが、“フレンチの皇帝”の異名をもつジョエル・ロブション氏です。2018年現在、世界11カ国に20以上のレストランを展開し、獲得しているミシュランスターの合計数は、他の追随を許さない31個。
東京にも恵比寿【ガストロノミー・ジョエル・ロブション】はじめ、3店のレストランを持ち、頻繁に日本にも来るというジョエル・ロブション氏。そんな“稀代の天才シェフ”が良いと感じた、東京のお店を挙げていただきました。
「じつを言うと、東京に来るたび仕事の方に【すきやばし次郎】さんにお連れいただき、それ以外はあまり食事をすることがないのですが、それでも良いと思ったお店を少しだけ紹介します」
【燻(くん)】(創作和食/赤坂)燻製をテーマにした料理とお酒のペアリング。雰囲気も楽しいし、素材もいいですよね。
【鳥よし 西麻布店】(焼鳥/西麻布)オフの時間に訪れるのは、こういうラフでシンプルなお店がいいですね。
【SUGALABO】(フレンチ/神谷町)私が育てた須賀さんの店。駆け出しの頃から知ってますので息子や孫のように思っています。
2017年、世界一の称号を手にしたNYのシェフ
【イレブン・マディソン・パーク】
ダニエル・ハム氏
世界中から名を成そうというシェフが集まり、先鋭的なレストランが生まれ続ける場所・ニューヨーク。そんな世界最高峰のグルメシティの中にあって、あらゆるレストランの格付けで高評価を獲得、さらに2017年には「世界のベストレストラン50」でNo.1の栄冠に輝いたのが、【イレブン・マディソン・パーク】です。
スイス出身のダニエル・ハムシェフがつくるのは、その華麗な盛り付け、緻密な味わいもさることながら、工夫に富んだプレゼンテーションで、ゲストを楽しませるクリエイティブな料理。コースの始まりとともに、即座にゲストを非日常体験へと連れていきます。
そんなダニエル・ハム氏に東京のお気に入りのお店を聞いたところ、自店と同じようにクリエイティブなレストランの名を挙げるのかと思いきや、意外にも和の職人や日本の食文化がしっかりと感じられる店ばかりを紹介してくれました。
「日本にある昔ながらの専門店が好きで、職人の仕事と技に惹かれます」
自分が行った鮨屋で、最良の一つと断言できます。鮮烈なネタ、それを信じられないくらいのこだわりと丁寧な仕事で仕上げています。
【はし本】(鰻/江戸川橋)昔ながらの専門店、ここも例外ではありません。白いご飯のベッドの上に炭火焼の鰻を乗せた鰻重がメインで、鰻を一心に焼く職人技は特筆すべきものがあります。
【とうふ屋うかい 東京芝店】(豆腐会席/芝公園)
このレストランがもつ「日本本来の空気感」に非常に感銘を受けました。店を囲む庭にいたるまでそれを感じます。自家製豆腐で構成されるおまかせコースは素晴らしく、その技法、食感、温度からはシェフにとっては多くの学びが得られるでしょう。
さらに深く、進化したペルー料理を発信する南米No.1シェフ
【セントラル】
ヴィルジリオ・マルティネス氏
ここ数年、東京のレストランシーンでも美食として語られることの多かった国の料理の一つに、“ペルー料理”があります。
ヴィルジリオ・マルティネスシェフがいるレストラン【セントラル】もまた、ペルーのリマから世界に向け、新世代の美食としてのペルー料理を提案する新鋭のレストランです。先の2017年「世界のベストレストラン50」においては5位。それはすなわち、南米エリアでNo.1のレストランであることを意味します。
すべてペルー産の食材を使用してつくられている彼の料理は、面白いことに、使われている食材があった場所の高度(海抜-10mから約4000mのものまで)がわかるように提供されます。
それは、ペルーの大地が育んだ生物多様性を表し、食卓にペルー各地の風景を映し出すかのようです。
シェフ自身、食材に対する情熱を持ち、ペルーの各地を訪れてその起源を探っています。そんな研究熱心なシェフだけに、やはり東京のレストランのなかでも、自身の料理を追求し続ける姿勢のシェフがいるレストランに魅かれているようです。
(鮨/水天宮前)
日本の伝統を受け継ぐ職人の技から生まれる鮨やつまみの数々。純粋に味、風味、技法と伝統が素晴らしい。
【日本料理 龍吟】(日本料理/六本木)この店から感じる妥協のない姿勢、技法に感銘を受けます。
【NARISAWA】(イノベーティブ/青山一丁目)
彼らの料理に対する哲学的こだわり、そして料理そのものの純粋さと美しさが好きです。
楽しさと驚きにかけて右に出る者はいない、アジアNo.1シェフ
【ガガン】
ガガン・アナンド氏
「アジア・ベストレストラン50」で4年連続のNo.1を獲得するタイ・バンコクのレストラン【ガガン】。小さな料理の一つ一つに驚きを込めるシェフ、ガガン・アナンド氏の手法は、シェフがかつて研鑽を積んだという【エル・ブジ】のそれを彷彿とさせます。
「EXPERIENCE(=体験)」と名付けられた20品以上にもなるコースでは、シェフの出身であるインドの料理のテイストを仄かに感じさせながら、圧巻のテクニック、発想力で続けざまにゲストに驚きを届けます。
また、コースの中でも「Red Matcha」という抹茶を意識した料理が登場するなど、いくつかの料理に日本料理から強く影響を受けていることがうかがえます。日本のシェフとのコラボレーションも積極的に行っているそう。
そんな日本びいきのガガン・アナンドシェフがお気に入りだという東京のレストラン。今回は、オススメする理由までを聞くことはできませんでしたが、店名のみ載せたいと思います。
(鰻/東麻布)
海外のシェフが刺激を受けるのは、
“日本”を感じさせるレストラン
4人のトップシェフから挙がったレストランをあらためて眺めてみると、“日本”という国の食文化が感じられるお店が多いことに気づきます。
それは単に、鮨や鰻など昔ながらの日本の料理を出す店、という訳ではありません。現代的でクリエイティブな料理であっても、そこに自国のアイデンティティがちゃんと込めてられいるかどうか。それこそが重要なポイントになっているようです。
“日本”ならではの味わいや雰囲気に、世界のトップシェフたちは一体どんな魅力を感じたのか。ぜひ実際に店に訪れて確かめてみてください。
ヒトサラ編集部
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