軽やかで滋味深い、南イタリア・プーリア料理を味わえる注目店|麹町【トラットリア ピエトラ ビアンカ】
2020年1月にオープンした【トラットリア ピエトラ ビアンカ】では、プーリア州に魅せられた本間道夫シェフによる南イタリア料理が堪能できます。瑞々しい野菜、鮮度抜群の魚介……選りすぐりの素材をシンプルに仕上げたメニューをとことん味わうならこちらへ!
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彩り豊かな有機野菜をたっぷり!が嬉しい
本マグロは、名店御用達の仲卸「やま幸」から
プーリアの食卓を体感するワインとオリーブオイル
自宅でも楽しめるテイクアウト情報
麹町駅から徒歩3分、日テレ通り沿いにあるビルの2F。ガラスの扉を開けると、アーチ型の天井が印象的な空間が迎えてくれます。隠れ家のような落ち着いた雰囲気に、オフホワイトの壁面とナチュラルな木材が温かみをもたらしています。キッチンから伝わる音や香りに食欲をそそられつつ、テーブルにつくと大きな黒板が登場。記されたメニューの数々に目移りすること必至です!
プーリア州の伝統的な石造り住居〝トゥルッリ〟をモチーフにしたインテリア
8名用の個室もあり、気の置けない友人や同僚とのひとときに最適
彩り豊かな有機野菜をたっぷり!が嬉しい
『プーリアのソウルフード〝プレディファーベ〟有機野菜と一緒に』1,700円(税抜)
まずオーダーしたいのは、季節野菜をふんだんにつかった前菜。
色鮮やかなビーツ、滋味あふれる島にんじん、南イタリアでポピュラーな葉野菜のフリアリエッリなどなど、盛り込まれた野菜は10種類以上も! それぞれの個性を引き出すべく、生のままだったり、茹で上げたり、炭火でグリルしたり、と異なる調理をしています。一つ一つをじっくり噛み締めると、甘みやほろ苦さ、香り、食感が際立ち、なんとも楽しい一皿です。
中央のピューレは、プーリア州の郷土料理“プレディファーベ”。乾燥そら豆にオリーブオイルと塩を加えて茹でたもので、素朴ながらしみじみと優しい味わいです。
現地ではクタクタに煮た青菜とともに食べるのが定番だそうですが、「それではつまらないから」と彩り豊かな野菜たちと華やぐ一品に昇華させた本間シェフ。
『スパゲティキタッラ サンジョヴァンニ風』1,500円(税抜)
パスタも、郷土料理の骨太さと素材の存在感が生きたものばかり。もっちりとした食感のキタッラによく絡んだソースは、玉ねぎやアンチョビ、ケッパーなどを加えたトマトベース。イタリアではフレッシュトマトだけでつくられるのが一般的なところ、コクのあるトマトソースもつかい、奥行きある味わいに仕上げたのがシェフの技です。
週2回ほど、野菜農家 「キレド」から直送される泥付き野菜
新鮮で良質な野菜は、こちらの自慢の一つ。主力となっているのは、千葉県四街道市の農家「キレド」から届く有機野菜。葉の虫食い穴が物語るように、無農薬で育てられています。世界各地の野菜を年間150種類以上も生産しているため、あまり目にすることがない珍しいものがたくさん。ほかにも、長野県「藤井農園」や埼玉県「さいたまヨーロッパ野菜研究会」など、栽培方法や品種にこだわった生産者から仕入れています。バラエティーに富んだ旬野菜には、初めて出会うものがきっとあるはず。
本マグロは、名店御用達の仲卸「やま幸」から
『豊洲やま幸の本気に美味しい本マグロの炭火焼き』2,600円(税抜)
もう一つの自慢は本マグロ。鮨の名店をはじめとする、腕利きの料理人が支持するマグロ専門仲卸「やま幸」から仕入れたものです。クオリティは日本一、ひいては世界一とも評される「やま幸」のマグロの中でも、尻尾に近い部分をつかっているのがこちらの特徴。
このマグロの真髄を味わうならば、炭火焼きをどうぞ。皮に近い部分は脂のりがよく、少し筋が入っています。炭火でこんがり焼くと筋がぷるんとトロけて、口の中でほどけるようなジューシーさ。赤身の部分はさっと炙る程度のレアで。柔らかな舌触りとともに、さっぱりとした旨みが楽しめます。2つの部位を一皿で堪能できるメインディッシュ。香ばしく焼いたら、仕上げにオリーブオイルと塩をかけただけというシンプルさゆえ、素材の力強さがダイレクトに伝わります。
「やま幸」仕入れの本マグロは、赤身とサシ入りがどちらも味わえる尾の部分
「やま幸」の本マグロ以外にも、三重県尾鷲の漁港から直送される魚介が『本日のお魚料理』として登場。地中海の幸に恵まれたプーリア州のように、鮮度抜群の魚介メニューも必食です。
プーリアの食卓を体感するワインとオリーブオイル
プーリア州はイタリアでも有数のワインとオリーブオイルの産地です。その名産品を心ゆくまで楽しめるのも、こちらならでは。
<右>『サトゥルニオ』4,000円<左>『ピエトラ ビアンカ』5,500円(ともに税抜)
ワインはプーリア州のものだけをセレクトし、68種類をラインナップ。スプマンテから赤まで取り揃えた中でも、オススメはロザート(ロゼ)ワイン。フレッシュな果実味と軽やかな飲み口は、素材感あふれる料理にはぴったりで、現地でもよく飲まれているのだとか。
白には店名と同じ『ピエトラ ビアンカ』という銘柄もあり、プーリアへの思いが表れています。オススメを尋ねながらグラスを傾けるのもまた良し。
EXヴァージンオリーブオイルをはじめ、料理にプラスして楽しむ調味料
ディナーコースをオーダーすると、テーブル一卓につき1本のEXヴァージンオリーブオイルをプレセントという大盤振る舞い!ほかにも、ハーブオイル、チリオイル、チリペッパーがセットされていて、どのメニューにも好きなようにかけてOKという言わば味変アイテムです。そのままでもおいしい料理につかうのは躊躇してしまう……のですが、ぜひお試しを。
潔すぎるくらいの引き算で調理された野菜に、魚に、肉に、いいアクセントが効いて、新たな味わいが生まれます。残ったEXヴァージンオリーブオイルは持ち帰りができるので、自宅でもお料理にかけて南イタリアの気分を楽しめます。
炭火の焼き台の前に立つ本間道夫シェフ
プーリアの食文化を色濃く表現したメニューには、本間シェフの思いが込められています。【エノテーカピンキオーリ東京】系列の【イプリミギンザ】で料理人のキャリアをスタートし、シェフを務めた【イルルォーゴ】の移転にともなう休業中にイタリア各地を巡る旅へ。そこで魅了されたのはプーリア州。「大地と海に育まれた美味しい食材。それらに手をかけ過ぎず、持ち味を存分に生かした料理が魅力でした」と本間シェフ。プーリア州に滞在して、農作業を手伝い、家庭料理を囲む日々を過ごしたそうです。
帰国後はプーリアの味を再現すべく、より良い素材を探し求めて「キレド」の野菜や尾鷲の魚介を取り扱うことに。さらに、現地の一般家庭にある薪の代わりに炭火を取り入れました。【イルルォーゴ】から素材と調理をパワーアップさせて、【トラットリア ピエトラ ビアンカ】としてリニューアルオープン!シンプルが信条のプーリア料理に、細やかな心配りと巧みな技を凝らしたメニューは、目も舌も楽しませてくれます。
かしこまりすぎずに「おいしいものが食べたい!」ときに。気心知れた友人と誘い合わせて訪れたい、上質なトラットリアです。
自宅でも楽しめるテイクアウト情報
ボリューム満点のテイクアウトメニュー
■『本日の前菜盛り合わせプレート』3,500円(税抜)
鎌倉【ラッテリア ベベ】のブッラータ、カポコッロ(プーリアのハム)、生ハムのほか、アジのパン粉焼き、ズッキーニのフリッタータ、イカの詰め物のトマト煮など日替わりの前菜を盛り合わせに。
■オーダー受け付け時間:11:30~14:30 18:00~22:00 ※1時間前までにオーダーすると受け取りがスムーズです。
■キレド野菜のパニーニ600円、粗挽きハンバーグのパニーニ650円(ともに税込み)などパニーニ各種もあります。
撮影/佐藤顕子 取材・文/首藤奈穂(フリーライター)
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