1日3回の食事はほんとうに正しいのか
「朝昼晩、規則正しい食事を」。多くの人が耳にタコができるほど聞かされてきた言葉でしょう。近年、「1日1食健康法」「食事回数を増やしてダイエット」など、食事回数についてさまざまな説が飛び交っています。わたしたちは一体1日何回食べればよいのでしょうか?
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食事回数を減らして胃腸を休める
小分けに食べて吸収を抑える
1日3食はバランスのよい万人向け
食事回数を減らしてみる「1日1食、1日2食の場合」
1日1食食事法は、食事を「習慣」から解き放ち、体が欲しているときに必要なものを食べる、という考え方です。ナグモクリニック院長・南雲吉則医師が実践し、減量とアンチエイジングに成功して話題になりました。
たとえば夕食をガッツリ食べたとしても1食でとれる量は限度があり、1日の総摂取カロリーは少なくなります。カロリーを気にせず好きなものが食べられる、というのが1日1食の最大のメリットいえるでしょう。
日本人は江戸時代までは朝夕2回の食事で生活していました。世界的に見ても1日2食の歴史は長く、理想は1日2食という考え方は根強くあります。
食べたものが胃で消化され腸で吸収されるというプロセスには一定の時間が必要です。食べる回数を減らすと、完全に胃が空になった空腹時間が増え、それが胃腸の休息時間となります。食事の回数を減らすことで、食後の眠気に襲われることも少なくなり、頭がはっきりする、体が軽くなったという方も多いとか。
食事回数を増やしてみる「1日4食、1日5食の場合」
食事回数を増やすダイエットも人気があります。食事自体カロリーを消費する行為なので1日の内に体の代謝が上がる回数が増え、栄養がこまめに補給されるとわかると、脳が体内の栄養を消費してよいと判断し脂肪を蓄えなくなる、これが食事回数を増やすダイエットの仕組みといわれています。
仕事が忙しく、夕食が遅くなりがちな人にオススメなのが1日4食。朝昼、夕方の軽食、糖質を抑えた低カロリーの夕食をとることで、遅い時間のドカ食いを防ぎます。
1日5食では、朝昼夜の3食に2回の間食を加えます。欧米の研究では、3食の人より5食の人のほうが体脂肪率が少ないというデータが得られたとのこと。もともと1日5食は糖尿病患者向けの食事法であり、空腹から急激な満腹状態になることがないため、血糖値の上昇が緩やかになるという利点があるようです。
1日3回食べることは、なにが優れているのか
1935年、国立栄養研究所の佐伯矩医学博士が提唱したことをきっかけに、朝昼晩、1日に3回食事をとることが推奨されるようになりました。規則的に同量程度の3食をとるのが理想とされています。
たとえば、成人であれば必要な2000キロカロリーを3回に分け、600~700キロカロリーを5~6時間おきにとります。これは質量ともに実践しやすく、バランスのとれた多くの人に適した食事法といえるでしょう。
1日3食が推奨されてから80年が過ぎ、国内の環境は変化し、ライフスタイルも多様化しました。スポーツで汗を流す大学生とデスクワーク中心の40代では、食べるべきものも時間も異なります。1日の合計摂取カロリーに極端な過不足がなければ、食事回数自体は自由に設定しても大丈夫。「食事は1日に3回」という枠をいったん外し、自分に合った食事回数を探してみてはいかがでしょう。
塩川千尋(フリーライター)
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