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丁寧に味わいたい理由がある。【CREATERNA】シェフの「創造し続ける料理」とは|三宿・池尻大橋

国内外で培った経歴と、料理と向き合い磨き上げてきた感性。それをひけらかすことなく、真っ直ぐに素材の魅力を引き出す技術……。【CREATERNA(クレアテルナ)】のシェフはこうした確かな腕を持ちながらも、今もなお“創造”することを止めたくないと話します。だからこそ、ここで出合う一皿一皿は、時間をかけて丁寧に味わいたくなるものばかり。ある日のランチタイムの写真とともにお届けします。

CREATERNA

≫お店の「動画」はページ下をチェック!

世界の名店を渡り歩いたシェフが、三宿の地へ

三軒茶屋駅と池尻大橋駅の間に広がる東京・三宿は、グルメな人々に支持されるレストランが集まる注目のエリアです。その一角に佇むのが大人の隠れ家【CREATERNA(クレアテルナ)】。オープン直後から注目を集めているとうわさを耳にし気になっていたこちらのお店へ、足を運んでみました。

    CREATERNA

    三宿の一角に静かに佇む【CREATERNA】

階段を降りた先に広がるのは、白を基調としたシンプルな空間。ソファーのあるテーブル席とハイチェアーのカウンター席が並び、食事のひとときを楽しみたい大人たちにピッタリな上質空間という印象です。

そのカウンターの奥に、シェフの須羽恒之さんがいらっしゃいました。

    CREATERNAカウンター

    必要なものだけが心地よく配置された、白を基調とした店内

須羽シェフはこれまでフランスの【Le Petit Nice】をはじめ、ノルウェーの【Maaemo】、スペインの革新を象徴する【Disfrutar】【El Celler de Can Roca】【Enigma】など、世界のトップレストランで研鑽を積まれてきた方。そして日本では【TAPAS MOLECULAR BAR】【ENEKO Tokyo】【INUA】と数々の名店で経験を重ねられたのち、東京のミシュランの星を関するグランメゾンで料理長を務め、2025年7月に満を持して三宿の地に【CREATERNA】をオープンさせるに至りました。

ちなみにこれだけのご経歴を持たれていながらも、ランチのコースは1万円以下、なんと8,000円(税込)に設定されているというので驚き。ちなみにディナータイムには14,000(税込)・19,000円(税込)の2種のコースがあります。

自分にしかできない【CREATERNA】としての一皿

    CREATERNA料理

    訪問した日の、前菜2種のうちの一品『帆立、りんご、大根の冷製』。素材が六角形に型取られ、まるで宝石のようにキラキラとした印象を抱きます。素材にはホタテや2種のダイコンなどが使用され、ハーブやビネガーの香り、ラディッシュなどを使用したオリジナルのドレッシングがいっそう爽やかな印象を残してくれる一皿です

最初は伝統的なフランス料理から始めたそうですが、1つの道を極めていくシェフが多い中、須羽シェフの経歴はと言うと前述の通り多様。「伝統的なものは世の中の誰かが作っていけるかもしれないが、自分にしかつくれないものを突き詰めたくなった」ことから、おいしく、独創性のある料理を創造するためにジャンルに縛られることなくイタリア料理やスペイン料理、またベーカリーやチョコレートの技術まで幅広く学んでこられたと言います。

    CREATERNAの料理

    この日の魚料理『黒メジナの低温調理』、春菊のナージュの香りも余韻に。上に見える丸くて白い花柄……これは、なんと薄く切ったダイコンとダイコンの間にエディブルフラワーを挟み“押し花”のようにしたもの。その仕立てに気が付くまではあまりに綺麗で印刷かな?と思ってしまっていたほどで、こうした一皿一皿への繊細さ・緻密さ・発想のおもしろさが、人々を惹き付ける【CREATERNA】ならではの魅力だと感じます

    CREATERNのメニュー

    140℃という低温で時間をかけてローストした、しっとりとした身質の『鹿児島県産黒豚 140℃ロースト』。赤ワインを使ったソースをかけていただきます。スペイン産のリトルジェムレタスも素材の甘みがぎゅぎゅっと凝縮されています

そうした中で【CREATERNA】として出されるのは、芸術的そしてクリエイティブな仕立てでありながら、素材のおいしさをまっすぐに感じられる“難しくない”料理の数々。「何を食べているのかわからない特異な料理ではなく、美しくデザインされた何を食べているのかわかる料理を創作したい。」というシェフの言葉にも納得です。

そして、そのまっすぐな料理を口にした時の味の深みや驚きがより深く感じられるようにとの想いもあり、店内はあえてシンプルに白で統一されていたのだそうです。料理も店内も、ともすれば様々な方法でカモフラージュできてしまうかもしれないところを、あえてストレートに表現し続けられるのは確かな実力が備わっているからこそ。シンプルな中から生まれる“余白”が、食事をする人たちの感性をより一層研ぎ澄ませてくれるようです。

    CREATERNAメニュー

    この日のデザート『フロマージュブランのムース』。いちごのプリザーブの詰められたフロマージュブランのムースに、パリパリッと軽やかなラズベリーとバラのクリスプ、2時間かけて加熱して作ったいちごのコンソメをかけて。手前はオリーブオイルのソルベ。それぞれの食感とともに楽しみます

「創り続ける」こと

シェフが創造することを突き詰めていくことになったルーツの1つに、スペインの伝説的レストランとも言われる【elBulli】の存在があったと教えてくださいました。20代の頃に、【elBulli】当時の分子ガストロノミーを駆使した革新的料理に衝撃を受け、修行に行きたいと試みていたものの、いつしかお店は閉店。

その後、【elBulli】で料理開発をしていた3人組によるレストラン【Disfrutar】の存在を知り、ついに今から2年前の2024年、スペインへ渡り【Disfrutar】での研鑽の時を過ごされたといいます。

    CREATERNAのシグネチャー

    アミューズとして最初に登場するのがこちらのシグネチャー『蝦夷鹿のブリオッシュ』。ぜひ“一口で”食べて、そのあとに広がる楽しみとともに【CREATERNA】の世界観へ入りこんでもらいたい一品です

実は、一番最初にアミューズで登場する『蝦夷鹿のブリオッシュ』は、その【Disfrutar】で習得した料理をアレンジしたものとのこと。ご自身の料理として昇華させたこちらの一品が、丁寧にそっと目の前に運ばれてきました。

    CREATERNAのデザート

    ちなみにディナータイムには、お茶菓子も。一口食べるごとに味・食感・香りで一気に口福感に包まれます。なお個人的には写真右のチョコレートに衝撃。口溶け後の余韻にしばし浸ってしまいました

店名の【CREATERNA】は、ラテン語の「Creo(創造)」と「Aeternus(永遠)」に由来した造語なのだそう。料理だけでなく、ゆくゆくは料理に合う食材で作るドリンク“食べる飲み物”の構想もおありだそうで、まだまだ「創造し続ける」ことは止まらなさそうです。

「実は、写真に自分が写るのはちょっと苦手で」と言いながらも、気さくに色々なことをお話してくださったシェフ。静かに、丁寧に味わいたくなる料理には、シェフの人柄と歩んできた時間も自然と表れているようです。

大切な人たちに教えたくなる、素敵な一軒に出会えました。

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この記事を作った人

鈴アヤ(ヒトサラ編集部)

都内の新店や話題のお店を中心に、取材・ライティングをしているヒトサラ編集部メンバー。「オシャレランチ」「デート向き・夜景が見える」「ペアリング」の言葉に反応しがち。Instagramアカウント名は『あむグルメ』

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