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更新日:2018.03.03グルメラボ 連載

エジプトの国民食『コシャリ』って!? 錦糸町の【コシャリ屋コーピー】で現地の味から変化球まで楽しんでみる

皆さん『コシャリ』って知っていますか? 何でも日本のラーメン並みにポピュラーなエジプトの国民食で、現地では街にコシャリ屋が星の数ほどあるそう。そんなコシャリを、日本でも食べられる貴重なお店が錦糸町にあります。謎のエジプトめしの魅力に迫ってみました!

エジプトの国民食『コシャリ』って!? 錦糸町の【コシャリ屋コーピー】で現地の味から変化球まで楽しんでみる

日本では希少! 『コシャリ』が食べられる【コシャリ屋コーピー】

    夜は“コシャリバー”になる【コシャリ屋コーピー】

    夜は“コシャリバー”になる【コシャリ屋コーピー】

 お店は錦糸町南口の歓楽街にあり、路地の建物2Fでやや分かりづらいです。表の道路に旗が立っているので見落とさないように。実は昼間はキッチンカーで都内を回っているので、ここまで来なくても食べられるのですが、キッチンカーにはないメニューがたくさんあるので実店舗を訪れることをオススメします。ちなみにキッチンカーは下記のエリアに出没します。

月曜:小伝馬町フジスタービル
火曜:富士ソフトアキバ
水曜:三田国際ビル(3/28~)
木曜:リバーサイド隅田セントラルタワー(3/9~)
金曜:KDX御茶ノ水ビル
ほか、土・日・祝は東京ビッグサイトや代々木公園などのイベントに出店

    キッチンカーでは十数種ほど販売(写真は2017年10月)

    キッチンカーでは十数種ほど販売(写真は2017年10月)

コシャリとはそもそもどんな料理なのか

    実は砂糖を使わない“ヘルシーフード”でもある

    実は砂糖を使わない“ヘルシーフード”でもある

「コシャリ」とは「混ぜる」という意味。ご飯にパスタ、マカロニ、豆を加え、フライドオニオンとトマトソースをかけ、それをごちゃ混ぜにした料理のことです。シェフの石高さんによると、現地ではラーメン並みにポピュラーな存在で、お店によって全く味が違い、人によって好みも違うので、それぞれ「推しコシャリ屋」があるのだそうです。

まずはノーマルなコシャリから攻めてみる

    ソースが別添え。シンプルな普通の『コシャリ』(500円、税込)

    ソースが別添え。シンプルな普通の『コシャリ』(500円、税込)

 これが一番普通のコシャリです。ひよこ豆やレンズ豆を混ぜたご飯をクミンなどのスパイスで炊き、マカロニ、炒めたバーミセリ(細いパスタ)を混ぜたものがベース。トマトソースは、スパイスで香り付けし飴色になるまで炒めたタマネギとトマトを、クミンやシナモンなどのスパイスで味付けしたもの。非常に手間がかかっています。さらにすごいのが、驚くほどカリカリでザクザク食感のフライドオニオン。タマネギを揚げた後、さらに一週間の天日干しを行い、熟成して旨味と香りを引き出すのだそうです。一杯のコシャリに並々ならぬ努力と研究の成果が詰め込まれているのですね。

 実は開店1周年を迎えた2017年10月、スタッフ全員でエジプトに研修旅行に出向き、本場のコシャリを調査して来たのだそう!その後は器を現地と同じお皿に変えたり、トッピングにエジプトの食材を加えたりと、より本場のものに寄せているのだとか。

コシャリは二度、三度おいしい

    シークワーサーを搾るのが【コーピー】流

    シークワーサーを搾るのが【コーピー】流

 コシャリの食べ方は、別添えのトマトソースに卓上の「シャッタ」(唐辛子+コリアンダー+水をベースにしたオリジナルソース)と「カル(現地ではダッア)」(ニンニク+クミン+レモン+塩+酢)を好みの量加え、コシャリにかけてぐちゃぐちゃに混ぜるという方式。店員さんは「インスタ映えしないですね〜」と笑いますが、実はインスタ映えしないものの方が美味しかったりするんですよね(筆者の持論)。

 肝心の味ですが、酸味がありクミンのエキゾチックな香りが口中にあふれます。何よりもパスタのムチムチ、豆のコリコリ、オニオンのザクザクという食感の組み合わせが楽しい!「あんまり辛くないんだ」と油断してさらにシャッタをかけてみると、一気に辛さが口中を攻撃します。

無限に広がるコシャリのアレンジ

    【コーピー】のコシャリは35種ほど。トッピングも豊富

    【コーピー】のコシャリは35種ほど。トッピングも豊富

 ところで、他のコシャリも気になりませんか?メニューには『焼きなすおろポンコシャリ』『担々コシャリ』など絶対現地にはないであろう変化球コシャリが並びます。トッピングも豊富で、豆腐やモロヘイヤ、ハンバーグ、唐揚げ……と国境を超えたコシャリとのマリアージュが楽しめそうです。

エジプトらしい『コフタコシャリ』で現地気分

    手作りのコフタがのる『コフタコシャリ』(750円、税込)

    手作りのコフタがのる『コフタコシャリ』(750円、税込)

 エジプト視察後にできたメニュー『コフタコシャリ』です。コフタとは羊や牛のミンチなどを使った肉団子のような料理で、コーピーでは牛ミンチを手ごねした手づくりのコフタを使います。こちらもクミンとチリパウダーが効いていて、エジプト感満点です。

まるで朝食のような『ハムエッグコシャリ』

    半熟具合がちょうどいい『ハムエッグコシャリ』(750円、税込)

    半熟具合がちょうどいい『ハムエッグコシャリ』(750円、税込)

 朝から食べるならこのコシャリでしょうか。半熟に焼き上げた卵焼きを崩すと、トロリと黄身がコシャリと絡んでマイルドに。エジプト人が見たら驚きそうですが日本人には妙に魅力的ですね。

もはやどこの国か分からない『温野菜チリペーニョコシャリ』

    カラフルな野菜満載の『温野菜チリペーニョコシャリ』(850円、税込)

    カラフルな野菜満載の『温野菜チリペーニョコシャリ』(850円、税込)

 パプリカやアスパラなど5種の温野菜に甘辛く酸味のあるハラペーニョを加え、チリパウダーをプラス。メキシカンとアラビアンの融合です。

なぜコシャリ屋をやろうと思ったのか

    期間限定メニューも。HPをチェックしよう

    期間限定メニューも。HPをチェックしよう

 そもそもなぜコシャリに目を付けたのか。実はオーナー・柳堀さんはコシャリ屋とはまったく別の事業をしている起業家で、店を任されているのはシェフの石高さん。二人は中学の同級生で、同窓会の後に行った銭湯のサウナで「飲食店をやろう」と盛り上がりました。いざやるとなったのが『コシャリ屋』。石高さんは「コシャリ⁉︎ ていうか何それ?」と思ったのですが、エジプト旅行経験のあるオーナーは「現地の料理の中でコシャリがダントツ旨かった。コシャリは来る!」と日本でのヒットを確信。最初は「オレ洋食屋をやりたかったんだけどな…」と戸惑いつつ一緒にやり始めた石高さんですが、今では店でもエジプト民族衣装を着てコシャリ作りに励むなど、コシャリ愛は揺るぎないものとなっています。

 ちなみにお店では「コシャリはエジプトソウルフ〜ド♪」と謎のBGMがかかっていますが、これはキッチンカーを担当しているスタッフが歌う「コシャリ屋コーピーのテーマ」で、CDも販売。一度聞くと耳から離れず、何か呪術的な中毒性すら感じさせます。

クフ王もびっくりのコシャリが登場!!

    標高は16cm。4~5人でシェアするべし

    標高は16cm。4~5人でシェアするべし

    「エジプト視察で10軒のコシャリ屋を巡りました」と石高さん

    「エジプト視察で10軒のコシャリ屋を巡りました」と石高さん

 最後に、この店でもっとも衝撃的なメニューを紹介。それが『ピラミッドコシャリ』です。通常のコシャリはライス200gですが、ピラミッドはライスだけで1kg、さらに好きなトッピングを5種選べます。この美しい四角錐のデカ盛りメニューは、なんと「型が売っていたからやってみた」と生まれたのだそう。そそり立つコシャリはもはや神々しくもあります。

 まだまだ気になるネタがたくさんある【コシャリ屋コーピー】。日本にはコシャリ専門店は2店のみだそう。キッチンカーで味見してみるのも良いですが、期間限定メニューや『コシャリオムライス』『コシャリドッグ』『コシャリゾット』など自由な変化を遂げたコシャリに出会える錦糸町のお店にぜひ足を運んでみてください。

この記事を作った人

取材・文/猫田しげる(ライター)

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