更新日:2018.03.20連載
大人気のチャーハンは日に300食 神楽坂の【龍朋(りゅうほう)】| ヒトサラ Bグルマン部 #6
“B級グルメ美食家”たちが集い、愛するお店を熱く語る「ヒトサラ Bグルマン部」。今回は町中華、テーマは「“男の”インスタ映え」です! 紹介するお店は、人気のチャーハンが日に300食も出るという、神楽坂の名店【龍朋】。世間で流行のキレイやかわいいインスタ映えではなく、男が熱く語る正統派中華です!
								 
							
Bグルマン部 今回のテーマ
「“男の”インスタ映え」
													こんにちは。ラグジュアリーメンズ誌『THE RAKE 日本版』のファッションエディター、藤田です。「ヒトサラ Bグルマン部」の町中華担当に仲間入りさせてもらってから、「食べるのも仕事のうち」という大義名分のもと、通う頻度がバッキバキにアップしています。
さて、今回ヒトサラ編集部から与えられたテーマは「“男の”インスタ映え」。でも町中華の料理ってほぼすべてこれに当てはまるので、外観のインスタ映えにこだわって選んでみました。
黄色と黒の軒先テントに描かれた「The Lahmen」のスペルが男心をクチュクチュッとくすぐる神楽坂の名店【龍朋】を紹介します。
神楽坂【龍朋】
大人気のチャーハンに大悶絶必至
									
								 
							
【龍朋】は1978年の創業。軒先の黄色地に黒のカラーリングと「The Lahmen」にときめくのは男だけ?
初めて神楽坂の【龍朋】を訪れ、その軒先テントを目にした瞬間、カラダに電流が走った。町中華のそれは赤が相場なのに、ここのは阪神タイガース色の黄×黒。
さらに「Ramen」じゃなくて「The Lahmen」。スペル間違いお構いなしの貫禄たっぷりな佇まいに、3割8分9厘を打った1986年のランディ・バースのような凄みを感じたのだ。
								 
							
豊富なメニューの札は外観の印象とは異なり、町中華らしからぬお洒落感。何を食べても美味しい
その日は確か土曜だったこともあり、タイガース色の軒先テントの下には10名近くが並んでいた。機会を改めるべきか迷ったけれど、このときかつてタイガースで活躍したマット・キーオ投手(1987~90年)の名ゼリフ「ちょっとマット・キーオ(待っときいよ)」が頭に浮かんだ。
口髭を蓄えた濃いキャラの背番号4が大好きだった僕は、彼の助言に従って列に加わった。かくして僕は、多い日は300食以上出るという【龍朋】の『チャーハン』と出合ったのだ。2年前の話である。
								 
							
アツアツの湯気がでている盛られたての『チャーハン』770円(税込)。食欲をそそる香りがあたりに立ち込める
今回与えられたテーマ「“男の”インスタ映え」は町中華にはぴったりだが、本気になりすぎるとそのおどろおどろしいビジュアルに女性から引かれてしまう恐れがある。これは僕のイメージ上よろしくないので(笑)、外観は男のインスタ映え、でも味は正統の【龍朋】を選んだ次第である。
ちなみに同店内はなかなかきれいで、女性ひとりでも気兼ねなく入れる。実際、女性客も結構見かけるし、ランチにお連れしたことのあるお嬢様から「龍朋のチャーハンとても美味しかったわ。また連れてって!」という嬉しいお言葉も頂戴するなど、ウケもいい。
								 
							
『チャーハン』の具は、卵、ネギ、チャーシューのみと、至ってシンプルだが、口にしたときの感動は一入だ
先にも書いたとおり、日に300食以上の『チャーハン』が出る【龍朋】では、特に昼どきはどのテーブルでも皆チャーハンを食している(テーブル席のみで全36席)。
気になる具は卵、ネギ、チャーシューの3種類のみで、見た目はとりたてて美しくはないブラウン系。そのかわりに柔らかな角切りのチャーシューがゴロゴロ入っており、程よいしっとり感のある米は、しょう油の香ばしさがフワ~ッと鼻孔を抜け、たまらなく食欲をそそる。どんなお嬢様もイチコロの美味しさなのだ。
								 
							
左奥に見えるのが、ラードの中華鍋。漬けられたネギと生姜によってチャーハンの香ばしさがグンと増す。塩も一度炒って雑味を取り除いているという
無上の幸せを実感していたら、マダムの厚意で厨房の中に入れてもらった。するとラードが入った大きな中華鍋を発見。中にはネギと生姜が漬け込まれていた。こういうひと手間が、チャーハンを始めとする料理の味に深みを与えてくれるのだろう。
嬉しいことにいいタイミングで『チャーハン』の注文が入った。よーし、作る一部始終を見ようかと思っていたら、圧倒的火力で炒める際の、手の振りの早いこと、早いこと。一気に炒めあげ、注文を受けてから2分もしないでお客さんに提供していた。
『チャーハン』についてくるスープも超秀逸だ。スープは豚骨、鶏ガラ、かつお節、煮干し、大豆からダシを取っているそうで、素晴らしくバランスが整っている。
								 
							
『チャーハン』についてくる乳白色のスープはとても優しい味わい。口にした瞬間から、麺への興味・期待がいやがうえにも高まる
豚骨や煮干し特有のクセは感じさせず、そのかわりに程よい甘味があってとても優しい仕上がりである。
もちろん、これに『チャーハン』を浸して食べても美味しい。
メンマ、うずら、小松菜、人参、もやし、キャベツ、それに厚切りのチャーシューなど、たっぷりの具が入っていて、色彩も大変美しい『りゅうほうめん』。先ほどのチャーハンについてきた、お店自慢のスープに中細麺がよく絡む。ボリュームはたっぷりだが、とても優しい味わいだ。
								 
							
とにかく野菜がたっぷりの『りゅうほうめん』770円(税込)は麺類の一番人気
実は【龍朋】では麺類がとても充実していて、『ラーメン』、『塩ラーメン』、『みそラーメン』、『麻婆麺』、『トマトたまごめん』、『ねぎラーメン』、『広東麺』、『東京ラーメン』、『ジャージャー麺』、『生姜ラーメン』など、85年の阪神タイガースが築いたニューダイナマイト打線さながらのいい選手揃い。
どうしても『りゅうほうめん』ばかりを頼んでしまいがちだが、ゆっくり制覇していくことをおすすめする。
ちなみにマダムのお気に入りは『塩ラーメン』と『生姜ラーメン』とのこと。
								 
							
僕のオススメ『きゅうりのクリーム和え』500円(税込)は、きゅうりをホイップした生クリームと塩コショウで味付けしたシンプルな一品だ
実は『チャーハン』と『りゅうほうめん』の前に、『びんビール』を頼んで『きゅうりのクリーム和え』と『チャーシューとかまぼこの辛し和え』をつまんでいたため、さすがに超満腹。今回は、これにてご馳走様である。
								 
							
『チャーシューとかまぼこの辛し和え』820円(税込)は自慢の柔らかなチャーシューが味わえてビールがグビグビ進む
変な質問でごめんなさいと断りを入れつつ、マダムにさりげなく訊いてみた。
「黄色と黒の軒先テントを最初に見たときからずっと気になっていたんですけど、阪神タイガースファンなんですか?」と。
マダムは何の迷いもなく0.5秒で答えてくれた。
「いや、全然違います。なぜあの色にしたかは正確には覚えていませんが、業者さんと相談して目立つからという理由でそうしたんだと思います」
ああ、違った。僕の【龍朋】に対するタイガースのイメージはその瞬間に崩壊した。
それでも〆の『りゅうほうめん』でトーマス・オマリー(阪神タイガースには91年~94年に在籍)級の満塁ホームランならぬ満腹ホームランをかました僕は、帰り道、いつものように上機嫌で『六甲おろし』を口ずさんでいた。
 
六甲おろしに 颯爽と
蒼天翔ける 日輪の
青春の覇気 美しく
輝く我が名ぞ 阪神タイガース
オウ オウ オウオウ 阪神タイガース
フレー フレフレフレー
 
 
最後の「フレー フレフレフレー」のところで、フライパンを華麗に振りながらチャーハンを炒めていた料理人(石崎さん)の姿を思い出し、僕も彼になりきって振ってみた。
【龍朋】からの帰り道、僕はいつも最高にハッピーだ。
※余談だが、YouTubeで六甲おろしをチェックするならNMB48 の山本 彩バージョンが最高だ。トーマス・オマリーのバージョンも存在するが、こちらは彼のあまりの音痴っぷりに卒倒してしまうはずだ。
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											アクセス:東京メトロ 東西線「神楽坂」駅2番出口より徒歩20秒 
 営業時間:11:00~23:00(土曜・祝日は11:00~22:00)
 定休日:日曜、祝日の月曜
この記事を作った人
藤田 雄宏(THE RAKE JAPAN)
1975年、東京都中野区生まれ。ラグジュアリーメンズ誌『THE RAKE日本版』 副編集長。ナポリの仕立て服を愛するあまり、2015年はナポリに駐在。毎日パスタを食べていた反動からか、帰国後、無類の町中華好きに。「独自の進化を遂げた町中華は日本の伝統食文化だ」が口癖。
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