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更新日:2019.02.17食トレンド グルメラボ

伝統と木の息吹を感じる『浄法寺漆』

和食をより華やかに演出してくれる漆。日本では、良質な漆に恵まれている岩手県北部の浄法寺町という町でつくられている。そこで作られた貴重な“浄法寺漆”を使った伝統工芸の器は、シンプルながらも和の心を重んじている。幅広い層から支持されている「浄法寺漆」の魅力に迫った。

伝統と木の息吹を感じる『浄法寺漆』

 浄法寺塗の起源は平安時代にまで遡る。生産地の岩手県北部の浄法寺町を中心とする二戸地域は昔から良質な漆に恵まれ、職人をはじめ地域の人々の努力とともに上質な浄法寺塗の漆器をつくり続けてきた。だが、戦後のライフスタイルの変化や低価格の輸入漆の増加に伴いこの伝統は一度途絶えかけたという。そこで復興に取り組んだのが岩舘正二さんとその意志を継いだ息子の隆さん。彼らが起点となり、この浄法寺漆と塗りの伝統を多くの人々に継承した。

    (上)入れ子片口・黒 栃 3つセット/41,040円(税込)、(下)入れ子片口・朱 栃 3つセット 41,040円(税込)

    (上)入れ子片口・黒 栃 3つセット/41,040円(税込)、(下)入れ子片口・朱 栃 3つセット 41,040円(税込)

 国内に出まわる漆器の約98%の漆は主に中国からの輸入で、国産の漆は全体の約2%しかない希少なものである。その国産漆の約70%が浄法寺漆なのだ。

主成分であるウルシオールの含有率が高い良質な国産漆を使い、塗師は塗り重ねという浄法寺塗独自の塗を施す。上質な漆、鍛え上げられた技術の塗りにより、完成した浄法寺塗うつわは、深い艶を湛え、触れると赤ちゃんの肌のようなつるんとした感触と口縁のフィット感を生み出している。

また、あまり知られていないが、国宝・重要文化財建造物の保存修理にも使用されるなど重要な役目も果たしている。浄法寺塗は、職人と地域が一体となって守り続ける愛のある伝統工芸と言えよう。

    岩舘隆 「端反椀」(溜)・(朱) 各7,000円(税抜)

    岩舘隆 「端反椀」(溜)・(朱) 各7,000円(税抜)

取り扱い店舗【暮らしのうつわ 花田】

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    住所:東京都千代田区九段南2-2-5 九段ビル1.2F

この記事を作った人

遠藤 麻矢(ヒトサラ編集部)

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