更新日:2017.08.18食トレンド 連載
食欲の秋に堪能したい、魚介自慢の名店をご紹介 from「ヒトサラSpecial」
その時期にもっとも旬なグルメをお届けする「ヒトサラ Special」。今回は食欲の秋におすすめしたい魚介の名店をご紹介します。味も鮮度も一流の魚介を使ったお料理をぜひお楽しみください。
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本場の港町さながらのスタイル【ボガマリ・クチーナ・マリナーラ】
貝の旨みを活かす変幻自在の料理を提供【あこや】
目新しい朝採れ魚介が一堂に。それはまるでイタリアの港町のような【ボガマリ・クチーナ・マリナーラ】
『ホウボウの白ワインソース アーティチョーク』。アンチョビやレモンの風味で上質な白身魚をいただく
キッチン前のショーケースが、ここ【ボガマリ・クチーナ・マリナーラ】ではメニュー代わりだ。そこには神経〆された生ホッケ、まだ動いているスダレ貝やゾウリ海老など、珍しい魚介類がずらり。思わず感嘆の声がもれる。北は北海道、南は九州、約10箇所の漁港にて、その日の早朝に競り落とされた魚介が、夕方には店に並ぶ。「活きが良く、味が良く、築地でも手に入らない珍しいもの」を仕入れるため、全国各地へ足を運んで独自のルートを築いたという。どのような品種で、どんな調理が合うか、説明を聞くだけで胸が踊る。まるで魚河岸。いや、ここまで珍しい魚介が揃うのは、漁港でもお目にかかったことがないだろう。
好みの食材が決まったら、次は調理法を考える時間。イタリア料理に詳しければ要望をそのまま伝えれば良いし、そうでなければスタッフがオススメを一から説明してくれる。「西欧から訪れるお客さまも多く、かなり複雑な注文をいただくこともあります。料理人魂に火がつきますね」と語るのは平山貴之シェフ。ただ本場の味を再現するだけではない。出汁ひとつとっても肉由来のものを一切使用せず、魚介の個性を活かすのだ。
例えば、コクを出すために『うにのスパゲッティ ボガマリ風 』に使用するのは、イタリア産のマグロのカラスミ。得も言えぬ複雑なパスタソースの旨みに、春先ならば最高のバフンウニが絡みつく。素晴らしい味わいだ。漁師からシェフに渡り、今まさに口へ運ばれた、そんな魚介をめぐる一連のストーリーに思いを馳せつつ、さらに食の喜びは深まっていく……。
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豊かな食材とシェフの技を同時に楽しめるオープンキッチンの眺めは壮観です
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平山シェフのスペシャリテ『うにのスパゲッティ ボガマリ風』。旬に合わせ日本各地の最高のウニを使用
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約300種のイタリア全土のワインが揃う。魚介料理との相性を考えワインは白が約7割と選択肢は豊富
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船のキャビンを彷彿とさせる優雅な空間。魚介から潮の香りが漂い、東京の中心部であることを忘れさせる
無限の可能性を秘めた貝の旨みを、手を変え品を変え表現する【あこや】
具材が選べる『釜飯』は、塩分控えめで濃厚な貝の旨みを堪能できる。最上級の魚沼コシヒカリ雪里米を使用
網焼き特有の芳しい香りが、年輪を重ねた造り酒屋のような空間に満ちている。巨大な一枚板のカウンターの先に見えるのは、じゅわりとおいしそうな音を立てながら、今まさに焼き上がろうとしているサザエやアワビ。隣のまな板では、活きたままのカキが颯爽とさばかれていく。メニューを覗けば、焼き物や蒸し物をはじめ、ステーキ、飯物、肴まで、すべてが貝づくし。お通しから貝料理と、そのバリエーションの豊かさは圧巻だ。そう、ここは貝の扱いに特化した専門店なのである。
卓越した技術で膳を据える伊藤祐介氏は、元々和食の料理人だった。姉妹店【あぶさん】の味に惚れ込み6年ほど客として通い詰めた末、店のオーナーであり貝料理の第一人者でもある延田然圭氏に弟子入り。下地が出来上っていたこともあり3年の修業を経て新店【あこや】を任されることとなった。
ホタテにはバター醤油、ホッキにはカツオの酒盗、大アサリには生海苔と、焼き物だけとっても味付けは多彩。食べ比べれば、それぞれの個性が巧みに引き出されていることがよく分かる。そして、実に酒が進む。タイラ貝とミル貝の肝をブレンドした特製味噌でつくるおにぎりや、アサリとハマグリの旨みを丹念に抽出した出汁でつくるリゾットなど、〆の一品まで飽きることがない。あこや貝の中できらめく真珠のように、ひとつひとつの貝が育んだ十貝十色、百貝百様の美味しさをご堪能あれ。
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特製割り下で甘く煮込んだ貝肝を溶き卵にくぐらせていただく『肝のすき焼き』
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食感を最大限に活かすため、火入れ加減の見極めに余念がない伊藤氏
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常時30種ほど取り揃えている地酒。そのほとんどが実際に酒蔵へ足を運び、貝料理に合わせて厳選
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酒蔵で使われた木槽の板やアンティークの吊り棚など、内装にはこだわりの品々が並ぶ
ヒトサラ編集部
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