触れたくなる、華やかな色絵「蓮華~renge~」
食を彩るこだわりの逸品を紹介。今回は、作家・松浦コータロー氏が手掛ける鮮やかなレンゲのこだわりと魅力に迫った。
作家・松浦コータロー氏は幼い頃から古美術や骨董を好み、学生時代は奈良、修業時代は京都で過ごし、2015年になると、憧れの古都である滋賀県の大津に開窯した。彼は生粋の歴史好きなのだ。このレンゲの風合いからも、その雰囲気が伝わってくるであろう。
絵柄は、中国の色絵や古伊万里(こいまり)、古九谷の古典作品などの文様からインスピレーションをうけ、花や鳥をモチーフにしたものが多い。一見とても鮮やかに見えるが、意外にも、できるだけ色数を減らし、シンプルにすることで、料理がより美しく見えるように工夫されている。
そして、このレンゲをつくるのにもっとも欠かせないのが、色絵を引き立てるための白磁の“肌合い”だ。「絵柄はもちろんですが、ファッションや美容においても生地の質やベースメイクが大切なように、焼き物も同様だと思います」と松浦氏。
左から「色絵古九谷梅鳥文レンゲ小付」6,000円、「染付花鳥文レンゲ小付」4,000円、「色絵牡丹文レンゲ小付」4,000円
人間ならば“赤ちゃんの肌”のように、魅力的な肌合いには必ず『触れてみたい』という衝動が生まれる。このレンゲは、そんな無意識に人を魅了する肌合いをもっている。うわべだけでない一本筋の通った制作だからこそ、人の心に響く華やかなレンゲになるのだろう。
松浦コータローinstagram @nao.ushinohana
取材・文/遠藤 まや(ヒトサラ編集部)、写真/伊藤信
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