「フードシェアリング」サービスを比較! アプリでwebで、簡単に社会貢献!
まだ食べられる食品が大量に破棄される“フードロス”。「もったいない」「なんとかしたい」とモヤモヤを抱えているのなら、フードシェアリングサービスで“フードレスキュー”してみませんか? いつもと違う食品や、ちょっといいものをお得に楽しめて、かつ社会貢献もできるんです。今回は、【TABETE】、【Reduce Go】、【KURADASHI.jp】を中心にご紹介。心も生活もちょっぴり豊かになる、サステナブルなサービスを使わずにいるのはもったいない!
倫理感だけでなく環境、経済にもダメージを与えている“フードロス”
日本では、食べられるのに捨てられてしまう食品が年間642万トンもあります(※2015年10月 経済産業省発表)。これは、国連が飢餓に苦しむ国々に援助している総量の約2倍。「もったいない」だけでは済まされない問題です。そんな倫理面はもとより、廃棄処分によるエネルギーの無駄、Co2の増加による環境負荷、生産量や仕入れ量に廃棄コストが上乗せされ、小売価格へも影響を及ぼすなど、経済的損失も大きいのです。
そんなフードロスの、悪しき習慣を断つ手助けをしてくれるサービスをご紹介します。
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【TABETE】お店の余った料理をお得にレスキュー
【Reduce Go】毎月定額で、楽しくエコな食生活を習慣化
【KURADASHI.jp】メーカーの協賛食品で、社会活動団体を支援
【サルベージパーティ】家の余った食材を救い出すレシピを提案
【Otameshi】お試し感覚でお得に、社会活動団体を支援
※各サイトへのリンクは記事の最後に記載しています
1.【TABETE】“フードロスを救う”という理念で繋がる文化を作る
2018年4月にWEBでサービスを開始した【TABETE 】。飲食店や総菜店などで販売するお弁当やおかず、あるいは急なキャンセルなどで余った食材のフードロスを削減するためのシェアリングサービスです。
閉店時間や賞味期限などの理由でお店がやむなく廃棄する食事を、お得な値段で手軽にレスキューし、“気持ちと気持ちを繋げる”サービス
こういった、賞味期限がその日のうちの食品をお店に取りに行き、身近なところでお得にフードロスに貢献できるのは画期的なことです。
余りそうな料理をレスキュー依頼。それを予約できるシステム
【TABETE】のシステムは、飲食店や総菜店が、閉店の数時間前に、「今日はこのくらい余ってしまいそう」ということを予測して、「何食分救済してほしい」と告知。ユーザーは、立ち寄れる場所だったり、食べたいと思うものだったりを「レスキューする」と予約し、指定時間内に取りに行く仕組みです。アプリでお店をお気に入りに登録しておくと、出品された時にプッシュ通知が届きます。
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2018年8月にアプリがリリースされ、お気に入りからプッシュ通知を受け取れるなど使いやすさが格段にアップした
「フードロスのレスキュー」という共通の理念でつながる
【TABETE】を運営するコークッキング代表取締役CEOの川越一磨氏は、「店側はいいものを“捨てるくらいなら、儲けにはならなくても買ってもらいたい”という気持ちで【TABETE】に登録してくれている」と語ります。というのも、手数料として売り上げの35%(※)が引かれるので、お店に金銭的なメリットはないのです。
(※2019年3月より、手数料は個数毎一律150円に変更)
とはいえ、お店を知ってもらう、一度利用してもらって再来店につながるなど、客層を広げる機会になるというメリットがあります。「【TABETE】は、サービスを通して“ゼロ円をいかに価値に変えるか”ということを考えてもらうための、一つのツールなのです」。
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登録店からの出品がある場合、商品数と価格が表示される。画面をタッチすると店の紹介や、レスキュー待ちの商品、出品された理由など、詳細を見ることができる。ピックアップ予約の手続きから決済もスムーズ
閉店間際の値引きシールを見て購入するのはどちらかというと“安さ”が目的。でも、アプリを利用すれば、同じ理念を持っている出品者とフードレスキューという気持ちでつながり、“お得なだけではなく、社会貢献している”という実感を持つことができます。「これが私たちの目的。消費者自身が“フードロス”に目を向け、行動を起こすことで、フードシェアリングの文化が作られていくのだと思うからです」と川越氏。
2.【Reduce Go】フードロス対策をライフスタイルに“楽しく”取り入れる
フードロスに対するアクションを習慣にして、継続していくことも大切
【TABETE】に類似するサービスで、利用頻度を積極的に上げて社会貢献度を担保する定期購入型の【Reduce Go】というアプリがあります。取締役の上村宗輔氏は、学生時代から飲食店で働いていた経験により、フードロスへの問題意識を高め、「あったらいいな」という発想でサービスを開発したそうです。
月額1,980円で毎日2回まで注文できるという、定期購入型にしたのは、フードロスに対する意識を習慣化してほしいという狙いから。
「テイクアウトという性質上、新たな食品やお店との出会い、受け取りに行く移動のプロセスに楽しさを感じてもらえるような仕掛けを作っていき、社会的な意義だけでなく“楽しんで”利用してもらえるサービスを目指しています」と上村氏。
スマートフォンアプリで周辺の出品店やメニューを検索。月額1,980円で日に2回テイクアウトができる
とはいえ、新しい概念なだけに、【TABETE】も【Reduce Go】も現在は都心が中心。登録店舗数も200店舗前後とまだ十分ではありませんが、理念に賛同してくれる店舗やユーザーは確実に増えているとか。地方都市への展開も準備中とのことで、今後のサービスの充実、エリア拡大が楽しみです。
3.【KURADASHI.jp】ブランドイメージを壊さず、社会貢献の意識を高めるしくみ
フードロスの背景には、必要な量よりも多くの食品が生産されたり、発注されたりするのが当たり前になっているという実態があります。
そんな余剰食品を「社会貢献」という意識のもとに売り切るサービスが【KURADASHI.jp】。半額以下は当たり前、商品によっては9割引きというものもありますが、決してディスカウントが目的ではありません。賞味期限内でありながら捨てられていく食品の削減に貢献し、しかも、購入代金の一部を環境保護、災害対策、医療、動物保護、世界の飢餓救済などの社会福祉支援活動団体に寄付するという大義のもとに成り立っているサービスなのです。
【KURADASHI.jp】は、お得な買い物が人のためになる、という社会貢献の意識を可視化できる仕組み
「たとえばスーパーなどの小売店では、まだ2ヶ月も味が保証されていながら売り場から食品を撤去。メーカーはブランドイメージを守るために泣く泣く廃棄していたわけです」と話すのは、フードシェアリングサイトのパイオニア【KURADASHI.jp】を運営するグラウクス(株)の関藤竜也氏。「しかし、2013年頃から国連でも食品ロスの論議がされるようになり、“サステナビリティ”という概念が広まるにつれて、社会の課題解決のためのサービスを考える人たちも増えてきました」。
グラウス社は時代に先駆けて、2015年に社会貢献型ショッピングサイト【KURADASHI.jp】をスタートさせたのです。
ケースでのまとめ買いが中心なので、主婦層、あるいはオフィスでまとめて買ってシェアするという利用者がメイン。飲食店がウエルカムドリンクとしてサービスするという使い方もされている
ワケあり商品のディスカウント店と社会貢献型の違いは?
「“社会貢献”という理念を伝えないと単に“訳あり商品”の販売になってしまうので、購入金額の3~5%を社会活動団体に寄付するという仕組みにしているのも特徴です」と関藤氏。現在協賛企業は550社、会員数は6万3000人と、扱う商品の種類、数、利用者全てにおいてフードシェアリングサイトの中で断トツです。
「メーカーは破棄するコストが削減でき、消費者は安く購入できるだけでなく社会貢献もできるという相互メリットが年々浸透しているようです」。
フードシェアリングは新たなビジネスとして話題になっているので、今後もサービスが増えていくでしょう。その時に我々消費者が気をつけなければならないのは、 “フードロスの削減に貢献しているのかどうか”を再確認することです。
お得感ばかりに囚われていないか? あるいは買いすぎていないか? 欲に走り過ぎて本末転倒にならないよう気持ちを引き締めながら、できるだけ多くの人が楽しくフードシェアリングの文化を浸透させていけることを願っています。
今回ご紹介した
「フードシェアリング」サービス
【TABETE】
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WEBからスタートし、2018年8月にアプリをリリース。お気に入りを登録しておくとプッシュ通知が受け取れるなど、より便利になった。現在の登録店は都心が中心。
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月額1,980円の定期購入を申し込むと、アプリで最寄りのレストランやカフェ、小売店の余剰食品を検索でき、毎日2回までテイクアウトができる。現在は東京都23区内に対応。利用料金の2%が社会活動団体に寄付される。
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日本におけるフードシェアリングサービスサイトのパイオニア。社会貢献活動に賛同するメーカーから協賛価格で商品を提供してもらい、手頃な価格を実現。購入金額の3~5%が社会活動団体に寄付される。
そのほかの
「フードシェアリング」サービス
【サルベージパーティ】
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家庭からでる食品廃棄の削減に力を入れているサービス。買い過ぎた食品、海外土産の調味料、冷蔵庫の困りものをみんなで持ち寄り、おいしく変身させるノウハウを学んだり、広めたりすることをサポートしてくれる。
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賞味期限が切迫した食品や見本品、パッケージのリニューアルで販売できなくなった商品を中心に扱っている。今後は、地方の特産品の商品開発で販売には至らなかった試作品などの、知られざる名品も掘り起こしてユーザーと繋げるなど、地場産業の支援もしていく予定。購入金額の一部が社会活動団体に寄付される。
藤田 実子(フリーライター)
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