ヒトサラマガジンとは RSS

更新日:2017.08.17食トレンド

氷池と氷室の神様「氷室神社」のお膝元、奈良でかき氷食べ歩き~その壱~

東大寺から徒歩5分、氷の神様として知られる「氷室神社」。毎年5月には全国の製氷業者が参列する献氷祭が行われます。その祭を機に、古都奈良では色とりどりのかき氷が花盛りに。そこで、氷を愛する神が坐す奈良で、多彩なかき氷楽しめるお店をご紹介します。

氷池と氷室の神様「氷室神社」のお膝元、奈良でかき氷食べ歩き~その壱~

毎年GWに開催されるかき氷奉納神事「ひむろしらゆき祭」

 710年、元明天皇の勅命により、現在の奈良公園内を流れる吉城川沿いに営まれた氷池で厳寒に結氷させて、沢に築いた氷室に蓄えていました。その守り神として祀られたのが氷室神社のおこりです。毎年、5月1日には神前に、「鯉の滝のぼり」などの花氷や氷柱を奉献。午後から、神社伝来の舞楽が奉納される「献氷祭」が行われます。

    氷の神様「氷室神社」ならではの献氷祭。氷柱や花氷が奉献されます

    氷の神様「氷室神社」ならではの献氷祭。氷柱や花氷が奉献されます

 2014年より氷室神社の境内にて献氷祭とともに5月に行われるのが「ひむろしらゆき祭」。奈良だけでなく、広島や岐阜、名古屋からも多彩なかき氷自慢のお店が集まります。その「ひむろしらゆき祭」の開催とともに奈良のかき氷シーズンが幕を開けます。

    多くのかき氷ファンで賑わった「ひむろしらゆき祭」。2018年には2月24日と25日の2日間、「かき氷EXPO2018 in NARA」が行われます

    多くのかき氷ファンで賑わった「ひむろしらゆき祭」。2018年には2月24日と25日の2日間、「かき氷EXPO2018 in NARA」が行われます

すぐに食べたい、はかなくも美しい【ほうせき箱】のエスプーマかき氷

    グレープフルーツの果肉がぷちぷちと弾ける『グレープフルーツヨーグルト氷』850円(税込)。提供期間:5月中旬~9月まで

    グレープフルーツの果肉がぷちぷちと弾ける『グレープフルーツヨーグルト氷』850円(税込)。提供期間:5月中旬~9月まで

 奈良では昔、おやつのことを「ほうせき」と呼んでいたことから、【ほうせき箱】というお店の名前が付けられました。2015年3月にオープンしたばかりの新しいお店ですが、その味と食感にリピーターが続出しています。

 看板メニューの『エスプーマかき氷』のエスプーマとは、スペイン語で泡を意味します。泡状に仕立てたシロップと薄く削られたかき氷が相まって、ふわふわの雪を舌にのせたかのような口当たりです。はかなく溶けてしまうから、提供されたらすぐに食べ始めたい繊細なかき氷。夏におすすめなのはエスプーマ仕立てのヨーグルトシロップに2種のグレープフルーツを使った『グレープフルーツヨーグルト氷』です。ヨーグルトの滋味豊かなコクにグレープフルーツの爽やかな酸味がアクセントになった逸品となっています。

【ほうせき箱】

電話:0742-93-4260
住所:奈良県奈良市餅飯殿町12 夢cube内
アクセス:近鉄奈良線「近鉄奈良」駅から徒歩8分
営業時間:10:00〜19:00※かき氷の提供は11:00〜(売り切れ次第終了)
定休日:木曜

お茶を知り尽くした専門店【おちゃのこ】ならでは。香ばしい風味が満載のかき氷

    『ほうじ茶ラテ氷』411円(税込)のプレーンタイプ。葛餅入りは+154円、アイスクリーム入りは+205円(各税込)。提供期間:通年

    『ほうじ茶ラテ氷』411円(税込)のプレーンタイプ。葛餅入りは+154円、アイスクリーム入りは+205円(各税込)。提供期間:通年

 小西さくら通り商店街に面した、擂茶(れいちゃ)・台湾茶・大和茶などの販売と喫茶のお店【おちゃのこ】。オリジナルの擂茶氷、ほうじ茶ラテ氷、いちごみるく氷をベースに、アイスクリームや弾力のある葛餅を氷の中に入れるスタイルでかき氷が楽しめます。

 ハラハラとした独特な食感を生み出すために、氷の温度を少し下げてから削るのがおいしさの秘密。職人技で極薄に削られた氷は空気をはらんで軽やかです。今回、ピックアップしたのは『ほうじ茶ラテ氷』。シロップと一緒に口に含むとサラリと溶けていきます。奈良産の焙煎大和茶と、乳脂肪分が濃厚なコク豊かな牛乳で作るほうじ茶シロップは、香ばしい風味とミルクが調和した味わいです。

【おちゃのこ】

電話:0742-24-2580
住所:奈良県奈良市小西町35-2 コトモール1F
アクセス:近鉄奈良線「近鉄奈良」駅から徒歩2分
営業時間:10:00~20:00(L.O.19:30)
定休日:第3水曜

和三盆を匠の技で糖蜜に仕立てた【中西与三郎】の繊細な味わいを座敷で楽しむ

    和三盆のまろやかさが味わえる和三みぞれに奈良町だんごをトッピング910円(税込)

    和三盆のまろやかさが味わえる和三みぞれに奈良町だんごをトッピング910円(税込)

 間口が狭くて奥が深い町屋を改装したおもむきのある空間で、多彩な和菓子が頂ける【中西与三郎】。『季節の上生菓子と大和茶のセット』や『吉野本葛餅とほうじ茶のセット』などおすすめスイーツは多彩です。

 なかでも阿波の和三盆糖蜜を使ったかき氷は、夏ならではの味わい。和三盆を炊く時には風味を活かすため、沸騰させないよう細心の注意を払って糖蜜を作ります。その繊細な技は和菓子の名店ならでは。トッピングには盆地ならではの寒暖差を活かして栽培した大和茶に味噌、小豆を練り込んだ奈良町だんごをトッピングするのもおすすめです。

    イチゴの甘酸っぱさが美味ないちごみぞれ780円(税込)

    イチゴの甘酸っぱさが美味ないちごみぞれ780円(税込)

【中西与三郎】

電話:0742-24-3048
住所:奈良県奈良市脇戸町23
アクセス:近鉄奈良線「近鉄奈良」駅から徒歩10分
営業時間:10:30~L.O.18:00
定休日:不定休

この記事を作った人

取材・文/ナカシママサヨシ(フリーライター)

この記事に関連するエリア・タグ

編集部ピックアップ

週間ランキング(11/14~11/20)

エリアから探す